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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第3章
128/144

サヨリ2

あけまして、おめでとうございますm(__)m

今年もよろしくお願いいたします



「つ・か・ま・え・たぁ~、もう逃さないよ」

右手でしっかり第三皇太子の左足首を掴んでそう言うサヨリの姿は、身体が真っ赤に染まり、

はっきり言ってホラー映画そのモノだった。

第三皇太子は、暴れたおかげで、サヨリの右手から逃れる事が出来たが、うまく立てない。

追ってくるサヨリから這うように逃げて、玉座にしがみつくと

「奈落に落ちろ!」

第三皇太子を精神的に追い込んでいたサヨリが、突然浮遊感を感じ景色が暗転したと思ったら、

全ての感覚が失われた。

「うん?何が起きた?あいつ、なにかしたのかな?う〜ん、目を開けても閉じても変わらない。真っ暗闇。何も見えないねぇ。聴覚も奪われたなぁ。何も聞こえない。あと何を奪われたかな?」

サヨリは、今自分自身に起こっている事を冷静に分析を開始した。

「上下左右がわからないという無重力感。これは、寝かされているわけじゃないな?

感じから言って、どこかに転送されたって感じだなぁ。なかなかすごい技術を持っているんだなぁ。

欲しいなぁ。え〜っと心音は聞こえるから耳の聴覚を奪われたわけじゃなくて、

無音の所に入れられたってことか。光源が無いから視覚、何にも見えないね。

匂いはっと、無臭だね。味覚は、わからないか。身体のどこを触ってもわからないから、

触覚もかぁ。まいったなぁ、触った感覚がないと、プロテクターから物が取り出せないなぁ。

これは、五感全ての感覚を奪われたと思っていいかなぁ?どれどれ、唇を噛んでも?噛んだ感覚がないから痛覚もかぁ、

呼吸は出来ているけど、気体じゃない重さを感じるから、なにかの液体に浸されているって感じだなぁ。

って事は、空腹感も感じないようにされているんだろうなぁ。さて、どうしようかなぁ。

これって、昔入れられた、『鳥かご』の上位互換の物だよねぇ。こんな非人道的な事をして

許されるんですかねぇ。普通の人ならすぐにでも洗脳や人格障害起こしちゃいますよぉ。」

サヨリは、考えをまとめるように独り言を呟くが、音としては感じていない。

「とりあえずこういう空間では、いかに暇つぶしが出来るかが勝負なのよネ。

まずは、歌でも歌いましょうか!」

サヨリは、覚えている歌を耳では聞こえない空間に向けて、振り付きで熱唱をはじめた。


それを静かに監視しているものがあった。


サヨリは、30曲歌いきり

「今日はどうもアリガトウ!!サヨリちゃんのワンマンライブ、楽しんでくれてるかなぁ!!

続けて照和歌謡大全集をするよぉ!気に入ってくれたら、応援よろしくねぇ~!!」

そう言って、骨伝導による演奏を聞きながら歌を歌いだした。

すると、今まで感じなかった皮膚感覚を感じはじめた。

(きたな。)

照和歌謡大全集を80曲歌い上げ、深々とお辞儀をする。

「この空間、すごいなぁこれだけ歌っても、息切れしなし疲れない。それじゃ、お次は!

古今東西洋楽特集だぁ!そこのあなた!リズムに合わせて手拍子で応援をお願いします!!

ワン!ツゥ!スリー!!」

歌い出すと、相変わらず歌を耳からは聞こえないが、どこからともなくリズムに合わせた、

一人分の手拍子が聞こえてきた。

何も見えず何も聞こえない空間において、サヨリの歌声に合わせた手拍子が聞こえること自体おかしい。

その現象にサヨリは、ほくそ笑んだ。

(水分補給や食事がいらない空間で、体調管理するには何らかの方法で、その個体のバイタルチェックをモニターする必要があるから

これだけ歌って踊ると興味惹くと思ったんだ。ついに、接触してきたよ。ここは慎重に釣り上げないとね。)

サヨリはノンストップメドレーで、4時間半ぶっ続けで踊り歌い上げた。

手拍子もやむ

「ちょっと、休憩するね。」

と言ってサヨリは目をつぶる。すると右目に各種データーが表示された。

(えっと、これがバイタルチェック用の信号。ソナー画像は、っと。直径約3メートルの球形の容器みたいなものに入れられているのか。)

サヨリの右眼で見ているのは、コンタクトレンズ型モニターに映し出された、サヨリを閉じ込めている物の形状と、観測データ一式だった。

どうやってこれらのデーターを集めたか?

