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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第2章
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戸籍出来るかなぁ?

食事も一段落して、茶菓子と、お茶が置かれお茶会になっていた。

「お前さんたち、どこの生まれや?」

文太が質問すると、さより達はちょっと首をかしげ、顔を見合って代表で美由紀が

「一応、大阪かその周辺なんですけど。地名はちょっと、」

と、困った顔で返答した。

「なんや、はっきりせんなぁ。親御さんは?」

今は(明冶時代)いません」

まだこの時代では生まれてないはずだから、嘘は言ってないと、美由紀は考えて言った。

「親御さん、亡くなりはったんか。そりゃ悪いこと聞いたな。すまんな。三姉妹でがんばって

きたんやな。」

文太が少し勘違いして謝ってきたが、美由紀は、まぁそのほうがいいかと思い訂正はしなかったが、

さよりが

「あたしたち、姉妹とちゃうよ。友達だから。ちなみに同い年だからね!」

と姉妹と言われたことに訂正したら、銀二が

「同い年とは違うだろう。美由紀さんと明美さんは同い年としても、さよりは3つは下だろう?」

「ちゃうもん!」

「銀二さん、私たち同じ年なんですよ。さよりはいつも下に見られてますが。」

と拗ねるさよりを笑いながら美由紀が答えると

「ほな、3人とも親がおらんのか?」

「そうですね。美由紀の言うとおり、私達には今は(明冶時代)いません。この大阪の街にも三日前ぐらいに着いたところで、()()()()()()知り合いもいませんし。」

