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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第2章
53/144

これからの方針??

3週間ぶりに現在の日本の状況を確認しに行った拓也、正、政治の三人が帰ってきた。


「すごい立派な家を買ったんだなぁ。」

拓也、正、政治の三人は、中庭でほけ~っと家を眺めていた。

「なにしてんの?早よ着替えるなり荷物を片付けるなりして、現状報告してや。」

明美に急かされて三人は、宛がわれた部屋に旅装束を解きに行った。

しばらくして、全員が大広間に集まると、現状の日本の状況を三人が説明を始めた


「で、結果は限りなく俺等の居た日本の過去に近いってことか?」

幸一が三人に確認すると

「確かに近いが、この先遠くなってしまう可能性が大きい。理由は先ほども言ったが、鉄鋼の生産量の低さと技術革新の遅さだな。」

政治が言うと

「あと3年以内に、八幡製鉄所か神戸製鋼が500万トンクラスの高炉建設を始めないと、元の時代の歴史からどんどん遠ざかっていくと思われる。

それに、発電量も低すぎる。俺たちの歴史じゃあと数年後には、大型の火力発電所が各地に出来るのだが、その気配さえない。

それらの大型発電所ができなければ、オーストラリアから輸入したボーキサイトをアルミに加工しするのに必要量の電力が得られず、アルミの生産も歴史とは違って減少すると思える。歴史では、アルミから派生した軽金属合金開発で航空機の発展開発につながるのだが、そもそもボーキサイトを輸入している気配がない。このままじゃ歴史が違う方向に行く可能性が大いにある。」

と、正が補足した

「とは言っても、私たちに何ができるの?そりゃ少しは、この時代から見ればチートな知識を持ってるし、

かめちゃんの協力の元21世紀の技術を今再現できるけど、それを活用し広めていく力が私達には無いのよ。

こんな子供に今の大人たちがどれだけ真摯に向き合ってくれる?夢物語って言われるだけよ。」

美由紀が常識的な見解を言うと

「美由紀、この時代に21世紀の技術を持ち込んだって、この時代の日本に対応できる基礎技術力がないからまったく活用出来ないって。」

ムリムリと、政治が手を振ると

「だよなぁ。俺たちは国を動かせる力もないしなぁ」

幸一が天井を仰ぎ見る。もし同じ歴史上の時間軸だったならば、かめちゃんの艦内で、ゴールドスリープで宇宙に上がった日まで人工冬眠して現代に戻ろうと考えていたのだが、それでも帰られない可能性高い事がわかっただけだった。全員に重たい空気が漂っていた。

「もう、そんな不景気な話はもうやめようよ。それよりも、サファイヤちゃんの教育問題を考えよう。」

さよりが未来への不安に固まった空気をブッタ切る様に、話題を変えた。

「サファイヤさんの教育問題って?」

美由紀が聞くと

「だって、本来ならば大阪自由学園に編入させる予定だったけど、もう無理じゃない。だったら、サファイヤちゃんをどうやって勉強させてどう教育していくか考えないと。」

「さよりさん、別に私は勉強なんかいいんですけど」

と、サファイヤが言うとめったに見れないさよりの真剣な表情で

「ダメ!あたし達はいいけどサファイヤちゃんが国に帰ったら、困ることになるんだよ。」

と、諭すように言った

「どうしてですか?」

さよりは、少し考えて

「わかりやすく例を例えると、サファイアちゃんのお姉さんは、どうゆう立場の人?」

「姉ですか?そうですね、国民にも慕われて次期女王ですね。政治力と言うか行政力は、母を越えると言われています。私が言うのもなんですが、姉様は名君の器です。」

「じゃ、お兄さんは?」

「優れた指導力を持ち、軍隊の統制力も堅実なもので、部下からも慕われていて、対かめちゃん戦を除けば不敗の将軍です。これからの国家防衛には、なくてはならない、軍の要ですね。」