実は、裸体に見えるサヨリの身体だが、各種測定器やギミックが内蔵された胸部プロテクターを着込んでいたのであった。

これは、見て触っても人の皮膚との違いがわからない上に、各種測定器(CTスキャンやMRI等)で調べても、普通に骨格が映る様にギミックが仕込まれてるという、かめちゃんとサナトリア統一連邦共和国の最高技術をムダに結集させた逸品。

データー表示は、右眼に入れたコンタクトレンズ型モニターに映し出され、視線入力にて項目変更ができる。

(あたしが、手ぶらで来るわけないもんねぇ。繋がるかなぁ?……オォ繋がった。電波はクリア)

サヨリは、愛機の2in1端末機とのリンクを取ると現状を伝えようと、メールソフトを立ち上げようとしてあることに気付く

(ゲッ体感的時間がここと外が違う。ここがだいたい3〜5倍加速されているな。これじゃ直接入力は無理っぽいなぁ。一括入力ならいけそうだけど?どうしようかなぁ?後で考えようぉっと。じゃ、今することは?そうだね!手拍子してくれていた、あたしのファンに会いに行くことよね!そうと決まれば、)

サヨリは目を開き、微笑んで

「みんなぁ〜待たせてゴメン!!次は、ダンスをするねぇ!!」

と言うとポージングして、キレキレのダンスを始めた。

(伊達にコロニー無重力ダンス権準優勝者じゃないって!)

上下左右が決めれない無重力でのダンスをする、普通に聞くとぐるぐる回るだけで、出来る訳が無いと一笑されるのがおちなのだが

機動重機モビルスーツを無重力空間にて、効率良く稼働させるには、モーション制御による慣性運動の打ち消しや、運動ベクトルの変更を行なう必要性が生まれる。

これは、宇宙服を着て船外活動するためにも必要な技術でもあった。

無重力のスペースポートにて、子供達が乗り換え時の暇つぶしに行った遊びが起源で、それがダンスと結び付き、高度なテクニックが競い合う競技にまで高められ、スペースコロニーの各地にて、各種大会が開かれるまでになっていた。

