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お久しぶりです!やっとの更新です。
自室に向かう間、私もベルも無言でした。
つられたのか雪羅も無言でした。
雪羅は歩かずに私の肩に乗ってます、可愛いです!なんと言っても仔猫サイズですから!
静かに自室に入り、私がソファに座ると緊張が解けたのか私もベルも大きく息を吐き出してしまいました。
理由は分かってます、エヴァンスの真っ黒い笑顔のせいです。
何なの?あの真っ黒い笑顔、初めて見るわ。
「ちょわちゃったわ………」
(怖かったわ………)
「久方ぶりに見ました。それにしても、あんなに殺気を漏らすなんて……」
は?殺気だと?何によ!
「どちて……?」
(どうして……?)
ベルがチラチラと雪羅を見てます、雪羅関係あるの?
「おそらく、雪羅殿が原因かと……」
「ちょんにゃ……」
(そんな……)
雪羅が原因とか、エヴァンスめぇ……
「その、多分ですが……お嬢様のご家族様以外に近しい者は私とエヴァンス様の2人でした。そこに雪羅殿が割り込んで来たと感じているのかもしれません。」
割り込んでって……まさか、焼きもちなの?
「その……意外かもしれませんが、エヴァンス様はお嬢様一筋ですので。」
「ちょうでちゅか……」
(そうですか……)
私、一筋とか……そんな風に見えなかったけど、そうなのか?
「主様、あのエヴァンスと言う男は中々強いと感じました。どういった立場の者なのであろう?」
肩に乗ったまま、雪羅が耳元で聞いてきます、ふわふわの毛が当たってくすぐったいです。
「雪羅殿、エヴァンス様はこの邸の執事です。使用人の中では3番目に偉い立場です。私よりも偉い立場なのですよ。ですから、そのあたりを考慮していただけると助かるのですが。」
「あい、分かった。だが、主様が1番なので聞けぬ事もあるだろうが了承して頂きたい。」
「それで、構いません。」
…………大人な2人?の会話が終わったようです。
軽いノックの音がします、誰か来たようです。
ベルが静かな早足で扉に向かいます。
「お待たせいたしました。」
「お食事の用意が整いました。」
「畏まりました。すぐに向かいます。」
やっとお昼ご飯です!ぺこぺこです!
「ちぇちゅら、はやういちたいかやおっちくなっちぇ」
(雪羅、早く行きたいから大きくなって)
雪羅は音も無く、飛び降りると虎サイズになりました。
邸の中で私を乗せて移動するのに良いサイズです、分かってるぅ!
振り返るとヤツがじゃなく、ベルが居ます。
「ベルゥ、ちぇちゅらにのっちぇえ。」
(ベル、雪羅に乗せて。)
「はい。」
バンザーイ!準備は万端よ!
ヒョイと持ち上げ、雪羅の肩のあたりに乗せてくれます。
「では、参ろうか。」
ノシノシ歩きだした雪羅の横にベルが付いてくれてます。
扉の開け閉めや、私の安全に気を向けてくれてます。ありがたいです。