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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第3章
87/144

帝国会議

アップする順番を間違えましたm(._.)m

本日2話アップしています。

サナトリア統一共和連邦国の最大の鉱物資源供給宙域の、通称『宇宙の涯』に2基ある、集合コロニーの一つ、【探求者の巣】

 (集合コロニーとは、使い勝手の悪くなった旧式密閉型スペースコロニーに重力発生システムを搭載させ、5基から7基を連結することにより、短期間で大容量の住居区を安価で構築できるので、中継基地や僻地での活動拠点として、旧式スペースコロニーのリサイクル方法とされている。)


 この日、本国から派遣された第一機動艦隊と第一砲撃艦隊からなる、総艦艇数約860隻にも及ぶ第一連合艦隊が集結していた。

この事態に、コロニーの住人達は、遂に帝国との開戦するのか?と言った噂が飛び交い騒然としていた。


【探求者の巣】内、軍総括指令部


華美は無いものの重厚な雰囲気の応接室にて、三人の男女が、お互いの従者を排しソファーに座っていた。

「あのさぁ、なんでお前ら二人ともここに居るわけ?」

不機嫌な顔を隠そうともせず、幸一は目の前でソファーに寛ぐ二人を見つめていた。

「あぁ、気にするな。私の上司に行けって言われただけだから。」

「俺の場合は、上司が付いてこいって、命令されたので仕方なく。」

明美と拓哉は、笑って出された珈琲を口にした。

「百歩譲って、拓哉は明美の部下扱いだけど、明美の上司って誰だよ!サナトリア最高総合司令元帥に命令できる上司って!」

 明美と拓哉は、軍のオブザーバーから一変、軍に編入後一気に出世街道をひた走り、今や軍内部では誰もが認める最高司令長官まで上り詰めたのであった。

明美は、軍最高司令長官となり、サナトリア全軍の指揮権を所有し、拓哉はその副官に収まっていた。

明美に関して言えば、幸一の指摘は正しい。明美より上の階級は無いのだから上司が存在しないはずであった。

ニヤリと笑った明美は、

「一人だけ存在するんだなぁ。これが。」

「まさか、」

「そのまさかだよ。サナトリア統一連邦共和国初代大統領、サファイア女王。お前の奥さんだよ。」

それを聞いて頭を抱えてこむ幸一だった。

「幸一。愛されてるねぇ。平和友好の通商交渉だと言うのに、俺ら二人と我が軍最高の第一連合艦隊を護衛に着けるなんて。」

サナトリア統一連邦共和国軍、最高司令長官の明美に命令できる人物は、ただ一人。最高司令長官を任命できる大統領だけ。すなわち幸一の奥さんでもある、サナトリア連邦共和国大統領サファイア女王

「職権乱用じゃないのか?」

「俺は、頼んでねぇ!だいたい、今回の会議で決まるものって今後の大枠だけで、細部についての打ち合わせは、まだまだ先の話だ。今回参加する相手だって下っ端の役人だからな。」

「じゃあ、なんでまた、お前が出ていく必要性があった?女王陛下の夫って、そんなに暇か?」

「暇じゃねぇよ!ただ、この会議に出席する役人の一人が、本国とのパイプ役なんだとさ。ちょっとそいつに人探しを頼んでおきたくてね。」

「さよりのことか?」

「あぁ。あのバカ、何年音信不通になりゃ気が済むんだ?こっちの身になってみろ!」

さよりが失踪してから、すでにサナトリア暦で6年もの時間が過ぎていた。

その間、国を挙げての大捜索が行われ、どうも帝国に行ったらしいと言うことまでは掴んだのだが、武力国家の帝国が通商条約はおろか、民間交流すら難色を示して、民間船すら帝国国内を、なかなか自由に航行することが出来なかった。その為、帝国国内を本格的に探すことができず、手をこまねいていたのだが、3年程前から交易船には規制が緩和されて、貿易が少しずつではあるが始まっており、ここに来て帝国側より、国交樹立と通商条約の話が提案されて、サナトリア統一連邦共和国としては断る理由がないので、前向きに進めていこうとしていた。