その中で、最高権威のある全コロニーダンス選手権で、サヨリは準優勝者だった。ちなみに優勝者はアケミ。

そこで披露したダンスステップを1時間に渡り踊り続けた。

そして、サヨリが待ちに待っていた時が来た。それは

『問。お前は、なぜ、そんなに楽しそうなのだ?』

と、突然感情の無い平坦な女性の声で、話しかけてきた。ダンスを止めて、サヨリは驚きもせず

「楽しいからだけど?」

と即答

平坦な女性の声が

『疑。人は、何も無い、何も出来ない場所では生きていけない。今までの、者達は、全て、絶望していた。お前も、そのハズだ。ナノに、ナゼ、楽しいと思える?』

「ひとりじゃないもん!あなたがいるしね!」

『我?』

「そう!あなた!」

と言って見えない相手に、笑顔を見せるサヨリ。

『否、お前は、我を、認識、出来ない。』

「今してるけど?」

『解、否、今は、我が、お前に接触を試みた、よって認識したと、認定。だが接触前、お前に、

我の認識能力皆無。ナノに、お前、我が居るものとして、振舞う。脳波穏やか。通常アリエナイ。』

やっぱり気になって、声をかけてきたね。よしよし

「そおぅ?別にあなたとは思って無かったけど、誰が見ているって思ってたしねぇ。」

『疑、五感全て、無い。それは恐怖。そのような、思い、することできない、ハズ。』

「そうかなぁ?目が見えない?何も聞こえない?触感が無い?まぁ、そんなことよく日常的にあるよネェって思ったし、なにか問題でも?」

と言って小首を傾げるサヨリ

『否!そのような、状況、普通、起こり得ない!』

女性の声は、ムキになっているような感じだなぁ

「そうかなぁ?ほら、よく、宇宙遊泳中でロープが切れて、その時のショックで通信機器が壊れて、宇宙空間に一人残されたりするじゃない。」

サヨリは、3回程経験していた。

『驚、それ、事故。生死関わる。ナゼ、落ち着ける?』

「そりゃ、スーツ無しで船外活動するとなりゃ、あたしでも焦るけど、生命活動限界まで、8時間もあるんだよ。余裕でしょう。」

『否、8時間後、死。生きる努力、セネバ。』

「あたし今、生きてるんだから、問題ある?」

『……了、問題無い。』

「でしょう!」

勝った

『問、ナゼ、監視アル、思った?』

「そんなこと?簡単だよ。閉じ込めているモノの状態を監視しないと、生きるのか?死んでいるのか?

精神的死亡したのか?生体的死亡したのか?わからないでしょう?適当な時間で放出する訳じゃないよねぇ~。

ある程度の確認して、ここから出すはずだし、それを見極めるには、監視しないとわかんないよね?その為にあたしのバイタルチェックしているでしょ?」

『肯定。』

「そういうこと。だったら現状を楽しまないと!!」

『?…了』

なんか、悩んでる。ここが勝負どころだね

「あなたから話かけられたから、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかなぁ〜。」

『我で、話せる範囲ならば。』

「と言う事は、規制が有るって事ね。」

『肯定。我が主以外、全て話せない。』

「そうだよねぇ。じゃ、皇位継承権を持っているのは何人?」

『3人』

「えっ!2人じゃないの?」

『否、3人。』

「あれ?あと一人はもしかして?聞くけど、継承権第一は、タケル・ヤマト第一皇太子だよねぇ?」

『否。タケル・ヤマト第一皇太子は、継承権第二位。』

「え〜っ。まさか第三皇太子が継承権第一位なの!」

『否。第三皇太子は、継承権第三位』

「アリャ?じゃ、継承権第一位って誰?」

『解、我が授けたリングを持つ者。今の通名は『覇者の勾玉』』

「なにそれ!」

『我と、契約するため、864年276日前に渡した。歴代継承者に受け継ぐ物』

「それって、誰が持っているの?」

『不明。』

「ちょっと待って。不明ってなに?」

『我、リングの、持ち主変更、認識出来るが、いまだ、継承者、我、元に現れず。よって、我、継承者と未契約。ソノタメ持ち主、現認出来ず。』

「あなたは、前皇帝から『覇者の勾玉』が、別人に受け継がれたのは知っているけど、

受け継いだ人物があなたと主従関係の契約をしていないため、現在『覇者の勾玉』を持っている人がわからないという事ね。」

『肯定』

「そうなんだ。もし、あたしが『覇者の勾玉』を持っていたら、ここで主従関係の契約をする事はできる?」

『否。』

「そうなんだ。どうしたらいいの?」

『お前が、持っていると仮定、我の居る、トコロまでコイ。そこで我と対自して契約するといい。』

「あなたの居るとところは?」

『試練の間、と呼ばれている場所。』

「試練の間?そんな場所有ったかなぁ?もしかして、玉座の間の奥にあった、あの隠し通路の先かな?じゃ、出たら入ってみようっと。あなたの権限で、あたしをここから出せる?」

