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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第1章
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出港準備1

帝星に行く契約をして2週間が過ぎ、開いた謎の洞窟も、かめちゃんの手によって、ドックまでの道は塞がれ、その後調査に訪れた、警察や行政機関の調査の結果、先の大戦で作られ地中にあった防空壕 の一部が、地震の揺れによって陥落して出来たものとして処理されて、歴史的価値が無い上に危険なためので安全の為元の状態に埋め戻され、なにもない日常が戻っていた。


 そして7人は、重巡洋艦タートルエクスプレスの作戦会議室にて、迫りくる恐怖の期末試験の為に勉強に追われていた


「眠い~、死ぬ~、」

「公式なんか、なくなってシマエ!!」

「かめちゃん、コーヒーちょうだい」

「こっちにも」

教科書に参考書、書き写したノートが作戦卓の上に散乱していて、敵陣に乗り込む最終作戦会議さながらの風景だった

「ハイハイ、たいへんですねぇ」

と艦内AIの黒を基調とし白色のレースがあしらわれたメイド服を着た、美少女かめちゃんがなんの感情もこもらない声で答えて、ホットコーヒーを人数分テーブルの上に置く


「ちゃんと覚えていないから、今になって慌てて勉強してもたいして変わらないのに」

と明美がフルーツジュースを口に含みながら、さゆりと拓哉を見ている

「う~ぅ~、返す言葉がありません(;_;)」

「明美はいいよ。頭も良いし運動神経も抜群だから」


 この状態になって2週間、かめちゃんは、乗員契約を済ませてから後悔していた。

それは、乗員契約したこの7人が、契約上艦内では上官となり、今までかめちゃんが実行できていた全ての命令系統を、乗務員契約に基づき7人に移譲し、7人の配下に自分がなるって言うことに契約が締結された時点で、明美に宣言され気が付くという自分の愚かさに後悔していた。


 さらに艦内AIのコンピューターとしてのスペックに目を付けた、拓哉と明美の命令で、市役所のサーバーを手始めに各公共施設のサーバーに侵入し、

『亀山星美 二十歳』という戸籍に住民票 各種運転免許証等数十種の免許証、許可証を再発行という形で入手していた。


 かめちゃんはこの手順が不思議で、明美に偽造した方が早くできるのに、なんで偽造しないのかと聞いたら、

「各関係官庁のコンピューター内のデータベースに登録が有れば、本人確認書といくらかの手数料だけで本物が再発行してもらえるので、偽造免許を使用するよりリスクが少ないし、そもそも、役所が発行した本物なんだから堂々と使えるでしょ」

と説明を受けた。

確かに、艦内AIのスペックをもってかかれば、どこも原始的なシステムでハッキングするまでもなく、即時いくらでもデータを書き換え出来てしまい、担当窓口に行けばわずかな手数料で即時発行してもらえた。

手にした身分証明書で、近くの宝石店で金塊を換金して、売りに出ていた学校の隣の民家を、即金で買い取り、地下にある重巡洋艦へのアクセスポイントとして家の中を改造させられて、おもしろくも無い仕事をさせられて、ついでに気付けば7人は放課後、艦内の作戦会議室に集まり試験勉強をしていた


「あの~皆さん、私との契約、覚えていますよね!!帝国の主星に向かうってこと!!」

かめちゃんが、作戦会議室にいるメンバーに大きな声で尋ねた

「大丈夫よ、かめちゃん。みんな覚えているわ。だから必死になって期末試験を高得点取れるように勉強しているんだから」

と明美が話した

「どういう事ですか?」

「みんな、来年大学受験の受験生なのに、この夏休み海外旅行に行くって親に言ったら、当たり前だけど猛反対食らって、行くための交換条件として、今度の試験を学年上位15位以内に入ったら許そう、ってなったの」

読みかけのコミック雑誌をテーブルに置き、明美はかめちゃんに説明をした

「海外ってこの国以外の領土に行く事ですよね。いいですねぇ。私も一緒に行きたいです(^-^)」

お盆を持って、明美に訴えるかめちゃん。明美は、無言でかめちゃんのおでこに、げんこつを食らわせた。

「明美さん、痛いです(涙) グーはやめて下さい」

おでこを押さえながら涙目で訴える かめちゃん

「何言っているの?あなたの計算だと、帝星まで往復20日から30日間もかかるんでしょ!!その間私達は日本にいない訳でしょう?まさか、宇宙に行って来ましたって言えないでしょうが。

もうすぐ夏休みで、うちの学校は40日間休みが有るから、その間に海外研修旅行に行ってくる、と言っておけば、誰にも怪しまれずに日本からこっそり、宇宙に行って帰ってくる事が出来るでしょう?

