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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第2章
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女性の年齢は、自己申告制です

「さて、さよりの計画通り銀行を買収したけど、サファイアの留学期間は3年間。どれだけのことができる?」

幸一が夕食のあと、今後の動きを考える為に会議を開催した。


 「そうよねぇ。ただ企業買収しただけだったら、何の勉強にもならないし、短期決戦の企業運営は、国家運営の趣旨とは異なるでしょう?」

美由紀が、みんなの湯飲みにお茶を注ぎながら言うと

「せめて10年有れば技術力の向上と共に、流通を成長させ企業を大きく育てる事が出来るのになぁ。」

政史が腕を組んで天井を見上げる。

「確かに。15年もありゃ技術革新を起こしてみせる事も出来るけど。3年間だときびしいなぁ。」

正が呟くと

「3年、36ヶ月。長いようで短いなぁ。」

拓哉が追従した。

「皆さんにご迷惑をおかけして、すいません。」

サファイアが頭を下げた。

「サファイアちゃんが悪い訳じゃないから、気にしない、気にしない。」

「そうそう、さよりの言うとおり、サファイアのせいじゃないからね。ただ、7月も半ばであと半年しかないから、今から準備しても時間が足りないからね。どうしたもんかなぁ。」

明美がカレンダーを見ながら言うと、その時、壁に吊るされたカレンダーを見ていたサファイアがあることに気が付いた。

「この国の1か月も私の国と同じように、だいたい30日なのですね。あのぉ、皆さんの言っている1年って母星の周りをこの惑星が一周することですよね?」

「そうだけど?」

「皆さんの年齢も惑星が恒星を一周したら、1才歳を取ります?」

「そうだけど、サファイアちゃんの国じゃ違うの?」

「いいえ。私の国でも惑星が恒星を一周したら、1才歳を取ります。」

「同じだよね。」

「はい、それは同じなのですが」

サファイアが何か言いにくそうに、立ち上がりカレンダーの側に行きカレンダーの最後のページ12月のところを開き

「1年は、この12月で終わりですか?」

と、聞いた。

「どうしたの?1年は12ヶ月で、12月31日大晦日で1年が終わり、1月1日に新年が始まるんだよ。何か変なの?」

しばらく、カレンダーをめくっていたサファイアが、

「そうですか。私の国では、漆黒の月がその年の最後の月で、淡月の1日が新年になるので

数字だけの月の名前が新鮮で、」

「数字じゃない呼び方も有るよ。弥生、神無月とか」

「そうなのですね。でも、皆さんの1年は12ヶ月なのですよね。」

「サファイアちゃんの国じゃ、違うの?」

「はい、1か月がほぼ30日なのは同じなのですが、1年は、60ヶ月あるのです。日周にして1960日です」

「はい?」

「ですから、その計算で行きますと、私の3年は、皆さんの15年にあたるんです。」

「なんだって!!」

「えっと、女性の歳を推測するのはマナー違反だから、俺たちに当てはめると俺たちはみんな三歳前後?」

幸一が頭を抱えるが、さよりがふとあることを思い出して

「かめちゃん!サナトリア王国と地球時間の一時間の長さって違ったよね。どのくらいだった?」

「サナトリアの方が5%長かったです。」

「あちゃー。サファイアちゃん。ゆっくり地球で勉強できるねぇ。」

「さより、そりゃ3年が15年になったのだから勉強できる時間が」

まさちゃん(政史)、15年じゃないよ。時間的には18年だよ。」

「なんですと!!」

「だって、サナトリアでも1日は24時間で、1時間は60分なんだけど、地球時間の60分より5%長かったじゃん。

だから、集合時間を間違えないように、あたしとおそろいの腕時計で時間合わせしたでしょう?」

と言って、腕時計を見せる。サファイヤも今しているさよりと同じデザインの腕時計を見て思い出した。

「それから計算すると、サナトリアの60分は地球時間の72分なんだよ。すなわちサナトリアの60ヶ月は、地球時間換算で72ヶ月となって6年となるんだよ!」

「さより、それっておかしくない?1秒は1秒でしょ?」

みゅう(美由紀)、時間は主観的なもので客観的なものじゃないんだよ。」

「どうゆうこと?」

「そうか!さより。サナトリアの母星の自転の速さと地球の自転の速さが違うのに、1日は24時間ってところが同じってことは、1秒の長さが変わってくるってことか!」

「そう、こうちゃん(幸一)。誰が決めたか知らないけど、たまたま?地球でもサナトリアでも惑星の自転の周期を24時間にした。しかし違っていたのは自転速度。サナトリアの自転速度の方が

地球よりも5%遅い。それだから、時計の構造上地球製の時計よりサナトリア製の時計の方が5%

遅く動くようになってしまっているのよ。少し混乱しちゃったのは、両国とも1ヶ月はだいたい30日も同じ、惑星の恒星に対する公転周期1周で1年にするのも同じ。ただ違ったのは公転にかかる日数。