 事務方のメンバーだけで、大筋のロードマップを作って持ち帰り、次回までに国交樹立と通商条約の叩き台を作る為の会合なのだが、そこにサナトリア統一連邦共和国の最高指導者たるサファイヤ女王の夫が、会議に参加するという事態になったため、双方の関係者が慌てて、会議の日程調整が大幅に変更された。


今回が、第一回目の会合だった。

ノックと共に従者が応接室に入室し

「幸一様。御時間でございます。」

「わかった。明美と拓哉は、万が一の時だけでいいからな。」

「わかった。しばらく寛いでから、艦隊に戻る。」

幸一は、二人を置いて会議室へ向かった。


第一大会議室

サナトリア統一連邦共和国から5名、帝国からも5名参加しての会議に、オブザーバーとして幸一が参加。

会議の開催の言葉を幸一が発して、会議が始まった。

国交を結ぶ為の条件に、この先にある通商条約の基本ラインのすり合わせが主な会議で、お互いに最大限の条件を出しあい、この場では結論を出さず本国に持ち帰り、条件を精査し、どこまで譲れて何を譲れないかをしっかり見極めて、次の会合に向けての叩き台を作り議論を交わす予定だった。

会議は有意義に順調に進み、そろそろ閉会の時間に近づき、幸一が帝国側のメンバーに個人的なお願いをしようと、発言の許可を求め挙手しようとしたとき、会議室のドアが激しくノックされ、入室を許可をする前に帝国側の軍人があわただしく入室し、

「重要会議中、誠に申し訳ありません。緊急事態に成りましたので、会議を一旦中断していただきたい。非礼なのは重々承知している。お詫びはいかにでもしようと思う。」

と言って頭を下げた。

「何があった!」

帝国側の議員団の責任者が軍人に問いただすと

「先ほど、皇帝が崩御された。」

しばし沈黙が下りた後、帝国側が騒然となった。

「誠に申し訳ないが、国交の件と通商交渉はしばし延期させてもらえないだろうか?」

帝国側の交渉団の責任者が、サナトリア交渉団のの責任者に話を持ちかけると

「それは、そちらの重要性が高いので、かまわないのですが。」

責任者は幸一を見て、口ごもった。。それを見た幸一は

「私の事なら、お構いなく。本日もオブザーバーでの参加で、何ら権限もありませんので。」

と、微笑んで答えると周りはほっとした空気が流れ

「では、次回の会議は帝国側が落ち着いた時に再開としましょう。」

「ありがたく存じます。」

帝国側の交渉団が頭を下げると、幸一は

「もしご迷惑でなければ、葬儀に参加させていただくことは出来ないだろうか?」

帝国側が不思議そうな顔をするが

「いやいや、本来ならば、国交が樹立してからお伺いするのが、順番だと思うが、これから良き隣人であろうと、手を結ぶ相手の葬儀に参加しないのもなんだか冷たいと思ってね。」

しばし帝国の責任者が考え込み

「本国に、お伺いを立ててからでもよろしいでしょうか?」

「かまわないよ。それともう一つ。これは、個人的なお願いなのだが、こちらの暦で6年ほど前に、帝国側に渡ったと思われる1人の女性を探しているのだが、そちらで探していただき、近況を教えてくれると助かるのだが、どうだろう?」