 ただ問題は、高校三年生で、大学受験をひかえた受験生がのんびり夏休み遊んでいる暇は無い!!って事で、親や学校に勉強していて合格安全圏内にいるよって言う、安心材料を渡さないと絶対に許してもらえないから、みんな、必死になってがんばっているの!」

かめちゃんは、周りを見渡して

「明美さんと幸一さんは、勉強しなくて良いんですか?」

コミック雑誌を、読み始めた明美に対して聞いてみた

「その二人は、いいんだ。学年のツートップだから」

拓哉が恨めしそうにつぶやいた。

「はいはい、明日が試験最終日。気を抜かずがんばっていきましょう!」

ゲームをしていた幸一が、画面から目を離さずみんなに激をとばした



次の日

作戦会議室ではなく、食堂に7人は集まっていた、が

「あの~皆さん?撤退戦で逃げ切れなくて、塹壕に入り込んで玉砕を覚悟する瞬間の兵士のようですよ」

今日は、白を基調としたメイド服を着たかめちゃんが心配そうに、食堂の椅子に座り込み、テーブルに倒れ込んでいるメンバーに声をかけた

「あはははは、もう玉砕はしてきたよ」

「俺たちは、頑張った?」

「そうよ!あとは、神様が微笑んでくれるのを待つだけよ!」

「当たって砕けろって言って、砕けてきました」

うつろな目をして、小さな声で叫ぶ姿を見て

(この人達に、本国に帰還を頼ったのは、間違いだったかなぁ)

かめちゃんは、声に出さすため息をついた


「お~い。まだ屍になるのは早いぞ。」

「そうよ。結果のわかる5日後迄に、出発するのに必要なものを、買い出しに行かないといけないでしょう?」

明美と幸一がひときわ明るい嬉しそうな声で、みんなに声をかけて回っていた。


「買い出しですか?私の艦内で必要なものなら、全て生産が出来ますよ?」

かめちゃんが、戸惑った声で尋ねてきた

かめちゃんこと、自立支援型重巡洋艦タートルエクスプレスは、補給がままならない、前線にて補助艦にも補給できるよう、艦内に有る各種生産システムで、装甲に搭載機の製造はもちろん、靴下から宮廷ドレス 食料の生産まで行っているのである。

「いやねぇ。いつも食べているスナック菓子やインスタントラーメンとかが、手元にないと何か寂しくてねぇ」

と幸一が照れて話した

「それに、かめちゃんの食堂にあるメニューは、兵士向きというか」

「ダメですか?」

「ダメじゃないけど、華やかさが無いというか、実用的?不味くはないけど、食べる楽しみが少ない?って感じなんだよね」

「あれだよな、食べる前の期待感が少ないんだよね。これから30日間、このごはんメニューじゃ、絶対に飽きるって事」

「量も多いし」

7人は、期末試験の勉強の間、おやつに食事は、基本的に食堂で食事を取っていた。

そこで感じたのは、メニューの少なさだった。

「メニューを増やせば良いんですか?」

「増やせるの?」

「簡単ですよ。私に料理のレシピを教えていただければ、」

にこやかに笑いながら

「一番確実なのは、私を指導してもらえば、同じものを再現できます。」

「うっ、面倒くさい。覚えさすのに時間がかかる。」

「だったら、レシピをデータでいただければ、レシピ通りに調理しますけど?」

「料理本を読んでもらえばいいのかな?」

「でも、味は?」

「私の味覚センサーが基準値ですけど」

「難しいなぁ」

「レシピ通りしか出来ないなら、味の変化はないなぁ」

「どういう事ですか?」

「規格の味になると楽しみが減る」

「はぁ?良くわからないんですけど?」

「例えば、卵焼きだけど俺は、砂糖の入った甘めの卵焼きが好きだけど」

「私は、出汁が入っただし巻き系の方がいいな」

「あたしは、甘めだけどみりんの甘さが好き」

「細かい味のレパートリーを増やせって事ですか?」

「出来るの?」

疑わしそうにかめちゃんを見る、7人

「舐めないでもらいたいですねぇ」

その顔を見渡して、勝ち誇るようにかめちゃんは言った。

「基本レシピがあれば、私が食べたものを再現するのは、簡単な事です」

「えっと、かめちゃん、ごはん食べれるの?」

「アンドロイドでしょ?」

かめちゃんは、人差し指を立てて横に振りながら

「私のような有機素材を使用しているアンドロイドは、有機部品のメンテナンスに、専用の有機質を定期的に摂取しているんです。それを人間の食事に変えても摂取する事は可能ですし、口腔より食物を摂取することで、私の中の官能センサーが、その食品の味に食感、香り、成分を分析登録する事により、その料理の基本レシピから、その味になるようアレンジすることで、同じものを食堂で提供が出来ますよ」

「ということは、ショートケーキのレシピをひとつ覚えておけば、そのあとに有名なお店のショートケーキを食べる事で、この食堂でいつでもそのお店のショートケーキが食べることが出来るって事!!」

女性陣の目が輝きを増した

「もちろん!それをベースにホールケーキも作れますよ」

自信満々に胸を張って答えた

「よし!かめちゃん!頼んでいた軍資金の準備は、出来ているわね」

「はい。明美さんの言われた通りに、金塊3Kgを、ここの通貨に換金しておきました」

かめちゃんが、札束をテーブルの上に置いた。

「よしよし。」

幸一は、その札束の一つを持って、

「試験は終わった。買い出しの資金は十分ある。上手い料理を食堂で食べる方法も

わかった。全員、これから、出かけて楽しもう!」

「「「「「おー!!!」」」



すこし、文章の見直しをしました(^^;


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