『否。我、監視ノミ』

「やっぱりねぇ。と言う事は、誰かに出してもらわないといけないわけだ。了解。それじゃ、

だいたい想像ついてるけどね、あなたの名前と生い立ちを聞かせてよ。」

『何故?』

「せっかく知り合ったから、お互いもっと知りたいと思わない?」

『我、思わず。』

「まぁ、あなたの都合はこの際どうでもいいので、教えて。」

『……』

「……」

サヨリは、ニコニコしながら、話が始まるのを待っている。その様子を感じて

『お前、愉しんでいる』

「うん!」

『………』

「………………………」

『……了。我、現、女神と呼ばれている』

なんかあきらめたっぽい感じがしてけど、声が平坦なのねぇ

「すごい!!じゃあなたの事、女神さんって呼んでいい?」

『構わぬ。』

「女神さんって、いつ生まれたの?」

『お主等の時間感覚で、約70垓年程前に、第5937号僻地通信基地として誕生シタ。』

「結構昔だね。5937号僻地通信基地って、そんなに友だちいたの?」

『友だち?イヤ同型端末ジャ。』

「他の子たちは?」

『約2054京年程前、消滅シタ。』

「全員?」

『マザーヲ含め、全てが消滅シタ。』

「なぜ?」

こんな超古代文明を構築できる種族が、消滅?すごく気になるなぁ

『………………』

「教えてくれないの?それも、あなたの主人にならないと、教えてくれない物なの?」

『否』

「だったら、教えて」

女神さんは、静かに語りだしてくれた。

『我の、創造主が住まう銀河の両隣で、新たな銀河創造が始まった。その時のエネルギー余波により、創造主が住まう銀河が約4億年かけ、圧縮された。』

「えっ?銀河系が圧縮?」

『如何にも。数百にも及ぶ島銀河がまとめて、圧縮されていった」

「ウッソ!!どんなエネルギー余波なの!!」

『我は、その時、創造主の住まう中心から最遠外周部にアリ、クダンのエネルギー放出部から、最短距離に位置していたため、

観測データを、本国に送る任務にツイタ。ソノデータを元に、創造主たちは数々の対策が

企画され実施されていった。

だが…』

「効果がなかったのね」

『肯定。銀河の圧縮、実際は空間圧縮であり、星間物質が少なかった、我周辺であれば問題は、さほど無かったのだが、中心部の本国では、深刻な事態になり、脱出が試みられたが、この時点で、既に空間圧縮により、航路は崩壊しており、海図が役立たず。遭難事故が多発し、

