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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第1章
41/144

故郷・・・・?

 サナトリア王国、ローレン連邦国連合対バニーニ国家連邦国の戦争を、無茶苦茶な方法にて

止めさせて、ボロが出る前にその場から離れ一路、かめちゃんの故郷、銀河民主共和連合帝国に向かった。

サナトリア王国から乗船したサファイヤにとって、かめちゃんの艦内はカルチャーショックなことが多く、

体力作りとして、毎日艦内を10km近く走り、トレーニングジムにて筋トレ。

勉強として、日本語の学習と、株式の相場の読み方、パソコンの使用方法、日本国内の法規、等

母国を出立して3日間は瞬く間に過ぎて行った。


 起床時間にサファイヤが艦橋に顔を出すと、いつもはワイワイ賑やかにふざけあっている幸一達が

艦橋に全員集まり、真剣な顔をして計器類に向かい合っていた。

「おはようございます。皆さん今日は早いですね」

「サファイヤちゃん、おはよう!」

声をかけたのはさよりで、サファイヤを、隣に着席するように手招きしていた。

さよりの隣の席に座ったサファイヤは、緊迫している艦橋の雰囲気にどうしたのか?と尋ねると

「うんとね、もうすぐワープアウトするんだよ。かめちゃんの故郷の領空に。」

「じゃ、無事に帰還ってことですよね?なぜこんな緊迫しているのですか?」

「それはね」


 かめちゃんが、地球に墜落して再起動するのにかかった時間は、艦内時間で約1万年

生まれ故郷とは言うものの、それほどの時間が経過していれば、自国の艦が帰投してきたとは

思わないだろう。

 帝国国内には、侵入してきた敵に対し迎撃する為の、強力な兵器が数多く存在する事が教えられているので、

迂闊な行動すれば、重巡洋艦としては当時最新型で、バニーニ国に対して放ったその強力な主砲を始め

強力な火器を搭載して、十分な交戦能力を持つ戦闘艦が領空防衛ラインを突破してきたとなれば、

帝国の防衛システムが作動し、迎撃部隊との交戦が考えられるので、出来るだけ穏便に帰国をする為、

領空ギリギリの場所にタッチダウンをして、攻撃の意思が無いことを示しながら、通常空間で領内を

航行して主星に近づく方法を取る事になっていた。

 しかし、ワープアウトの瞬間だけは、対応が遅れてしまうことが懸念されたので、実体空間に身を

晒す事は、帰ってきた実感を得れるものの、いつ攻撃されるかわからない恐怖と緊張感が、艦橋を支配していた。


 タートルエクスプレス級自立支援型重巡洋艦1番艦タートルエクスプレス、通称かめちゃんが、

時空震を伴い通常空間に、姿を現した。

「各観測センサー、オールグリーン。想定座標に対し誤差二%」

「各アンテナ稼働中、パッシブ、アクティブ共に正常。」

「光学観測開始」

「各防御システム起動します。」

「船体認証ビーコン発信します。輪郭灯作動中、艦首灯、艦腹灯、艦尾灯すべて正常作動中。」

「通常動力炉正常稼働中。」

「各通信システム、オールレンジオープン。受信および送信機器正常稼働中。」

「敵性反応なし。近接システムに反応ありません。」


 ワープアウトして、最初に懸念されたカウンターアタックは無かったので、艦橋はホッとした空気が

漂っていた。


「ふ~。第一段階無事ミッションクリア。お迎えはいないんだな。」

「広範囲レーダの観測データには、いないですね。」

「静かだね」

「ま、いきなりドンパチするよりはいい。これより、当艦は、主星に向けて発進する。各員持ち場に付き細心の注意を払い行動せよ。」

「「「「「「了解!!!」」」」」」」


 通常空間を最大戦線速で航行開始する事、3時間。その間所属名と帰還理由をエンドレスにて

送信しているが、返信は全くなく、主星が肉眼でもはっきり見える距離まで近づいてきた。

恒星の周りを回る惑星は、全部で11個


 かめちゃんの知る銀河連邦民主共和帝国全盛期の姿は、恒星に近い2つの惑星(キン、ギン)は、

主に恒星からの光や熱を、エネルギーに変換させ送るプラントのみ有り、同一軌道上にも多数の

エネルギー収集ユニットが設置され、星系の消費エネルギーの50%を賄っていた。


