18
長い……邸まで距離あります……歩くの疲れます。
チラッと雪羅を見て思わず……思わずですよ……乗りたいなーとか思っちゃう訳ですよ。
乗ったら気持ち良さそうだなーとかも思っちゃう訳ですよ。
ピタッとベルが止まりました。
クルーリ……ベルが薄ら笑いを浮かべて、私を見ました。
コワいです!思わず体がプルプルします。
「お邸まで距離ありますよね?私がどれ程心配して駆けつけたかお判り頂けますか?」
「あ……い……ベルゥ……」
(は……い……ベル……)
返事をするのがやっとです。
「判って頂けたなら良いです。セツラに乗せて貰ってはいかがです?私が乗っても大丈夫そうですよ。」
!!!!私が乗る!だけじゃなくて、ベルと一緒に乗っても大丈夫!なサイズ!
体高がベルより少し高い位だもの……いや、雪羅のサイズって何て言うか……2㌧トラックちょいみたいなんだよね……
まてよ……ベル、邸に入れる前提で魔法かけろって言ったな……サイズ変更可能なのか?
とりあえず、聞いてみよう。
チマチマ考えても時間のムダ!
「ちぇちゅら、ベルゥちょいっちょにのっちぇけ。」
(雪羅、ベルと一緒に乗せて。)
「少々お待ちを。」
雪羅、伏せました。頭を軽く下げて、翼を畳みました……?なぜだ?
「どうぞお乗り下さい主様、ベル殿。背中ではなく、首元の辺りがよろしいでしょう。」
なる程、ニャンコ系の背中は動きが激しいからな!って感心してたらヒョイッとベルに抱っこされました。
「殿呼びですか、では私も殿呼びしましょう。セツラ殿有り難く乗せて頂きます。」
クイッと雪羅の首元辺りに横乗りして、私をヒョイッと前向きに雪羅に直に座らされました。
開脚で座ってますが、チビッコボデーなら無問題です!首回りの長毛をギュッと握り前を向くと気分も高揚します。
「よろしいかな?」
そう言うと、ゆっくり体を起こしノソノソと進みます。
「ふふ…眺めは良いし、座り心地も良い……セツラ殿は凄いですね。お嬢様、とても良い魔物をテイムなさるとはさすがです。」
ベルの機嫌が上がった!私の寿命が延びた気がする!
今のはスルーして、雪羅に聞こう!
「ちぇちゅら、ちゃいじゅやかええゆの?」
(雪羅、サイズは変えれるの?)
「む?主様、当然変えれます。本来は今の姿ですが、最小は手のひら程最大は……ふむ、今の3倍程ですかな?」
「ちぇのちら!ちゅちぇち!」
(手のひら!素敵!)
「ハッハッ主様は我が小さい方が良いか!」
「ちぇのちらちゃいじゅなや、いちゅもいっちょやわ」
(手のひらサイズなら、いつも一緒だわ)
「なる程、では邸につきましたら手のひら程になりましょう。」
「あいっ!」
(はいっ!)