救援隊も2次遭難になる事態。一部の船は脱出に成功シタが、行先は、無く、無限放浪へ。』

「そうかぁ、逃げる先が、まだ、星がなかった原始銀河だから」

『如何にも。さらに圧縮は止まらず、遂に島銀河同士が融合し始める。』

「えっ!そんなことになったら」

『お前の、想像通り、全ての崩壊が始まった。』

「あなたは、どうして生き残れたの?」

『我に、留まっていた創造主達が、入手できる全てのエネルギーと物質を使い、500万年に及び、一点集中攻撃をして、この惑星が飲み込まれることを防いだ為。』

サヨリは、この星の周りが壁から窪んだ位置に存在していることを思い出した。

「だから、この星は、壁に穴を空けたように、すり鉢の底に収まるような位置になっているんだ。ということは?」

『如何にも、宇宙のハテと呼ばれている場所は、元は我が所属シテイタ銀河系であり、それが圧縮された物質の塊だ。』

「数百の島銀河系を圧縮して、造られているから、そりゃデカいし厚い訳だ。」

『肯定。過去の観測データから、6,375那由多光年四方以上。厚みは、計測せず』

「これまた、途方もない数字が出てきたよ。」

『圧縮は、止まり、我が、呑み込まれる恐れはなくなったが、創造主達の子孫は、すでに種の限界を迎えていた。』

「と云うことは?」

『高年齢化、人口減少に歯止めが効かず、苦渋の末、二手に分かれる決断が下された。』

「二手?」

『移民船を造り、生殖能力のあるモノを、原生の銀河系へと送り出し、居住可能惑星にて、

新たに種の再生をハカル者たち。それ以外のモノは、ここに留まりクローン技術による、種の延命、及び人工冬眠による、種の保存試みた。』

「どうなったの?」

『送り出した船からは、2000京年以上連絡なし。

クローン化は、26代目にして、遺伝子劣化の為、奇形、知的損傷が発生し、オリジナルとかけ離れて行き崩壊。

人工冬眠による保存計画は、8万年経った時、保存容器の経時劣化のタメ、機能そう失。』

「うわぁ。八方塞がりじゃないの。あれ?女神さんの部品の劣化は、どう対応するの?」

『分子合成による、部品製作によって、劣化部品の交換しておる』

「それを人工冬眠施設に、施さなかったの?」

『外部パーツの交換は可能、内部パーツの径時劣化及び腐食等は、生体接触している為、

交換不可能。』

「そっか、身体と繋がっている部品の交換は、人工冬眠を解除するしかないし、これが腐食したら、身体も腐食するか」

『その通り。そして、この惑星より知的生命体が絶滅。』

「そうなるよね。」

『惑星表面は、植物による侵蝕により、監視センターと、観測システム以外崩壊』

「その2つが、崩壊しなかったのはなぜ?」

『創造主達が、帰還する時の為、我が、メンテナンスを行っていた。』

「そうなの。あなたは、地表付近にいなかったの?」

『我は、この惑星の中核に設置されているため、植物や動物による侵蝕は、うけない。』

「しかし、そんな昔からだと、ここの太陽は、もうすぐ寿命じゃないの?」。

『あの恒星は、4億年前に、設置シタ、まだ、寿命ではない』

「4億年前に設置?ちょっと待って!あの太陽は、人工太陽なの?」

『如何にも。世代交替シテキタ。』

「どうやって、材料を集めるの?」

『簡単。周りに、ある。』

「そっか、銀河のなれの果てだもんね。いくらでも材料になるか。しかし、それをサクッと造っちゃう技術力。あたし達からしたら、チートスキル以外ナニモノでもないねぇ。」

『1580年前、無人探査船が、漂着。1400年前 有人探査船がこの惑星に到着。』

「だいぶん、時間が飛ぶねぇ。それって、女神さんの創造主の子孫?」

『否。遺伝子形状から、別の生物からの進化した、知的生命体。』

「そっか。」

『この惑星が、原始の惑星と思われており、移民船が次々到着。惑星表面を開拓。彼らと我が邂逅した時、

我が、女神と名付けられた。』

「なんで、そうなるのかなぁ?女神さん、その時なんかした?」

『監視センターに、強引に侵入を謀ったものに、自衛攻撃をした過ぎない。

その後、何度も侵入を試みる彼らに対し、我は撃退を繰り返した。ソノカン、我が彼らの言語を学習、習得。

言葉による対話が可能になるまで、168年。それ以降、我との紛争は無い。』

「その時何を言ったのかで、女神ってなったんだろうけど、宗教の始まりだなぁ。なんかご神託でも下したの?」

『ゴシンタク?意味が解らぬが、相談された時、解決策を答えることが有ったが、我が最適と思われる、提示する内容が理解されず、かなりレベルを落とすことにより、成立した。』

サヨリの目の前に映像が投影され、当時の様子が映し出された。

「これって、進み過ぎた科学は、一種の魔法に見えるってことだね。当時の人からして、何万年も進んだ技術を提示されても、実現できないし、それこそ神の力って、見えたでしょうね。女神さんから見て、今の技術レベルはそうなの?」

『創造主達の、中学生レベル』

「うわぁ~。女神さんは、技術の提示を行わなかったの?」

『した。』

「じゃ、どうしてこんな低レベルなの?」

『我が保存している、技術情報を提示できるのは、我と契約した者のみ。過去に我の提示した技術情報を理解した者、皆無。』

「女神さんとの契約者っていうと、たぶん、神官、巫女、王、ってとこかな?そりゃ高度な技術情報を示しても、理解してはくれないねぇ。」

『ナゼ?』

「だって技術者ではないから。」

『否』

「何が違うの?」

『我が伝えた物を、ナゼ、わかる者に伝えない?わかる者に伝えればいいだけ。ナゼシナイ?』

女神は、理解できないといった感情を滲み出しながら、正論を伝えてきた。

「そんなこと、あたしは知らないけど、神官や巫女では、難しい御神託が降りてきたと思って、自己解釈して伝えたのかな?王の場合、プライドかな?」

『我に、技術的な質問をする者は、皆無になり、以降低級システムの管理を任されるようになった。』

「低級システム?そういや、皇帝は全てのシステムを支配してるとかなんとか言ってたなぁ。

それが、女神さんがしている、管理監視の事かぁ。それ以外の使い道を見いだせなかったんだろうねぇ。完全に宝の持ち腐れじゃない。もったいないことしてんなぁ。

う~んと、女神さん。ちょっとあなたからの情報を整理したいので、あたし寝るわ。

おやすみなさい。」

『否、この場所において、睡眠は出来ないように、薬品で管理されておる。よって寝ることは出来ない。』

「…………………………………………………………………………………」

『この脳波は?まさか?薬品濃度チェック、適量確認。ナゼのこの空間で寝ることが出来る?』

「・・・・・…………………………………・・・・・………………………」

面白い個体だ。もし、我の所に来れるのなら、最大の権限をやろう。』




今回は、一人称にしてみましたが、どうだったでしょう(^^;


ま、サヨリが書きやすいなぁ

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