表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まさかの…転生令嬢(笑)  作者: 竹本 芳生
8/25

8

トテトテと早歩きでエントランスホールを目指す


探すより、エントランスホールなら確実に父様を掴まえられる

絶対に会う!そのために


………エントランスには執事のエヴァンスがいた

まだ、父様は家に居る………

慌てずゆっくりと階段を降り、エヴァンスに声を掛ける

「エヴァンスゥ、まだとうしゃまは居るかしあ?」

(エヴァンス、まだ父様は居るかしら?)

少し驚いた顔をしたけど、すぐにいつもの柔らかい微笑を浮かべ

「おはようございます、アンジェお嬢様。旦那様はじきにお出になりますよ」

そう、膝をついて私の目線に合わせてくれた

25才になるエヴァンスは、なんと言うか草食系というか優男系イケメンだ

………話し声が聞こえる………

「エヴァンス、何をしゃがみ込んでいる?……?」

エヴァンスの後ろから、家令のポールが父様と一緒に歩いて来た


「とうしゃまっ!」

(父様っ!)

バチッと目が合った

「アンジェ!私の天使!」

叫んだと思ったら、走ってアッという間に抱き上げられました。

電光石火です!いつものシュッとした美形がデレッとした美形に早変わりです

「とうしゃま、アンジェはとうしゃまにおあいしちゃくて頑張りましや。」

(父様、アンジェは父様お会いしたくて頑張りました。)

余りの残念トークに目頭が熱くなります。

父様の目頭も熱くなってるのか、潤んできました

「とうしゃま…とうしゃまにまいちちおあいしちゃいれす…」

(父様…父様に毎日お会いしたいです…)

通じて!残念トーク!

ぎゅっと抱きしめられ頭を撫でられながら

「父様、頑張るよ…アンジェ…可愛い、私の天使」

私は父様の頭を抱きしめ

「とうしゃま…むりしないえ…アンジェ、まいちちとうしゃまにおてまみかくかや」

(父様…無理しないで…アンジェ、毎日父様にお手紙書くから)

あ…父様の涙腺が崩壊寸前だわ…

「あぁ…アンジェ…私のために…ありがとう、毎日の楽しみになるな」

「旦那様、お時間が」

ナイス!ポール!

父様はそっと私を降ろすと、ニッコリ微笑んで

「私の天使、父様は皆のために頑張って仕事をしてくる。アンジェも今日みたいに無理をしてはいけないよ、父様は心配で仕事に集中出来なくなるかもしれないからね?………父様はアンジェからの手紙が楽しみだよ」

私も笑顔で父様と目線を合わせ

「れは、アンジェはまいちちとうしゃまにおてまみをかきましゅ!」

(では、アンジェは毎日父様にお手紙を書きます!)

父様は再び頭を撫で、頷くと「行ってくる」と短く告げ歩き出した。

父様が扉から出る時「とうしゃま、いっれらっしゃいましぇ!」

(父様、行ってらっしゃいませ!)と叫んだ

前世では、ただの1度も父親に言う機会も無かった言葉を…

チラッと振り向きざまに手を振る父様に、私も手を振った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