と明美が答えた

「若い女の子が3人でこの大阪に出てきて、働き口のあてはあるの?」

しのぶが心配そうに、たずねてくると美由紀が

「私達3人とは違います。あと2人女の子もいて男も4人いるし、何とかなると思います。

全員同じ年ですし、仲は良いんですよ。お金も何とかなりましたしね。」

「男女9人と言っても、みな親無しかいな。この大阪で生きていくのは大変やで。」

銀二が心配そうにつぶやくと

「銀二さん、1人は親が健在ですよ。かなり離れたところに住んでいますけど。」

「ほな、その子の親の伝手で大阪に来たんか?」

と、文太が聞くとさより達が口々に

「いや、あの子の伝手は考えられないね」

「っていうか、そんな伝手、この日本にあるわけないよねぇ。あったら怖い」

「大体、サファイヤって地球人じゃないしねぇ。」

と口々にしゃべりだした

「ちょっと待てい。その親のいる子って日本人じゃないのか?清国の人間か?」

と、文太が3人の話を止めると

「清国?ってどこ?」と明美

「昔の中華人民共和国の名前。歴史で習ったでしょ。」と美由紀

「そんなに近い国じゃないよね。サファイヤの国は。」とさより

「清国より遠い国って。ほな、欧米人かいな?」

文太が聞くと、3人は顔を近づけて、3人だけに聞こえるぐらいの小声で

「欧米人?そう言えるかな?」

「見た目だけは金髪に碧眼だからなぁ。サファイヤって。」

「確か幸一が銀行で換金するときに、ドイツの近くの滅ぼされた小国の王女って設定にしたって。」

「それで押し通す?」

頷きあう3人。美由紀があらためて文太に向き直り

「たぶん、親分さんの思っておられる、欧米人ですね(見た目は)」

「どこの国なの?」

「しのぶさん。私達の異国友達は、ヨーロッパのドイツの側にあった小国のサナトリア王国の

王女なんですよ。」

「「「王女!!!」」」

「なんでそんな人と知り合いに?」

「それはですね。話せば長いのですが」

と、美由紀が幸一に教えられていた、サファイヤのカバーストーリーを語りだした。

その横でさよりと明美が、「「さすが優等生、あたしは覚えてなかったよ」」と心の中で

思っていた。


 話を聞いて納得するかどうかわからない、半信半疑と言った感じの文太たちだったが、

当面の生活資金もあり住むための家も今探しに行っていると言うことなので、困ったときは訪ねて

おいでと言って見守ってあげようと思っていた。


 「すっかり長居をしてしまいました。今日は美味しいお昼ご飯を頂きありがとうございました。

私たちはそろそろこの辺で失礼します」

と美由紀がお辞儀をして立ち上がり帰ろうとすると

「そういや、奇術を見せてくれたご祝儀を渡してなかったな。」

と言って、文太が懐にある祝儀袋を出さず、しのぶに耳打ちして、祝儀のお金を持ってくるようにと

言った。

「そんな、ご祝儀なんて結構です。おいしいご飯も頂いましたので。」

「そうだよぉ。あたしはプロじゃないんだし、この程度の手品でお金なんかもらえないよぉ。

前と同じでご飯をおごってもらったから、十分だよ。」

美由紀とさよりは、あたふたして、祝儀をもらうことを固辞した。

「おいおい、この程度って。どんだけ上があるというんだ?」

「だって、銀二さん。あたしのこの程度の手品って。練習すれば誰だってできるんだよ。お金を

払ってみる手品って、それはそれは魔法のような感じなるんだよ。」

いやいや、さよりのした奇術も十分魔法の領域だからと、銀二は思っていたが、文太が

「それじゃ、ワシの気持ちがおさまらんのや。あんな楽しかった時間は初めてなんや。しのぶも

そうやろ?」

「そうです。なんなにもドキドキしたのは初めて。何かお礼したい気持ちで一杯なんよ。だから、

お礼させて。」

そう言われても、

「だって、ハンドマジックだけだったし、やっぱりお金をもらうって言ったら、虎を出したり、

人体瞬間移動とか、鋸で人体分割とかしないと。」

大仕掛けのマジックを言うと

「そう、さよりも言っていますので。仕掛けも使ってない手品ではお金はいらないです。」

仕掛けも使わず簡単なハンドマジックだけでお金なんかもらえないと困惑するさよりと美由紀。

さよりの言った、大仕掛けなマジックを聞いて文太たち3人は、それはどんなすごい奇術か想像してしまった。

明美が

「2人とも、なんでそんなに固辞するかな?だったら、お金以外でもらったら?」

と促すとしのぶが

「そうね、でもわたしらお金以外思いつかんから、他に何か私達でお礼ができることがあればいいんやけどね。」

さよりと明美が(どうする?どうしよう?)としばし相談して出した答えが

「あのう、戸籍ってどうやったらもらえますか?その方法を教えていただけたら十分なんで」

と美由紀が聞いた。

「お前さんたち、戸籍が無いんかいな?で、その戸籍で何すんのや」

「これから、大阪で生活して行くうえで、後々困ると思うんですよ。たとえば結婚とかで。

私達の戸籍が、ここの役所に無いというか、どこにあるかよくわからないと言うか、どうしたら

貰えるかわからないってことなんですけど。」

美由紀は、未来の大阪市の電子戸籍にはあるんですけどと、心の中で追加しておいた

「生まれた場所って覚えてるか?」

と文太の問いに美由紀が困った顔をして

「先ほども言いましたが、大阪近郊のどこかってことぐらいで。」

明美がとっさに

「戦乱とか仕事とかで親が各地を転々としてたんで、生まれた場所がよくわからないんです。」

と、誤魔化した。

「そうか、親もおらんかったな。9人全員か?」

文太が美由紀に聞くと

「サファイヤは日本人じゃないので、いらないと思いますし、その気があればあの子は、

帰化申請でどうにでもなると思いますので。今必要な分は8人分、男4人女4人ですね」

しばし文太が目を瞑り思考していたが

「まずは、住むところをきちんと決めてからやな。住所の無いやつが戸籍なんて持つこと出来ひんからな。住む家が決まったら、もう1回おいで。その時にできる方法を話してやるわ。」

と、言った。

「えっ!戸籍を作る方法を教えていただけるのですか!ありがとうございます!」

と、美由紀が頭を下げた。それにつられさよりと明美も頭を下げた。それを見た文太は

「ええって、さよりさんがワシには出来んもんを見せて喜ばしてもらったお返しや。

今度は、ワシがさよりさんに出来んもんを見せて喜ばしたるわ。これやったら、お礼になるやろ。

なぁに、そない無茶なことはせんよってからに、安心しぃや」

といって、豪快に笑った。すると懐から祝儀袋を出して

「これは、持って帰り。祝儀や無いよってからに。ま、おひねりや。」

と言って、さよりの目の前にポンと投げて立ち上がり

「今日は、楽しかったで。また遊びにおいでや。」

と笑顔で部屋を後にした。

「あ、あのぉこれ。」

さよりがご祝儀袋を持って、しのぶの顔を見て返そうとすると、

「おひねりは持って帰ったんでしょ?うどん屋でも。同じよ。」

と笑って、部屋を出て行った。そう言われてしまうと返せなくなったさよりに

「ま、受け取ってや。御頭の気持ちや。」

と、銀二までに念を押され、わかりましたと、小物入れに大事にしまうさより。

「ほな、家まで送る って、お前ら家無かったんだよな。どこまで送ろうか?」

と聞かれ、逗留している宿の名前をいう美由紀

しばらくして呼ばれてきた人力車で、宿まで帰る3人

帰り道でさよりが、

「次に行くときは、なにか仕掛け持っていく?」

と二人に聞いたのだった

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