 第3惑星、第4惑星は、同一公転軌道に有る、同一の質量を持つ双子惑星で、海と陸の比率が3対7の第三惑星をラテ、海と陸の比率が7対3の第四惑星をテラ、と呼ぶ。

双子惑星が銀河民主共和連合帝国の中枢で、政治、司法、経済、教育、軍事の中心だった。

この星系だけに、約200億人もの人が住み、皇帝達(・・・)を頂点に、各星系国家から選出

された代表が王室議会民主主義国家のような政治体系をしており、ほぼ議会運営による政治運営だが

時として、帝国達の勅命が発令され、勅命は全てにおいて最優先され拒否権は存在しない国家だった。

双子惑星の周囲には、スペースコロニーが数100基建造され、人々の暮らしを支えていた。


 第5から8惑星までが、ほぼ45度の角度で等間隔をおいて同一公転軌道上に有るという惑星で、

大きさは、第3惑星と比べて約100倍の直径を持つ巨大な惑星で、主に鉱山の開発されていた星だった。

(名前は、チクホ、イワミ、ムロラ、ニイカ)


 第9惑星と第10惑星も180度の角度で同一公転軌道上に有る惑星で、凍った海の氷で覆われた惑星だった。

(名前は、ホッカ、オホオ)


 第11惑星は、一番小さな惑星で、遠距離監視システムと軍港の星だった(サクレ)



 第11惑星の横を通過する時、その地表を走査したところ、人工建造物が発見できなかった。

艦橋は静かになっている。

 テラとラテが、高倍率の光学センサーに頼らなくても観測できる距離に近づいても、受信機から聞こえるのはノイズのみ。


 双子惑星の周りには、数100基有ったと言われるコロニーのような人工物が観測されない。

それどころか、地表にも建造物が見当たらなかった。自然豊かな惑星の映像が流れていた。

艦は、ゆっくりと惑星テラとラテの軌道に到着。

そこは、宇宙ゴミ(デブリ)ひとつない綺麗な宇宙空間。

静止衛星軌道上に艦を停泊。再度地表に向かって、各周波数による帰還宣言のメッセージを送信

しばらくたっても、返信の連絡は無かった。


かめちゃんは、惑星テラとラテに向かい、手を合わせ黙祷をした。

そして、艦橋のメンバーに顔を向けると、お辞儀をして

「みなさん、私の我がままにお付き合いしていただいて、ありがとうございます。やはり時間が

全てを飲み込んだのでしょう。これが、私の故郷だった(・・・・・・)惑星です。」

そう言って、自然に溢れる惑星をメインスクリーン一面に映し出された。


しばし、艦橋には静寂が訪れた

さよりだけが

「これが、かめちゃんの故郷になる(・・・・・)惑星か」

と、誰にも聞こえないほどの声で呟いた。



 こうなっている事は、薄々気づいていたかめちゃん。

地球を出発する時には、地表に下りて、各関係機関に話を付けるので3日から5日の滞在期間がいる

と言ってたのに

停戦条約を結ばれて、サファイヤに残りの航海期間を問われた時に、黙祷の時間が有ればいいと、

変化していた。

その事に気付いた、幸一が質問したところ、

戦争をしていた、サナトリア、ローレン、バニーニは、かめちゃんの知るところでは、帝国内では

かなりの友好国で、先の非生命体戦争の時も、バニーニが襲われた時に、サナトリア、ローレンが、

バニーニ難民を積極的に受け入れ、敵に対して徹底抗戦していてくれたおかげで、帝国は反撃の

時間が稼げたと言う。

 そのような友好国だった3ヶ国が、あのような争いをする事に、信じられなかった。

たぶん考えられるのは、帝国が滅び、次の銀河統一の覇権を争っているのではないか?だとすれば、

もう帝国の痕跡は無いのでは?そう考えると、今まで交信をしていても、返信が無かった事の説明が付く

最後に別れた艦長以下のみんなには会えないが、とりあえず、最後の命令、きっと母港に帰還せよ

は、果したかな?と考えるようになった。

母星に帰還して、この現実を見ると黙祷以外出来なかった。


 幸一は、

「全員、かめちゃんの主星に対し、黙祷!」

さより以外全員、メインスクリーンに映し出された、鮮やかな海と緑豊かな大地の惑星に対して

黙祷を捧げた

その間、さよりは考え事をしていた。


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