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なんとなく微妙に和やかな昼食を済ませました。
……自室に向かいたいのですが、エヴァンスからチクチク刺さりそうな視線を感じます。
時折、背中がゾクゾクします。
だーーーれーーーかーーー助けてーーー!
「主様、部屋に帰られるか?」
雪羅~ありがと~なんて、主人思いなの!
「あいっ!」
(はいっ!)
「では、お部屋までお連れ致しましょう。」
無理だった!ガクリorz
ヒョイと抱き上げられ、お姫様抱っこされました。嬉しくない。
「ふむ、エヴァンス殿は実に主様を大切に思っているようだな。」
な、な、何を言ってるのよ~雪羅~
「当たり前です。アンジェリークお嬢様は私の大切なお姫様です。」
!!!!照れるわ!!!!
「ありあと……」
(ありがと……)
そのまま自室に連れて行かれました。
「エヴァンチュ……ちょめんね……」
(エヴァンス……ごめんね……)
「え……?お嬢様?」
どうした?ショック受けんなや!
ソッとソファに降ろされて、そのままエヴァンスは跪いて私の手を額に当てた。
「申し訳ありません。私のつまらない嫉妬でお嬢様に謝らせるなんて……」
え?どうした?どうした?まるで恋する男のようだぞ!
えーと、何かウマいこと言わな……えーとだな……
「ちにちないえ、エヴァンチュにちんぱいちゃちぇえ……」
(気にしないで、エヴァンスに心配させて……)
言い終わる前にガッ!と手を握られました。
「アンジェリークお嬢様!お嬢様はまさに天使です!いつまでも、私を傍に置いて下さい。」
何言ってる!私はいつか、嫁に行く身やぞ!
だが、とりあえずは肯定しておく。
我が身の為に!
「あい、ちゅっとちょばにいえね。」
(はい、ずっと傍にいてね。)
私の手を離すとスッと立ち上がり、いつもの優しい笑顔で一礼すると「失礼しました。」と言い捨てて部屋を出て行った。
ふぅ、一件落着!これで何とかなるかな?
「何とか落ち着いたようですね、良かったですねお嬢様。」
ベルよ……今まで、気配消しといて何言ってる……
「ふむ……主様よ、あの男が落ち着いた様で何よりでしたな。」
くっ!雪羅まで!まぁ……皆、気持ちは一緒か。