「良く家族の事を見ているじゃない。すごいねぇ。じゃ、サファイアちゃんは、国民に対して慕われている事ってなに?」

「私ですか?」

「そう、サファイアちゃんの売りはなに?可愛いとかは除く。」

そうさよりに言われて、考え込むサファイアは俯くと

「私は、王族の一員ですね。それ以外なにもないです。」

苦渋の顔をして答える

「良くわかっているじゃない。国益も考えず反乱軍に入るとか、武力が無ければみな平和って考えてた、お花畑のような頭をしてたのに」

勝ち誇ったように頷くさより。

「さより、サファイアちゃんを追い込んでどうなる?本人はそれでも国の為に力になれることを探しに、地球に留学してなにかを持ち帰ろうとしたんじゃないのか?」

幸一が言うと

「だから、帰るまでになにか一つ特技でも覚えないと、最悪、政略結婚の駒にされちゃうよ。それでもいいならいいけど?」

「特技って?」

「あたしが考えたんだけど、サファイアちゃんの国って今経済的にヤバいよね。戦争していたのもあるけど、

戦争継続の資金を他国に頼って戦争している時点で、経済的行き詰まっているよね。」

「確かに、そうです。だから私が反政府軍に利用されても、戦争を止めたかったのです。戦争で疲れはてた国家を建て直すには、

戦費予算を国民に振り分け国力の向上を目指し、戦争をしなくてもいい豊かな国造りをしたかったのです。」

「だよね、それにサファイアちゃんが大人しく政略結婚するような女性じゃないよね。だったら経済を勉強しようよ。

お金儲けて、国民を豊かな生活にさせよう!」

「経済ですか?」

サファイアが戸惑ってさよりに聞くと、

「そう、サファイアちゃんの国に足りないのは経済力と、外交の交渉力。それをサファイアちゃんが建て直すと、国民から喜ばれると思うよ。」

「ですが、……」

困った顔をするサファイヤ

「さより、その経済学は、誰が教えるんだ?俺達は、教えられないぞ。さよりが教えられるのか?」

幸一が言うと

「あたし?そんなのムリムリ。」

と言って、両手を振って力強く否定した。

「じゃ、どうやって教えるんだ?」

「理論は、本を読んで覚えてもらうとして、後は実地で、トライandエラーを繰り返せば、そのうちものになるんじゃない?」

とさより。首をかしげて美由紀が

「どうゆう事?」

と聞くと

「美由紀、この時代は、いくつもの企業が立ち上がった黎明期で、リスク、メリットをそっちのけで合名会社から株式会社までなんでも出来る時代なんだよ。

後の大財閥の礎が出来たのもこの時代だしね。で、サファイアちゃんに会社経営してもらって、

その会社を発展させていってもらうの。

 そりゃ素人がやる経営だから、倒産することもあるけど、何回か繰り返してたら倒産させないやり方を覚えるでしょう?そしたら卒業ってことで」

さよりの話を聞いて、全員が頭を抱えた。サファイアがおずおずと

「さよりさん。この皆さんで会社を起こすってことですか?」

と言えば、政史が

「さより、製造拠点がない俺達に、物は作って売る事は出来ないぞ。」

正が

「それを言うなら、仕入れ先もないから商売もムリ。」

拓哉が

「いやいや、商売したくても販売網がないから売れないって。」

と、全員から総突っ込みされたさより。

「さより。それよりどうして会社経営が国の経済に役立つんだ?」

幸一に聞かれ、さよりは

「国を、簡略化したら会社かな?って。ほら、国家元首を社長にして、大臣を重役って置き換えていけば、わかりやすいじゃない。他国との折衝とかの外交は、企業の営業だし、内政は、業務もしくは総務って考えれば。」

「確かに。でも俺達に出来る仕事ってなんだ?物は作れない。仕入れ先がない。販売網もない。何が出来る?」

「地道に、得意先とか作っていく?」

と、全員が真剣に考えだすと、さよりが

「そんな、今から1から起業始める気なんて、あたしはないよぉ。そんなしんどいこと、やってられないって!」

起業することを全否定

「おいおい、今会社経営するって言ったよね?」

「起業せずにどうやって、会社経営できるっていうの?」

とまた、そう突っ込みされるさより。

「だってあたし達は、作らなくても、仕入れしなくても、売らなくてもいい仕事をすればいいじゃん。

作ってた人に作らせて、売ってた人に売らした方が私達が会社作るより現実的だよ?」

「さより。そんな仕事あるわけないだろ。」

やれやれっといった感じで、政史がため息交じりで言うと

「あるよ。」

と、自信満々なさより。

「あるって?どんな仕事?」

「それは、経営コンサルタント。」

全員、きょとんとした顔に

「さより。経営コンサルタントって、それは、企業の経営方針に関わって企業を発展させていく仕事だよね。俺達みたいな若造に経営を教わる企業がいると思えないんだけど?わかってる?」

幸一が諭すようにさよりに言うと

「わかってるって。だから、企業があたし達に教えを乞いに来るのが待てないので、あたし達が企業に教えるの。強制的に。」

と言って、さよりがニコニコ笑った。

「さより、なにする気だ?」

幸一が、警戒心バリバリに聞くと

「だって、いちいち起業してたら手間も時間もかかるし、コンサルタントの営業に廻っても相手にしてもらえないでしょう?だったら、企業まるごと買って経営に口出しした方が早いよね。お金はいっぱいあるし、企業が発展したら投資したお金は回収できるし」

「さより、それは企業乗っ取りって言うんだぞ。わかってる?」

幸一は頭を抱えて言うと

「知ってるけど?でも、乗っ取りしても、人事は触らないで今まで通りに経営してもらうの。

で、サファイアちゃんが気付いた改善策を適時出してもらって、企業の発展向上を目指すってことで。」

「もしも、そのせいで会社が倒産したらどうするの?」

「そんときは、そんとき。」

「おいおい、その会社の社員を路頭に迷わすのか?」

「仕方ないじゃない。倒産しちゃったんだから。運命よ、運命。ちょっと運が悪かっただけ。

だって、あたし達が手を入れた企業が発展して行く上で、ライバル会社が倒産することだってあるよね。

あたし達は、その会社の社員にも世話をしなきゃいけない?」

「そりゃそうだけど。」

「だから、トライandエラー。クラッシュandビルド。最適解答を見つけるまで、いろんなやり方を考え挑むの。

倒産しちゃっても、すぐに社員さんが死ぬ訳じゃないし、再就職できるって。まだ世界恐慌になってないからね。それまでにがんばって答えを出そう!