そう言われ責任者は、

「どういったご関係の女性なのでしょう?」

「名前は、柿本さよりと言って、私の古い友人なんだが、事故でそちらに救助されたらしいんだが、連絡も無く帰国してないんだ。消息を知りたくてね。」

しばし瞑目していたが

「それも含めて、本国と相談の上ご返答するということでかまわないでしょうか?」

「あぁ、それでお願いする。」

「それでは、これにて失礼します。」

向かえに来た軍人に先導されて、交渉団は引き揚げて行った。


 幸一は、軍の応接室に戻り従者が淹れてくれた珈琲の香りを楽しんでいた。そこに

「で、どうだった?」

と、艦内で待機していた明美が拓哉も連れて応接室に現れ、会議の首尾を幸一に聞くと

「五分五分かなぁ。」

明美は驚き

「お前が説得したのにか?」

信じられない顔をしたが、幸一が

「いや、俺が説得する前にエライ事が起きてなぁ、とりあえず依頼だけはしたんだが、だめ押しが出来なかったからなぁ。」

「エライ事って」

幸一は、何でもない事のように

「皇帝が亡くなった。」

一瞬、ぽかんとした明美は、あわてて

「どういう事だ。詳しく教えろ!」

幸一に詰め寄った。幸一は、押し止めるように手を挙げて

「落ち着け。今すぐ戦争が始まるわけじゃなし」

「それはそうだが、後継者の誰が後を継ぐのかで、対応を変えないといけないのでな」

明美が難しい問題に挑むような顔をしたので、幸一が

「次期皇帝候補は、何人居るんだ?」

「こちらの調べでは、三人。第一皇太子のタケルヤマト、第二皇太子のミコトスサノ、第三皇太子のミツシサキリシア」

拓哉が答えると幸一が

「現時点で、もっとも有力な皇帝候補は?」

「第一皇太子のタケルヤマト。すでに宮中では実権を握って公務をしている。」

「我が国にとって、都合の良い後継者は?」

「第二皇太子のミコトスサノだな。穏健派で、国政を重視しており国民からの支持も大きい。だが、かなり腹黒い。平気で味方を裏切るタイプだな。頭も切れる策士的な一面も有るが、確固とした心構えがなく、肝心な時には逃げ腰な発言が見受けられる。」

「じゃあ、ヤバいのは?」

「第三皇太子のミツシサキリシアだな。交戦的で軍部に強い影響力を持っている。俺様キャラかな。気に入らなければすぐに実力行使に出て、力ずくで物事を思い通りにしようとする癖がある。噂だが、第一皇太子が気に入らなくて、過去数回軍事クーデターを計画しては、実行前に頓挫させられている」

「おいおい、そんなやつさっさと処刑しろよ。」

幸一は、呆れるように言ったが

「帝国としても、手を焼いているらしい。首謀者として検挙出来ないらしくてな。」

「頭は良いようだな。」

「まったくだ。」

「で、第一皇太子は、どうなんだ?あんまり説明が無かったけど?」

「う~ん。それがなぁ」

明美と拓哉の言葉の歯切れが悪かった。

「どうした?二人とも。第一皇太子に何か有るのか?」

二人の態度に違和感を感じた幸一は、尋ねると拓哉が

「幸一。それがなぁ、つかめないんだ。人物像が。」

「なんだ?それ。」

「次期皇帝と評される人物なんだが、人前に出てこない皇太子なんだよ。宮殿内部ではかなりの実力者らしいんだが、よく解らないんだよ。」


 サナトリア統一連邦共和国は、帝国対策として遅れていた帝国国内の情報の収集に、全力を挙げての取り組んでいた。

政府の密命を受けた、数有る自由貿易船の内3隻が、3年前にようやく、帝国随一の商業都市まで進出を果たしていた。

そこで得た情報を随時本国に、送り届けていた

その中には、帝国宮殿内部での噂話も含まれており、皇帝が長い間病に伏しており、後継者に誰が成るのかと囁かれていた。

その中で筆頭と囁かれていたのが、国民のうけはさほどではない第一皇太子のタケルヤマトだった。

父である皇帝が病に伏してからの公務は全て仕切っており、帝国の行政が滞りなく進むのは、第一皇太子のタケルヤマトのおかげとも、言われていた。

ただ、他の皇太子のように国民の前にあまり顔を出さない為、国民にはあまり人気が無かった。

第二皇太子のミコトスサノは、長身で美男子と言っても差し控えのない美貌の持ち主で、外交手腕が優れていて、数々の政府との外交公務が多く、その為メディア露出が多く国民からの人気や支持も大きい