地球では1年は365日ってなってたけど、サナトリアは1960日になったってこと。すなわち、サファイヤちゃんはおねぇさんなのです!」

思わず全員の目がサファイアの方に向いたが明美の

「こら!女性の年齢は自己申告って昔から決まっているんだからね!サファイヤは16歳!!みんな!わかったよね!」

の言葉で正気に戻り、さよりが

「サファイヤちゃんのお母さんって、今何歳なの?」

「母上ですか?今年126歳になります」

全員が思い出したサファイヤの母サナトリア女王の姿は、どう思い出しても30代の若さだった

「ちょこっといいかな?サファイアちゃんの国の平均寿命ってどのくらいかな?」

「だいたい250歳前後だったと記憶していますけど、ただ、王家は300歳まで御存命だった方が数名いらっしゃいますけど。」

「リアル、エルフの年齢だよ。」

と、さよりがぼそっ呟いた。幸一が

「とりあえず、十分な時間がとれたな。サファイヤちゃん?さん?もゆっくり勉強ができる時間があったってことだ。」

「もうちょっと留学期間を延ばしてもらったら、この星の激動の歴史が見れるのにね。」

「そうなんですか?だったら最長10年いても良い、と言われていまして、その申請をしておけば大丈夫ですよ」

「えぇ!10年?」

「ってことは?60年?」

「俺たちは、その時は78歳ぐらい?もうおじいちゃん、おばぁちゃんだねぇ。」

政史が、ぽつりと言ってしまった。

「そうでした。すいません。皆様は私よりも、寿命が短かったのでした。」

サファイヤが、慌てて謝ったが少し場がしんみりしたが、さよりが

「そんな未来の話しても仕方がないよ。それに、さっきも言ったけど、時間は主観的なもので客観的なものじゃ無いんだから、私達だってこの姿のまま歳を取るかもしれないじゃない。それより明日から、どうやって経済を回していくかの勉強を始めないと。

とりあえず、サファイヤちゃんには、かめちゃんの図書室で理論の勉強をしてみて。答えられる先生は

いないけど、参考書だけは山のようにあるから。熟読しておいて。その間に、どの業種をどうしたらいいか?考えておくし

最低3パターンを提案するからね。」

「さより、3パターンってなんだ?」

「経済を回すってことは、国レベルになるけど、企業レベルで見たら大きく3パターンだと思うの。

借金も少なく昔からの仕事を続けていて安定して社員もそれなりに幸せを感じているけど、急激な変化に対して付いてこれない構造の企業

これは、円熟期に入った大国って感じかな?みんなそれで満足しちゃって、新しいことに怖くてチャレンジできなくなってしまっている状態ね。倒産しない代わりに、飛躍もない。こんな企業は、今は安定していてもそのうちに時代遅れになって、ジリ貧になっていくと思うの。そんな企業は、今まで培ったものを最大限使って新しいことをして、企業を大きくするの

次に昔は力があったのに、今まさに倒産しそうな企業

危機的な状態の企業なんだけど、なぜそうなったってしまったか?この企業を立て直すにはどうしたらいいか、だって、昔は羽振りが良かったんだから、きっと何かが問題があると思うの。製品なのか価格なのか、人的要素なのか?それを見極める素材かな?倒産の危機を脱したらクリアってことで。

最後は、これからのベンチャー企業

新しい試みにがんばって行こうってする企業の応援かな?もしくは、この時代ではだれも目を向けてない産業や技術に人を集めて起業させて大きくしていくの。いちばん化けるのはこの手なんだけど、一番倒産するよねぇ」

「じゃ、さより。今主流の成長している企業は手を出さないってことでいいのかな?」

「うん。そんな企業は買収しにくいし、そもそもどっかの財閥が配下に入れるか潰すかすると思うよ。

あたしは、大手財閥相手に喧嘩する気はありませんから。だってめんどくさいでしょ?」

「確かになぁ」

「さより、ついでに人材育成で、学校を作ってみないか?ベンチャーにいる人材って、新しい物好きでないと食い付かないし、そこそこ頭が柔らかくないと付いてこれないからな。」

「そうだね。適当に日本中の良さげな教授や教師を集めて、男女共学の学校を作ってみる?この時代共学の学校は珍しいから来る生徒は結構面白いのが集まるかも知れないねぇ!」

「ついでに、最新の技術を教えるってどう?」

「それ、いいかも!」

「この時代で、無理のない最新の技術ってなんだ?」

「電気溶接とか真空管?半導体は難しいかなぁ?」

「ガリヒ素とか石英は無理だけどシリコンなら?」

「シリコンも純度を上げるは、この時代では難しいんじゃないかな?まだ、ゲルマニウムの方が可能性があると思うけど?」

「じゃ、初歩的なダイオードを作ってみるってことで。」

「いいねぇ。でも、誰が教える?」

「世界中から研究者を集めてみる?」

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