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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第1章
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サナトリア事変8

ほどなく、かめちゃんに連れられて王妃とワーク将軍、ノーマカ少尉が御付きの従事を連れて、タートルエクスプレス号に乗船してきた


「幸一殿、姫は無事ですか!」

ワーク将軍が、艦橋に着くなり開口一番、尋ねたのが姫の安否だった


「落ち着いてください。いま、お姫様は休眠カプセルから、覚醒中です。現在のところ異常を認められませんので大丈夫と思います。ただ、覚醒には後しばらくかかりそうですが。」

幸一は、にこやかな笑顔でそう答えた。


「助かりました。我々では、あのまま膠着状態が続いたと思います。いったいどうやって、犯人と交渉されたのですか?」

「それは、ちょっと禁則事項とさせてもらえませんか?」

幸一は、人差し指を口に当てて微笑んだ。

「いいでしょう。我々は、姫が無事に帰りさえすれば、問題ないのですから。こちらとしては、この事件のことを黙っていていただけると、幸いなのですが。」

ノーマカ少尉がそういうと、幸一に、

「あそこにいる軍服の方は、地球連邦国の方なのですか?」

と、ローレン連邦国の将校達を見て尋ねてきた。

「いえ、違いますよ。あの方々は、ローレン連邦国の軍人ですよ。」

「えっ、どうしてここに?」

サナトリアの人にしてみれば、意味が解らなかった。

「ちょうどいいタイミングですから、紹介しますね。ローレン連邦国のビッフェ司令官、こちらが、サナトリア王国の王妃であらせられる、マーガレット王妃 近衛兵のノーマカ少尉 艦隊司令官のワーク将軍です。マーガレット王妃、こちらがローレン連邦国軍司令官 ビュフェ司令官、ラッツ艦長 マーシャル准将 サランドラ上級兵曹さんです」

と、幸一が紹介をした

 お互いこのような場所とタイミングで出会うと思ってもいなかったので、姿勢を正し挨拶を始めた

まずは、ローレン連邦国のビュフェ司令官が、気まずい顔をしながらビッシと綺麗な敬礼をして

「お初にお目にかかります。私、ローレン連邦国バーニニ星系方面軍総司令官、ビュッフェと申し上げます。私の左から、部下のラッツ艦長 マーシャル准将 サランドラ上級兵曹 です」

と、部下を紹介した

その言葉を受け王妃が

「妾は、サナトリア王国第38代王妃マーガレットと申す。ここで、敵国である其方らと会うというのはおかしなものぞ」

と冷たい目つきで睨みつけ

「私は、サナトリア王国近衛兵団団長、ノーマカ少尉です。もしかして、姫が解放されたのは、あなた方の口添えですか?」

と、戸惑いを隠せず

「私は、サナトリア・・・・国艦隊司令 ワークである。なぜ、敵国であるおぬし等がこの船に乗っておるのだ?」

困惑していた。


 サナトリア王国側からしてみれば、阻止したとはいえ姫がさらわれて引き渡される相手が、ローレン連邦国だったと判ったいまの状況で、この4人は、どういう立場で、この船に乗っているのかが気になって仕方がなかった。

「まあまあ、両国ともそんなに睨まないでください、」

政史が一触即発になりそうな雰囲気の中、軽めの声を両陣営にかけて、

「サナトリアの方々、ローレン連邦国の軍人さんは、言わば我々の捕虜です。ここで問題は起こさないでくださいね。」

「幸一殿、捕虜ならば我々に引き渡してもらおう。尋問してこれから、ローレン連邦国に攻め入らねばならぬ。」

ワーク将軍がそう言って、4人を睨むが幸一が

「それは、ダメですね。我々の捕虜であって、サナトリア王国の捕虜ではないのですから」

と言って、引き渡しを断った

「なんだと!」

「怒ってもだめですよ。この4名以外にも捕虜を抱えているんですから、我々には捕虜を虐待する権利はありませんし、まして捕虜を他国に引き渡す理由もありませんから。」

そう言いきってから、幸一はマーガレット王妃とワーク将軍に向かい

「それに、王妃に将軍は、ちょっと手伝ってほしいことがあるんですよ」

「妾に出来ることかえ?」

「はい、そんなに難しい事ではありません。ワーク将軍も少しでいいので、手伝っていただけませんか?」

ワーク将軍は、少し考えてから

「確かにおぬし達は、姫の奪還に協力してくれたのだから、モノにはよるが少しならば協力しても良いが。」

当惑な面持でマーガレット王妃とワーク将軍は、幸一を見た。

「で、妾は、何をすればよいのだ?」

「はい王妃様。このまま、しばらく当艦にいていただき、ローレン連邦国の首脳陣と和平交渉のテーブル座ってほしいんです」

それを聞いた、サナトリア王国側の人々は、目を見開いて驚き

「なんだと!貴様ら、謀ったな!」

ワーク将軍が激高したが、

「まあまあ、落ち着いてくださいそんな意図はありませんから」

「和平交渉とな、妾と一介の軍人であるこの者達では、そのような話はできんぞ?」

と言って、ローレン連邦国の軍人たちを見て王妃は言った

「大丈夫ですよ。向こうの国首クラスをこの船に呼びますから。第三国の仲介で和平交渉の話をするのなら、国民に対しても問題ないでしょ?」

ノーマカ少尉が

「幸一殿、それはそうだが、急に交渉の場を設けられても、すぐには解決できる問題では・・・・」

パタパタと手を振って

「わかってますって。誰もこの場で解決できるって思っていませんて。ただ、和平の交渉というか、この戦争が始まる前に、両国がお互い面と向かって話し合ったことがないんじゃないですか?」