だって国家経営はもっと非情だと思うよ。それこそ国民の生き死にに関わってくるからね。」

そうさよりが言い切る

「サファイア、どうする?さよりはあぁ言っているけど、するのは、サファイアだからね。」

明美がサナトリアに声をかけると、

「やらさせていただきます。私とて、王族の一員です。国家、国民が大変な時に全力を尽くすのが使命です。国民の為になる事を学べるのであれば、この身に覚え込ませ国の礎となりましょう。ただそのことで、幸一さん達のお国が混乱させてしまうのは、心苦しいのですが。」

と言って頭を下げるサファイアだったが、

「固いなぁ、サファイアちゃん。気にしない、気にしない。この星は、サファイアちゃんの国じゃないし、この時代の事はサファイアちゃんの心配することじゃないよ。だいたい、このままいてもあたし達のいた元の時代になるかわかんないだし、ここで巨額資金投資で上手く行けば、あたし達がいた時代に繋がる可能性に、あたしはかけてみたいんだよ。」

と言ってニカッと笑うさより

「いやいや、お前は気にしろ。」

と、幸一に突っ込まれるが無視して

「じゃ、まずは、お財布(銀行)がほしいね」








後日談

「さよりさん。優秀な企業経営者が国家元首を勤めてたら素晴らしい国造りができるでしょうね。

私もそんな立派な経営者を目指します」

と、サファイヤが言うと

「いやいや、それはないから。そんな国はすぐに滅びろ!」

とさより。

「どうしてですか?さよりさんの考えじゃ、優秀な経営者が国家元首になれば、国の経済力が高まって裕福になり、国外との交渉もうまく交わして、国民は暮らしやすくなるんじゃないでしょうか?」

「いやいや暮らしにくいって。優秀な経営者が国家元首なったら、国民を社員扱いするでしょ?でも、国民は社員じゃないし。」

「そうですけど……」

「国家は、国民をお客様と思わないとダメなんだよ。じゃないとそれは独裁政治だから。」

「でも、さよりさんの方針だと、国家が裕福になれば全ての国民が裕福に、すなわち国家と国民が一団となれば……」

「幸せにならないよぉ。だいたい国民を社員扱いすると、その国の指導者は選民思想になるって。

国家方針についていけない人、身体的に劣った人、国家の思想を受け付けない人等々を、選別、隔離、排除するに決まっているって。

その方が国家の運営に都合がいいもん。会社なら、そんな社員を左遷や首を切ったらいいけど、国家が、国民を左遷や首を切るってどうゆうことになると思う?」

「えっ?」

「行きつく先は、隔離政策、洗脳、人種差別、ホロコースト」

「そんなことにならないように、周りの大臣が諌めたら・・・・・」

「だって、ワンマン社長だよ?気に入らなければ首にするでしょ?そんな人は。都合のいいことしか言わないイエスマンだけを回りに侍らすって。」

「そうなったら考えるだけでも恐ろしいことですね」

「そうだよ。そしたら、国内の不満を持つ人たちが集まって反旗を翻すでしょ。そうなったら内乱だよ。

企業なら、別会社を立ち上げて対抗するでしょうけど、国になると国内に反政府組織を作って、国外からの支援という名のもとにお金と力を与えると、事態は泥沼化するし収拾つかなくなっていく。

企業なら、どちらかが潰れて終わりだけど、国はそうはいかない。もう国家としての体面が維持できなくなるって。しかも、国が潰れるっていうことは、周りの国にも絶大な影響を与える事になるので、

潰さないように体面は整えるけど、絶えずどこかでいがみ合いや紛争が起こり、援助としてどこかの国もしくは企業だけが儲かるようになる。そんな国の国民が幸せだと思う?」

「なんか、耳が痛いです」

「だから政治家は、数字に強く経済界と上手に付き合える人でないとダメね。着かず離れず暴走させずコントロールできる人が望ましいけどね。まぁ、いないね。みんな権力とかお金に弱いもん。」

「私も気を付けます」

「がんばってね!適材適所適量を見き分ける指導者になってね。

国家と国民が一団となるのは、国家的危機の時だけでいいの。それ以外は国民は、自由にさせてもらった方がいいの」

「わかりました。」


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