航空機?
発艦した2機は、敵機の大群が近づいてきてるにもかかわらず、遊覧飛行するような感じで、
艦の護衛をするでもなく、のんびりとした感じで、敵攻撃機の群れに向かって飛んでいく
しかし、どう見ても1機の大きさがおかしい
「なぁ、俺の目がおかしいのかな?それとも宇宙空間では、遠近感がおかしくなるって
聞いたから、あんなふうに見えるのか?」
幸一は、飛んでいく2機の大きさに違和感を覚えて、艦橋に居る全員に聞いた。
「やっぱり、幸一にも比率がおかしく見える?」
政史が幸一を見ずに、飛んでいく2機を見ていた。
両機ともタイプは違うが、普通にデルタ翼を持つ航空機の感じなのだが、
明らかに明美が乗っているであろうイーグル改マークⅡタイプAの機体が、どう見てもサイズが
おかしい。
拓哉が乗るJSATONAKAが普通のサイズだとすると、イーグル改マークⅡタイプAは、
それの2倍以上の大きさに見えるのであった。
「ねぇ、かめちゃん、明美の機体って大きくない?」
さよりが、かめちゃんに訊ねると、なんか困ったような顔をして、
「やっぱり気付きましたか?テヘッ」
とかわいく笑ってみたが、さよりの目が冷たかった。仕方なく
「明美さんの機乗しているイーグル改マークⅡタイプAは、JSATONAKAより遥に
大きいですよ。私だって、出来上がるまであんなに大きいって思いませんでしたから!」
なんか、やけくそ気味に反論するかめちゃん
「拓哉さんの機体JSATONAKAの全長18.4m 全幅12m 全高4.66mに対し
明美さんの乗るイーグル改マークⅡタイプAは、全長71m 全幅60m 全高19.3m
なんですよ。ちなみに、イーグル改マークⅡタイプAの原型となったイーグル改は
全長26.8m 全幅21.2m 全高6.2mです。」
目の錯覚でもなんでもなかった。大きさが3倍近く違ったのであった。
と言うか、なぜ製作したかめちゃんが、作り上げるまで、その事に気付かなかったのか?
図面上でわかりそうだが。
「ジェット戦闘機とジェット旅客機ぐらいの差かな?」
「ボーイング747並みの大きさの単座戦闘機って、考えおかしいだろう?」
「でも、単装砲とはいえ、私の主砲クラスを2門積んでいるんですから、あのぐらいの大きさが
無いと、胴体内には内装できませんよ。」
その言葉に、艦橋に居た全員が
「「「「はぁ?なにそれ!」」」」
「あれ?聞いてませんでしたか?明美さんに、最強の機体を寄越せって言われたので、あの機体に
したんですけど?」
頭を抱えた幸一が
「それってもう、航空機じゃないだろう!どう考えても突撃艇か、駆逐艦だろう!!」
「いいえ、種別は大型戦闘攻撃機って言うジャンルに登録されている機体ですよ?」
「見た目は、確かに航空機だよなぁ」
「大型だしね。」
「でも、翼にあたるところに、なんか、ごてごてに付けているけど、あれ、何?」
「あれは、外装兵器です。上から対空多弾頭ロケットランチャー、61センチ宙雷、
50センチレールガン、対艦ミサイル、だったと思います。」
「はぁ~、もう好きにしてくれ。」
幸一は呆れかえるように、シートにもたれた。
レーダーを見ていた、さよりが
「もうすぐ、明美達と敵攻撃機が交差するけど?」
「あの巨大な機体に俊敏な動きを求めるのは、無理かな?」
「あのままじゃ、袋叩きされてしまうんじゃ」
2機は、敵護衛機に囲まれ攻撃を受けたようだが、2機からは反撃する事なく、回避行動だけで
敵攻撃機の群れを全てかわした。
「あの二人は何なんですか!」
かめちゃんが、唖然とした時、明美から無線が入った
「雑魚は任したので、よろしく!」
敵の護衛機の何チームがあわてて編隊から離れ、2機を追うように機体を反転して行った。
2機は、加速して後続の追撃を許さず敵艦隊へ。
敵艦隊からも直衛機の編隊が2機を目指して集まってくる。
「挟まれたけど、どうする気だ?」
「もどかしい!かめちゃん!二人の機体にガンカメラ付いていたよね!」
「は、はい!」
「ホンじゃ、カメラ映像をメインスクリーンに投影して!」
レーダー画像とガンカメラからおくられてくる映像を、見つめる6人
「あの~、こちらに接近してきた敵攻撃機部隊を、どうしましょう?」
かめちゃんが、2機から送られてくる映像を見ながら、接近してきた敵攻撃機部隊を、
メインスクリーンに、小さく表示した
「今から良いところなんだから、かめちゃんが適当にあしらっておいて」
「さより、そう言うなって。かめちゃん、敵攻撃機が接触するまでどのくらいかかる?」
「そうですね、5分程度ですけど?」
「ヤバい!なんで、そんなに近づくまで黙っていたの!!」
「黙ってたわけじゃなくて、皆さんが聞いてくれなかったんですよ!敵攻撃機部隊が、
当艦に最大接近するのは、あと5分くらいですけど、それよりも先に敵艦が放ったミサイルが、」
ズーン、ズーン、ズーン、ズーンっと鈍い音が艦の各方面から聞こえてきた。
「あっ!敵のミサイルが当たった見たいです。」
他人事のように話すかめちゃん
「ヤバい!かめちゃん!被害は?」
幸一が、艦長席から叫ぶと、美由紀は、レーダー画像の確認、政史は操舵レバーを握りしめ、
正が火器管制席に座り、各火器の起動動作確認をさせていく。
さよりは、通信システム席で、映像を見ながらポテトチップスを食べている。
「敵艦隊からの第一次ミサイル攻撃は、50発中4発命中しましたが、被害軽微です。」
しかし、かめちゃんが、
「おかしいですね。対艦ミサイルなのになんか、威力が弱いですね?」
だが、ほっとする5人
「強力なミサイルじゃなくてよかったよ。」
「かめちゃんの装甲が、相手の予想より強固なのかもしれない」
「続けて敵機による第1次攻撃が来ます。敵機数約1000! 敵機ミサイル発射!
