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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第1章
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出発前のあいさつ回り 1

青い空 白い雲 砂浜にうちよせるエメラルドブルーの波

泳ぐのに疲れた身体を休める、木陰のビーチチェアにトロピカルドリンク

はぁ南国の休日を満喫している

「で、さぁ~。私達宇宙に向かうはずだったと思ったんだけど?なんで、モルディブのリゾートに来ているのかなぁ」

指を上に指差して、そう言ってさよりは、つぶやいた。


 そう!7人は、関西国際空港から出国してグアムからプライベートジェットに乗ってモルディブに来て南国のバカンスを満喫していた。

「予定では、関空からグアムに行って、チャーターした船で、クルージングしたことにして、沖で宇宙船に乗り換えて、チャーターした船はかめちゃんが返して、かめちゃん自身は、直接宇宙船に転送されてそのまま、宇宙に行くはずだったんだけど?おかしいなぁ?」

「そのかめちゃんが、グアムの空港で知り合いに逢って、断れなくてここまで来たというか、引きずられて来てしまったというか」

「かめちゃんのせいなんだけと、おかげでと言うか、最高級リゾートにタダでステイできるんだからねぇ」

「で、さぁ~かめちゃんは今どこに?」



 実は、かめちゃんズが全世界に行った時、そのうちの1人(1体?)がイタリアのとあるレストランで

「あぁ~美味しい!!この料理の味に比べたら、確かに私の艦内食堂の味は、レトルトより劣るわよねぇ。 美味しい料理を食べるってことがこんなに幸せな事だったとは」

と歓喜の声をあげて1人で食事をしていた時、隣のテーブルで食事をしていたグループの男性が急に立ち上がり、かめちゃんに近づいて

「お嬢さん、お一人ですか?よかったら私と食事いたしませんか?」

かめちゃんが、声をかけてきた男性を見ると、歳は30から40までの体格のいい、金髪にサファイアのような目の色をした白人のイケメンだった。

かめちゃんは、またかぁと思い

「はぁ~ 1人で食事したいのですけど?」

男性は、かめちゃんの座っている正面の席に座りニコッと微笑んで見せた。

「出来たら、私と結婚して欲しい」

といきなり求婚してきた。

かめちゃんも、天使の笑顔のごとく微笑んで、

「私の食事の邪魔ですから、元のテーブルにお戻りになられては?」

それを聞いた隣のテーブルの男女が大笑いして

「アルフレッド!生まれてから一つの失敗も無く、数々の事業の成功をおさめてきたお前が、女にフラレるのを、はじめて見たぞ」

すごく愉快そうに笑っている、初老の男性。その横に座る男性の妻と思われる女性も楽しそうに目を細めている

「イタリア男性は、女性をすぐに口説くと聞いていましたが、本当なんですね」

呆れた顔でかめちゃんが洩らすと、

「何を言う。私はドイツ人だ。」

「じゃ、言い方を改めます。ヨーロッパ人の男性は、アジア系の女性を見るとすぐに口説く、と」

かめちゃんは、あきれ顔で返答した。

「何人にも、口説かれたのかね?」

隣のテーブルの初老の男性に聞かれ

「はい。私がヨーロッパで食事をしている時に限れば、この方で十人目です」

初老の男性は、うなずきながら

「さもありなん、貴女は美しく可愛いらしい、しかも知性的であられるからな。どうだろ?息子の事はほっておいて、わしらと食事をともにしませんか?」

1人で食べるのも何だし、と思ってかめちゃんは

「お褒めにあずかりありがとうございます。お言葉に甘えて、ご一緒させて頂きます」

給仕を呼んで、テーブルの移動をお願いした。

「自己紹介が遅れましたわね。あらためまして、私はシュワルツァー、ガーネットこちらは、夫のガーゴイル 貴女をいきなり口説いたのは、息子のアルフレッド。私達はベルリンに住んでいて、久しぶりに家族旅行で、イタリア巡りをしているのよ。貴女は、お一人で今旅行中ですか?」

品良く初老の女性に尋ねられた。

かめちゃんは、

(初老の女性は、アルフレッドさんのお母さんで、こちらは、お父さんか)

「私は日本から来ました、亀山星美と申します。そうですね、半々ってところですね。料理の味を覚えて来て欲しいと頼まれて、今は単独でレストラン巡りしています。この星のいろんな所に行けて、私はすごく楽しいのも事実ですけどね」