ノーマカ少尉とワーク将軍が顔を見て、

「確かに、宣戦布告も無しに始まった戦いだったからな。それはそうだが、一旦持ち帰って、首脳陣と話し合ってから日時を決めないと、今すぐに会見の場を設けることは」

ノーマカ少尉とワーク将軍が考え始めると

「ノーマカ少尉、どこの首脳陣と相談するのですか?ここにサナトリア王国の王妃がいます。確か、王妃は王が亡くなった後、全権委任執行権を持っておられるはずですよね、大臣等の相談を受けなくても、今回は顔見世的な要素なので、大丈夫でしょう?細かい内容については、後日事務方の方々と詰めてもらえばいいだけですから。

ワーク将軍はサナトリア革命軍ですけど、そこの革命政府はまだ国全体を把握していませんよね。ということは、反政府ですよね。」

「確かに今はそうだが、王国が陥落するのは時間の問題だぞ」

と、ワーク将軍は幸一を睨んだ

「本当にそう思いますか?国民の支持はどちらに傾いていますか?」

「世論的にはまだ五分五分だが・・・・」

「ではまだ、正式な政府として認めるわけにはいきませんね」

「革命の成功した暁には、我々が正規政府になるのだ!その為にも、我々の意見も取り入れてほしい!」

と、ワーク将軍が嘆願

「そもそも、なんで、革命が起きたのですか?」

幸一が、ワーク将軍に尋ねた

「今までのあなたとノーマカ少尉とのやり取りからして、ワーク将軍。あなたは彼の上官でしたね?そうなると、王室に忠誠を誓っていたあなたのような将軍が、反政府軍の筆頭に立っている事が、不思議なんですけど?」

ワーク将軍は、一瞬悩んだ表情を見せたが、革命の起こった経緯を話し出した


「革命が起きた原因は、このたびのローレン連邦国との戦争により、バーニニ星系連邦国群からのわが国への貿易が滞り、さらにローレン連邦国の姑息な攻撃により、周りの国からの輸入した物資を運ぶ輸送船が攻撃され沈められて、物資入ってこなくなり、さらに戦時増税により国民への負担が増え国民生活が苦しくなったのに、戦争を始めた王室は、今までどおりの優雅なふるまいを辞めようとせずに続け、戦争を終わらす気も無く、企業との癒着等数々の不正を行い、私腹を肥やすだけの存在となり果てて、私は失望したのだ!そのような王室はもういらぬ!国民に対し王室を廃止し、新たな政府を立てて新生サナトリア国として、新たにバーニニ連邦国群との通商条約を締結、周りの国に対しても同盟条約を新たに締結し、我国を蹂躙するローレン連邦国に対し、連合国で制裁を与え、それにより国の安定を願うために我々は蜂起したのだ。」

その言葉を聞いて

「それは、おかしい!我々は、民間船には攻撃した事は無い!それに対し、サナトリアは我々の国の貨物船を襲って、積み荷を略奪して持ち帰っているではないか!」

ローレン連邦国の軍人の一人、サランドラ上級兵曹が叫んだ

「そのようなことは、我々はしてはおらぬ!言いがかりをつけないでもらおう!」

ワーク将軍は、サランドラ上級兵曹を睨みつけ怒鳴った

「何を言う!護衛艦隊で固めた船団を繰り出して、わが国の輸送船を襲い積み荷を乗せ換えて運んでいるのは、こちらの調べで判っているんだ!証拠もあるぞ!」

マーシャル准将も、声を荒げてワーク将軍に詰め寄ろうとしたが、ラッツ艦長に押しとどめられた。

「なんだと!そんな卑劣なことは、サナトリア王国軍はするわけはない!まして輸送船に護衛艦隊をつけて派遣する作戦は、今まで行ったことはない!それを行っているのは、貴様らの国だろうが!そもそも、戦争になったのは、お前らがわが国の練習艦を、無警告で襲ってきたからであろう!」