第三皇太子のミツシサキリシアは、軍務には優秀だが、お騒がせ皇太子として国民に有名で、三人の皇太子の中で1番、皇帝の後継者に成って欲しくない皇太子として認識されていた。

「ま、これを見る限り、順当に第一皇太子のタケルヤマトになるだろうな。」

幸一が、そう見通したが、明美が

「拓哉、大丈夫なの?他の皇太子がそれでよしってなるの?」

疑った顔を隠そうともせず、拓哉(伴侶)の意見を聞いた。

「難しい問題だね。第二皇太子のミコトスサノが、行動を起こさなければ、順当に第一皇太子のタケルヤマトが皇帝の座に就くだろうなぁ。」

「何か有るのか?」

幸一の問いに拓哉は、手元の端末から、集まってきている帝国内の情報を見て

「とりあえず、兄弟仲は3人とも最悪だね。その中で1番険悪だったミコトスサノとミツシサキリシアの仲が、最近修復したと言った情報が有るのだが、どうも、先ほどの頓挫したクーデターで、ミコトスサノがミツシサキリシアを助けた、いや、恩を売ったような感じになっている。」

「じゃあ、ミコトスサノがミツシサキリシアの証拠の隠滅に加担したって事か?」

「そうだな。そのせいで、ミコトスサノにミツシサキリシアが服従するしかなく、見た目は仲が修復したように見えるのじゃないかな。」

「て、ことは、策士ミコトスサノ手段ミツシサキリシアを得たわけだ。」

「しかし、ミツシサキリシアが大人しく従うかしら?」

「無理だろうね。虎視眈々とミコトスサノの首を狙っているだろう。ただ、今じゃない事だけは弁えているようだ。」

「拓哉。結論は?」

「近々、帝国国内で内乱が起きる。第一皇太子タケルヤマト対第二皇太子ミコトスサノと第三皇太子ミツシサキリシアによる骨肉の争いが。」

幸一は、目を細めて

「拓哉、お前の事だから、その後の展開も予想しているだろ?どうなると考えてる?」

拓哉は、しばらく目を瞑り考えを纏めると

「手元に有る情報だけで想定するから、実際どうなるかわからないが、まずは皇帝就任の日までに、ミツシサキリシアが軍事行動を起こす。名目は、親殺しかな?父親たる皇帝を暗殺したタケルヤマトを成敗する為とか言って、ミツシサキリシアが手勢の精鋭部隊で、タケルヤマトを襲うが、失敗するだろう。

なぜなら、ミコトスサノが襲撃直前に、タケルヤマトにクーデターの情報を知らせる事により、襲撃に対応させるから。

 ここで、ミツシサキリシアのクーデターが成功してもらっては、ミコトスサノがなんら美味しい思いが出来ないからな。下手してミツシサキリシアが皇帝の座に就くようなものなら、過去の秘密を知っているミコトスサノを、消すことに躊躇いはないだろうからな。

 クーデターの失敗をしたミツシサキリシアが、手勢を集め徹底交戦の構えをするのが、第二の都市トレーダー。

 ここには、ミツシサキリシアの忠臣とも言えるナガイマサムネが、辺境軍の統治を行っていて、しかも帝都から離れていて、軍勢の建て直しができる。

 そして、タケルヤマトとミツシサキリシアが交戦状態になって、どちらが勝つにしろ、勝っても弱体化しているその陣営に、万全な準備をしたミコトスサノが叩きに来る。目障りな二人を廃し漁夫の利を得て、皇帝に就任する為に。」