チョロット舌を出して、いたずらッ娘のように笑った。

「ほぉう若いのに、信頼されている料理人なのですね。女性にお歳を聞くのはエチケット違反ですが、日本の方はお若く見えますので、おいくつになられますか?」

「設定は、今年二十歳になったばかりの新成人ですね。でも、料理人じゃないですよ。私が覚えた味を、食堂で再現させるだけですので」

「設定?」

「あっ!忘れて下さい。あはははは」

かめちゃんは誤魔化すように笑った。

「そうですか? ではお仕事は、レストランのオーナーですか?」

「いえ、私達には上官達がいますので、オーナーということじゃないです」

「 日本の軍関係に所属ですか?」

かめちゃんは首をふり

「いいえ、私はこの星のいかなる軍にも、所属していませんけど?なぜそう思われたのですか?」

「面白い言い方をされる方ですね。いやいや、普通は上司と言うのに、上官って言葉は、あまり軍隊以外に使わない言葉ですから」

「そうなんですね。私の口癖みたいなものなので、以後気をつけますね。」


かめちゃんと、シュワルツァー一家は、そのまま食事をしながら歓談していたら

「貴女って、やはり聡明で楽しい方ね。」

デザートを食べている時に、ガーネットさんが微笑みながら、話しかけた。

「そうですか?普通だと思いますが?」

「私、この食事の間に貴女にさりげなく、マナーや言葉使い 経済、世界情勢、ファッション、サブカルチャー等いろんな質問をしてみたら、貴女は、的確にわかりやすく、答えにくい意地悪な質問には、ユーモアを交えて相手が不快にならないように、微笑みをくずさす会話していたわ。すばらしいことよ。

 息子が今年35歳になるのに仕事一筋で、女友達は居るけど、一向に彼女ができなくて、心配していた矢先に、貴女がこのお店に入った時から、もう、貴女だけを見つめてそわそわして、オーダーも上の空で、貴女が隣のテーブルについた時なんか、

運命の神は我を見ていた。ついに女神が舞い降りた!今こそ女神の元に行かねば!

と言って貴女に声をかけに立ち上がったのよ。」

おかしそうに話すガーネット

「母上、私はそんなに舞い上がっていた覚えはない。」

アルフレッドは、少し赤くなりながら否定したが説得力は無かった

「どうだろう。結婚とまでは言わないが、息子と付き合ってもらえないだろうか。」

ガーゴイルは、かめちゃんにまっすぐ向き合って、頼み込んだ。

「息子は、貴女とここで逢えたのが運命と思っている。親が言うのも何だがまじめで優しい男で、ついでに生活のお金に困るような、苦労かけないと思う。これでも、3つの会社を経営している経営者だ」

かめちゃんは、教えられた会社名を検索、サイトの企業評価、口コミ情報、会社社内サーバー内データーのチェックを瞬時に済ませると、

「良い会社経営をされていますねぇ。」

「ほう、ご存知なのですか?」

「まぁちょっと調べたぐらいですが。あと私、お金に困る生活というものを今までしたことがありませんし今後も無いです。

 それだけは言えることです。決して、私が裕福な家の出だからという訳じゃありません。ただ住む世界が違うのです。

 アルフレッドさん、あなたが私を高く評価して頂いているのは、言葉使いに態度や脳波、身体データーでわかりますし、ありがたいことだと思います。

 でも申し訳ないのですが、私はあなたの言うような運命を感じられません。

もしあなたが私を運命の伴侶だと思うのならば、ここではなく別の場所で約束も無く偶然に出逢えたなら、それはこの先何らかの宿命で、出逢うべきして出逢うものとして結婚は無理でも、お付き合いは前向きに考えさせていただきます。」

かめちゃんは、丁寧にお断りの言葉を紡いだ。

「そうですか」

アルフレッドは、すっかり気落ちしてしまった

「せめて、貴女の電話番号かメールアドレスを教えてもらえないだろうか ?」

「それも、ダメです。なぜなら、それをもとに、私の住所が調べることが出来るでしょ?待ち伏せで偶然を装うことが出来ますもの。 でも、また巡り逢った時には、お教えしましょう」

