出発
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光の中に飛び込もうと思い光の中めがけて飛び上がろうと地面を蹴ったその瞬間、足元に突如穴が出現し達哉が穴に落ちていく
「ぎゃー また死ぬー」
しかし5秒程落下したらふわふわの雲の上にお尻から着地した
「助かったのか?」
「怪我はしてないよ、手荒な呼び出しをしてごめんね」
達哉の目の前には真っ白の服を着た小学生くらいの背丈の男とも女ともとれる顔立ちの神様が鎖に繋がれた状態で雲で出来た椅子に座っていた
「何の用でしょうか?後光はさしてませんがあなたも神様ですよね?」
「よくわかったね、後光がさしてないのは庶民派の神様だからね
そんな事よりも聞きたい事とお願いがあって呼んだんだけど話だけでも聞いて貰えるかな?」
神様に話を聞いて貰えるかと尋ねられたらいいともーって言わざるおえない…
達哉は道端で配られるビラを受け取るタイプの人間なのだ、神様だからとか関係なく断われるわけもなく
「まあ話だけなら」
「まずお願いは向こうの世界に行ったらぼくを祀っている遺跡の最深部に安置されている丸い石にくぼみがあるから今から渡す魔石をはめて欲しいんだ」
「簡単な場所にあるのならいいですけど毒沼の底とか魔王城の玉座とかなら無理ですよ」
「どこにあるか正直ぼくも知らないんだけどできる限りでいいよ
1つはめるごとに報酬もあげるからお楽しみにね」
「報酬ってどんなものなのですか?」
「魔眼とか魔剣とかかな〜」
魔眼に魔剣…異世界には存在するのか、魔眼を持ち魔法と魔剣を操る魔剣士
厨二病すぎるけどかっくいー
「多少危険なところでも頑張ります!」
「ハハハ頑張ってね
聞きたい事はあの人数であの程度のチンピラなら簡単に倒せたんじゃないの?なぜわざわざ苦手な体術で戦ったの?」
「な、なんのことですか?」
全てを見透かしたような口ぶりに達哉は動揺して1歩後ずさりした
「神様にはなんでも分かるんだよ、きみが竜源流の使い手だって事も最近格闘技を習い始めた事も」
小学生のような神様はイタズラが成功したような笑顔で達哉を見つめる
「あの時は武器がなかったし武器があったとしてもヤクザとチンピラ相手なら普通に負けてしまいますよ
高校生が勝てるわけないじゃないですか、真剣を持っても厳しいと思いますよ」
達哉はお手上げと手を上げて神様に伝える
「そんなものなんだね、それよりもこれが神龍石だよ」
小学生のような神様の手にはちょうど手のひらにすっぽり入りそうな黒色の卵のような形の石があった
「全部で9つだよ、マジックボックスに入れておいてね
報酬の前払いとして前世の持ち物を向こうの世界に持ち込ませてあげるよ、さすがに兵器や移動手段はダメだけどね」
「でもさっき偉い神様がダメだって…」
達哉が心配そうに言うとバカにしたように
「大丈夫だよ、あの人は心配性なんだ」
「ならおじいちゃんの形見の銅の首飾りを持っていきたいです」
「お安い御用さ」
小学生のような神様が手を上にかざすと上から銅の首飾りが落ちてきた
「あ、そういえば君はこのまま向こうの世界に行ったら赤ちゃんの状態で転生になってるけど今の精神年齢で知らないおばちゃんにトイレの世話をしてもらったりするの嫌じゃない?
今のまま転生させてあげることもできるよ」
「本当ですか⁉︎是非お願いします」
達哉は身を乗り出してお礼をいった
「武術は習ってたみたいだし、身体能力は身体強化をあげるからそれで補ってね
最高神には内緒で頼むね」
小学生のような神様がそういい終わると達哉に手をかざし何やらつぶやくと達哉の体が宙に浮き始めた
「せっかくの門出を邪魔してごめんね、向こうの世界で幸運があらんことを」
「何から何までありがとうございました、神様のお名前はなんなのですか?」
「ふふ、秘密だよ謎の神様…面白いでしょ?」
小学生のような神様はイタズラをしているような子供のような笑顔で口元に人差し指を立てる仕草をして達哉を見送っている
達哉はそのまま上昇を続けて元の場所に戻ってきていた
「よし、今度こそ異世界に出発だ!」
達哉は今度こそ光の中に飛び込んだ
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