「そう上手く行くかな?」

幸一が疑わしそうにすると拓哉は、

「確かにな。ミツシサキリシアが、どこまでミコトスサノの言うことを聞くかにかかっているしな。」

「タケルヤマトが勝つ、と言うことは考えられないか?」

「内乱時に、タケルヤマト陣営にどれだけの人材が居るかで、考えられるが、今の手持ちの情報では、難しいだろうなぁ。タケルヤマトには、近衛兵団艦隊と帝都中央艦隊は、就くだろうけど、対するミツシサキシリアは、メインの機動艦隊に打撃艦隊を最低4艦隊を動員する事が出来る、二人の戦力差は約5倍になる。ミコトスサノの方は、遊撃艦隊を2艦隊は確実に指揮下に入って行動するから、タケルヤマト陣営との戦力差はここでも3倍になる。二人が手を結べばさらに戦力差が大きいからなぁ」

「内乱は、就任以降には勃発しないのか?」

「就任以降に行動を起こすと、皇帝に対する反逆罪に問われてしまうので、それはないだろう。」

「就任式が行われれば、内乱は起こらないって事か?」

「そうだな。でも、」

「起こるって事よね。」

「しかし、市場から上がってくる情報だけで、そこまで分析できるもんだなぁ。」

幸一が感心するが拓哉は

「まだまだだよ。さよりならもう一歩踏み込んだ分析が出来ると思う。だがあの領域には、到底無理だな。」

「まったくだな。あいつが居たら、もっと早く帝国に対応出来てただろうな。」

と、話す二人に

「まったく、2人とも忘れてるるわよ。」

明美があきれた様に男二人を見て

「さよりが居たら今頃、帝国が我が国の領土になっていたかもしれないってことを。」

幸一と拓哉は顔を見合わせて

「確かにそうかも?」

「あいつなら、片手間で帝国を乗っ取る可能性が有るな。」

と言って頷きあってると

「そもそも、内乱の噂が出ること自体おかしいのよ。」

「明美、どうしてだい?」

明美は、どこから出したのか、ウィスキーの瓶を取り出し、氷を入れたグラスに注ぐと指で氷を回し

「あいつ、基本的にドンパチが嫌いで、いつもは起こる前に、その原因を排除してしまっているの。それを今回はしていない。それどころか、わざと内乱を起こさせようとしている感じがするのよ。」

と言って、ウィスキーを飲んだ。

「おいおい、明美。いくらなんでも、あいつがそこまでの力があるわけないだろう?」

「明美、幸一の意見に賛成だな。3人の皇太子が皇帝の座を争うのは、さよりからしたら、全く関係のない争いだぞ?」

グラスを揺らしながら、

「そうかしら?私は、さよりが既に賭け金を、ベットしていると思っているけど?」

「誰に?」

「さぁ?私は、さよりじゃないからわからないけど、あの娘は、負ける博打はしないのよね。案外、タケルヤマトに賭けているような気がするけどなぁ。」

明美はグラスを揺らしながら、幸一を見た。

「初戦戦力差5倍を、埋めるやり方が有るのか?」

「有るんじゃない?さよりなら。だいたいおかしいと思わない?これだけ帝国に関する情報を集めているにも関わらず、さよりの噂が一つも無いって、変に思わないの?あいつは、地球に居るときでさえ、相場の魔女とか、社交界の小悪魔って、それなりに知られていたのよ?商業都市トレーダーで、6年も経って何一つ噂が無いのはおかしいんだけど?」

「まさか、もう死んでい」

幸一が最悪の事態を口にしかけたが、明美がグラスを投げつけ

「馬鹿なことを言わないで!あの守銭奴がそう簡単には死ぬわけないでしょう!」

幸一が

「確かにな。でもあいつも人間だ、死なない保証は無い。」

「もし、あいつが死んでいたら、そんな事をした帝国を、あいつの墓標にしなきゃいけないね。」

明美は、暗い目をして虚空を見つめた。

しばらく男二人は考え込んで

「拓哉、情報収集を密にして、どんな小さい噂話でも報告するように伝えておけ。」

「あぁ。裏でさよりが動いていると思って、全力で事に当たる。」

口には出さないが、男二人の心情は

((さより、生きてろよ。さもないと、明美が帝国を滅ぼしてしまう。))

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