ワーク将軍も掴みかかろうとしたが、ノーマカ少尉に羽交い絞めにされ、説得されていた

「なんだと!戦争になったのは、貴様らの艦隊が、我々の事故調査船に対して砲撃してきたからじゃないか!」


今にも掴み掛って殴り合いの喧嘩が始まりそうな、空気の中それを眺めていた明美が

「で、どっちも騙されているんじゃないの?」

と、ぼそっとつぶやいた

「どうゆうこと?」

さよりが、明美にたずねた

「宣戦布告が無いのに戦争状態に持ち込まれているのと、誰得?この戦争?」

「だれが得しているかと言うと、・・・・サナトリアは荷物が入らなくなって国が苦しくなっているし、ローレン連邦国もしたくない戦争をさせられて、貨物が奪われている。その両国の盗られた物資は、どこかに行っているから、両国共相手が悪いと言っている、・・・・あれ?この両国損だけしてるよ!じゃ、だれが儲けてるの?」

さよりは指で、相手を指しながら考えてみたが、答えが解らなかった

「その物資をパクった奴が一番儲けているでしょうが。」

「なんで?」

「他人のせいにして、自分には疑いがかからず、盗った物は戦時中だから、どこかに高く横流しをして儲けているんでしょうね」

「盗賊?海賊?」

「どちらかというと、詐欺師?かな」


そんな二人の会話が聞こえるわけでもなく、艦橋内は両国の睨み合いと、怒号が飛び交っていたが、

 「すいません!!静かにしてください!!」

かめちゃんが、かめちゃんズ残り9名総出(フルアーマー5体含む)で説得(制圧?)して静かに(鎮圧?)させた。

「とりあえず、当艦でお部屋を用意させていただきました。明日の会見に向け休息されてはいかがでしょう。というか、部屋に入って頭を冷やしてください!」

というと、全員を丁重(強制的)に部屋に案内(連行?)していった


「あ~疲れた。で、ローレン連邦国の首脳陣は、明日来てくれるのかな?」

静かになった艦橋で幸一が、かめちゃんに尋ねた

「大丈夫ですよ。先ほど連絡を入れたところ、大統領以下20名の団体様で来られるようです。」

「で、かめちゃんはどう思う?」

「なにがですか?」

「この戦争、」

「どうなんでしょうか?一介の軍艦が意見するようなことではないと思いますが、この戦争を引き起こした首謀者と言うか主役というものが、誰かわかりません」

「だよなぁ。どちらも嘘はついていないし、お互いに被害を受けているし、そもそもどちらが先に手を出した?」

「サナトリア王国の記録によると、サナトリア歴792年玄の月24日26時35分 練習航海中のサーフ練習艦が演習海域を航海中、ローレン連邦国の艦隊に遭遇し攻撃されて、練習艦は回避運動を行いつつ救援を求めるが爆沈、救援に向かったサナトリア王国第3砲撃艦隊が救助できたのは、新兵および教官 運行スタッフ合わせて乗員872名中、生存者は16名、遺体遺品を回収後、同月25日10時48分 ローレン連邦国第4哨戒艦隊と遭遇、報復戦としてこれを撃破となっています。

  これに対し、ローレン連邦国の記録によると、連邦歴138年9月34日2時46分ごろ、ローレン連邦船籍の輸送船ガルマより救援信号を受信、40分後現場に急行したローレン連邦国第8海難艇が、大破した輸送船ガルマに横付けしている貨物船に対し、臨検要求をしたところ、側面より艦砲射撃を浴び大破。第8海難艇に遅れること30分、ローレン連邦国第6機動旅団艦隊が救助できたのは、輸送船ガルマの乗員30名中7名 第8海難艇乗員127名中35名。現場検証後本国に向かう途中で、サナトリア王国第2哨戒艦隊と遭遇。停船勧告をするが無視をされ、旗艦軽空母マヤイより攻撃機10機を発艦させ威嚇行動を行ったところ、サナトリア王国艦隊より発砲され、攻撃機1機中破。残りの攻撃機による攻撃開始、撃退となっています。」

「どっちも遭遇戦だし宣戦布告もしてないのに、よく火蓋を切ったね」

「そうですね」

「で、暦が統一じゃないのでよくわからないのだけど、どっちが先なの?攻撃したのは?」

「それが、練習艦が攻撃を受けた時間と、海難艇が攻撃を受けた時間が、ほぼ同じなんですよ。どちらが先というより、同時に攻撃を受けたと思っていいですね。」

「で、たまたま近くを航行中の逃げる敵を見つけて、お互い攻撃をしているということ?そんな偶然ってある?」

「ないですね。」

「裏がある戦争か。これ解決しないと次に進めないなぁ。気になって」

「幸一、どうする?日程的に苦しくなると思うんだけど。」

「そう言えば、夏休みの期間だけだったもんなぁ。どうしようか?」

と、明美と幸一が考えていると

「2日間なら何とかなると思いますよ。」

と、かめちゃんが話しかけてきた

「ホント?かめちゃん。」

「バーニニ星系から、帝星まで最短12日で行けますから。他で寄り道がなければなんですけど。」

「今回の会議で真相が突き止められなくても、和平の道ができたらいいか。どうせここの両国が考えないといけない問題なんだし、」

「ですよねぇ。私たちは、明日の会見をセッティングするだけしたら、かめちゃんの故郷に移動しましょう」




年末までにアップしたかったけど、ムリでした

次はもう少し早くアップしたいなぁ

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