やんわりと断る

「貴女の写真を撮るのも、ダメかなぁ?」

かめちゃんは、左の人差し指を頬にあてて少し考えるように小首をかしげ

「悪用しませんか?」

アルフレッドの瞳を覗き込むように聞いた。

「しないよ。私の名誉を懸けて。私の携帯の待ち受け画像にするだけだから」

「それじゃ、3ショットだけなら、かまいませんよ。」

証明写真のようなバストショット、両手をピースサインした満面の笑顔

アルフレッドとのツーショットの3ショットをアルフレッドのスマートフォンに撮り

レストランの支払いを済ませ、レストランの前で、

「それでは、ここで失礼致します。運命の歯車、時の女神のご加護があれば、また巡り会う事になるでしょう。その時まで、ごきげんよう!」

と言って、かめちゃんは颯爽と去っていった。


「で、2週間も経たないうちに、グアムの飛行場で再会したとは」

そうなのである。8人がグアムで入国手続きをしていると、遠くから、

「ホシミ!!」

と大きな声がして、白人男性が駆け寄ってきてかめちゃんを、思い切りハグしてきた。

唖然とする7人にかめちゃんは、あわててアルフレッドを自分から引き剥がし、イタリアのレストランでの話をし、あらためてアルフレッドを7人に紹介した。

かめちゃんと、ゆっくり話がしたいアルフレッドと、かめちゃんと帝星に急ぎたい7人が空港ロビーで口論になりかけた時、幸一が

「アルフレッドさんの言い分も納得しませんけど、わかりました。が、私達も急ぐ行程なので、こうしましょう。あなたに12時間かめちゃんと、話合う時間を貸します。お金以外で返してください。」

その提案に、アルフレッドは

「金以外で返せとな。むずかしいことをいうヤツだな。確かに彼女の仕事を、邪魔するつもりはない。

 折角のチャンスをくれたのだから、使わしてもらおう。礼は、後々考えてさせていただく。」

「今から12時間でいいですか?」

「そうだな。ここは騒がしすぎる。」

アルフレッドは、空港ロビーを見渡して

「私は、彼女と静かな場所でゆっくりと話がしたい。そこまでの移動時間は含めないでもらえないだろうか?」

アルフレッドの交渉に明美が

「かまいませんよ。私達も付いていっても、いいですよね。まさか、ここで大人しく待っていろなんて、言うんじゃないでしょうね」

「そうだな、あなたを信頼しない訳ではないが、かめちゃんを、連れ去りここに帰ってこない可能性が高すぎる。」

幸一も明美の意見に賛同する

「私も、そんな卑劣な男と思われたくないからな。一緒に着いてくるがいい。」

アルフレッドの後をついてグアム空港をあとにした


「まさか、プライベートジェットを持っているような、金持ちだったとはねぇ」

グアムから約13時間 モルディブに別荘を持っているアルフレッドに連れられてきた7人。

別荘内にある、プライベートビーチでゆっくり寛いでいた

「そろそろタイムアップだけど?」

別荘から、楽しそうに二人が手を繋いで出てきた。

「お話は、終わりましたか?」

アルフレッドは、少し興奮気味に

「素晴らしい半日を過ごさせてもらった!やはり、貴女は私にとって最高の女性だ!」

かめちゃんは、微笑んでアルフレッドを見つめている

「何があったか知りませんが、時間なので!かめちゃん、行くわよ!」

明美が少し赤くなって言うと、

「明美さん、私は、明美さんが想像するようなことはしていませんから」

「えっ!かめちゃん、そうなの?」

アルフレッドの幸せで興奮している様を見て、それはどうかなぁ?と全員思っていた。

「おいおい、私はそんな軽薄な男とは違うぞ。女神の近くに居られて、女神の声を聞ける事が出来るだけで、どれだけ幸せに満たされる気持ちになるか、君たちは幸せ者だぞ!ぜひ私と変わってくれ。欲しいなら金も地位もやるぞ」

どっぷりと惚れ込まれた男からの絶大な賛美を、かめちゃんが浴びていた。

「星美に聞いたが、君達は、勉強のため世界中を旅して体験を通して、勉強をしているさなかだそうだな。」

「そうだったっけ?」

7人は、顔を見渡した。

「次の訪問先はイギリスだそうだな。私仕事があるので、イギリスまでは送っていけないが途中のアラビア王国まで送ってあげよう。」


アルフレッドのご厚意によりまた、プライベートジェットに乗って一路アラビア王国へ

アラビア空港で、

「私の女神!また再会を楽しみにしているぞ!」

と大きく手を振りアルフレッドが、去って行った。

「なんか疲れた。あそこのカフェで一服しようよ」

美由紀が先立ってカフェに向かった

席に座って各自注文を済ませると、これからの行程をどうしようかと話をしていると

「おい!ホシミ カメヤマ だな!」

と言って、軍服姿の男性にかめちゃんが、捕まえられていた


まだ、地球を出れません(^^; かめちゃんの地球での後始末にお付合いください


次は、9月の10日までにはアップしたいと思います

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