数約2000。当艦接触まで40秒」
「かめちゃん。対空砲にて、叩き落とせ!!」
幸一の指示に対して、直撃を受けたミサイルの威力があまりにも弱かったことから、かめちゃんは自分の装甲に自信を持って
「あのぐらい威力ならば、避けなくてもいけますよ?」
と自信満々に答えた。一瞬対応に困った幸一が答えるより、モニターを見ていたさよりが、
「イヤ、撃破して!」
大きな声で、かめちゃんに指示
「了解いたしました!」
その瞬間、全対空砲が発砲。船体を、中心に爆発に囲まれる。
しかし、敵の飽和攻撃によるミサイルの為、全対空砲を持ってしても、全弾数を撃ち落とせずに
着弾したミサイルは、タートルエクスプレスの対空砲座を数基破壊した。
強い衝撃に見舞われる艦橋
かめちゃんが怒りの形相で
「右舷 対空砲10基大破、5基中破 13基小破しました。ダメージコントロール開始!
舐めたまねをしやがって!逃がさん!」
まるで、かめちゃんの怒りが、そのままのような濃厚な密度の対空砲火。
「敵機148機撃破、136機に損傷を与えました。左舷より第2次攻撃来ます。
敵機約1500 飛来予想ミサイル3000発。対空砲火による迎撃開始」
一層激しくなる、対空砲火。しかし、それをくぐり抜け肉薄する攻撃機。
艦を揺さぶる、着弾による衝撃
「敵機264機撃破 513機に損傷を与えました。ただ当艦左舷 対空砲8基消失、15基大破
6基中破 11基小破 」
敵の第2次攻撃を凌いだが、被害も少しづつ拡大して来ている
「かめちゃん、大丈夫?」
美由紀が声をかけると
「美由紀さん、今のところは大丈夫ですけど、徐々に削られてきますね」
幸一が被害状況を見て
「初弾がえらい弱弾で、おかしいって思った。でもあれは、何のための初弾だったのか?」
と、疑問を口にした。
「初弾のあれは、たぶん誘導弾ですね。」
忌々しそうに、かめちゃんが応えた。
「誘導弾?」
「はい。目標物に誘導弾を当てることにより、命中した場所に特殊塗料が塗布されます。
この塗料の塗布された場所が攻撃目標物と火器制御システムに認識させることにより、各砲門、
ミサイル類が味方や、否攻撃対象に対して誤爆しないように、攻撃目標に間違いなく誘導するのが目的です。しかし、過去の誘導技術です。いまだに使っていたとは。」
「大丈夫?」
「私、過去のって言いましたよね。すでに対策方法は確立しています。マーキングを浄化して
しまえば目標が無くなり、ミサイルは迷走します。ダメコンのついでに洗浄もしておきます」
「かめちゃん、この攻撃が続くとして、どのぐらいもちそうかな?」
幸一が尋ねると
「そうですね。後2回同じ攻撃をされると、不本意ですが、中破判定以上、になると思います。」
「きついなぁ。この後の艦隊戦が有るんだけど、いける?」
レーダーに映る、多数の敵艦艇
「そうでした!結構きついですね。沈みはしないと思いますが・・・・」
「直衛機が無いのがきついかぁ」
「それもありますが、敵さんの数が多すぎです」
「確かにな。敵の攻撃機は、今まででどのくらい来た?」
「攻撃機が約2500機です」
「一種の飽和攻撃だよねぇ。いくら、かめちゃんの対空砲火が濃密でも、数で押し切られてる
感じがするもんね。」
腕を組みながら、モニターを凝視する幸一
「今生還した機体が、補給休息して再度攻撃してきたら、ヤバいかも」
「それより、あの数の敵艦隊に、今から単艦で挑むって、自殺行為じゃねぇの?」
レーダーに映る無数の艦隊の数 その数約15000隻。空母と小型艦らしき反応を除いても、
約2400隻
一瞬、艦橋に暗い空気が支配しかけたが、さよりの
「その心配は、無いと思うよ」
と、あっけらかんとした声が艦橋に響き、全員さよりの方を見た
「どうして?大丈夫って言える?」
「うん?明美がそろそろ暴れ出すから」
その声が聞こえたように、レーダーから少しづつ消えていく光点。
「本当に、雑魚狩りになっちゃうねぇ」
と、ポテトチップスを食べてモニターを見つめる、さよりだった




