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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第3章
121/144

帝国内戦16

遅くなりましたm(__)m


書き溜めたデーターをクラウド上に保存してたら、大変なことになり

サルベージに時間がかかってしまいました。


 3基の守護衛星が融合爆発する中、第一連合艦隊と第七辺境艦隊が、要救助者を出来る限り探し、

命からがら脱出に成功した民間人を乗せた輸送船群を、コルトレーン星系方面に護衛を付け送り出した後

帝都のある主星まで大きな障害が無くなった宙域で、第一連合艦隊及び第七辺境艦隊の合同艦隊は、第三連合艦隊と対峙していた。

数の上では、第一皇太子側の第一連合艦隊と第七辺境艦隊の合同艦隊が上だが、先の戦いで第七辺境艦隊の

半数近くが傷つき、その中の2割以上が中破判定を受け、輸送船団と共に戦線を離脱しており

補給も受けていないことから後方に下がっており、ここでの主戦力は、第一連合艦隊だった。

その第一連合艦隊は、演習では一度も第三連合艦隊に勝ったことが無い。

お互いの索敵レーダーにはしっかりと捉えられていて、火器の有効範囲に刻々近付いていく。

 まず先に動いたのは、第七辺境艦隊の残存航空隊だった。その数、230機の無人要塞攻撃機ツルギ。

その護衛機として50機の有人戦闘機ブラックバードが、編隊を組んで先行した。

その後方に、第一連合艦隊より発艦した大型戦闘爆撃機ゲンコーが1500機が追従していく。

迎え撃つ第三連合艦隊は、戦闘攻撃機スペランツァを2000機を発艦させた。


「第一連合艦隊は、やっとお出ましか。いったい、今までどこに隠れていたものか?」

第三連合艦隊の指揮をするアシヤが、旗艦の戦艦ボトルザーク司令所にて、メインスクリーンに表示されている戦局を見ながら、布陣の指示をしていく。

「しかし、マサツグ司令官が、我々を裏切るとは。」

アシヤ司令官の副官でもある中将が、各方面からの情報をまとめあげ、アシヤの指示した布陣に補正をしていく。

「確かに。あやつがあれほど嫌っておった第一皇太子に、加担するとは。」

「直前の情報でも、出来るものなら、今すぐにでも消し去りたい。と言って憚らなかったようです。」

「ふむ。何か第一皇太子に弱みにつけこまれたか?」

「そのような弱みなど、マサツグ司令官にありましたでしょうか?」

「思い当たらんなぁ。」

「そもそも、第七辺境艦隊全てに描かれている、あの紋様はなんでしょう?」

ゲッペル情報中将が、気になっているのは、第一連合艦隊には無くて、第七辺境艦隊全てには帝国軍の証である帝国旗を模した紋様が消され、見たことのない紋様が描かれていたのである。

「ここからだと、紋様の方は最大望遠で見てもはっきりしませんが、その横にSSSと書かれているのはわかります。」

「まぁよい。先の守護衛星攻略で、第七辺境艦隊はかなり戦力ダウンしている事だろう。第一連合艦隊を片付けるついでで十分だろう。」

アシヤ司令官は、余裕を見せ艦隊の指揮を取っていた。

「間もなく、敵攻撃隊と我が軍の迎撃隊が接触いたします。」

通信観測兵が報告すると、アシヤがマイクを持ち

「諸君!間もなく始まる戦いで、いつものように勝とうではないか!なぁに、いつもの演習と同じだ。

遠慮はいらん。全て蹴散らしてしまえ!攻撃開始!」

その言葉を合図に、高速戦闘攻撃機スペランツァが先行している無人要塞攻撃機ツルギに襲いかかる。

有人戦闘機ブラックバードがそれを阻止せんとし、迎撃体勢に。帝国宙域決戦の火蓋が切られた。

有人戦闘機ブラックバードは善戦するものの、数の差はいかんし難く次々に火だるまになって四散していく無人要塞攻撃機ツルギ

ただ、黙って四散するわけではなく、無人要塞攻撃機ツルギは既に宙雷の有効射程距離に入っており、

各機被弾してもコースを変えることなく、個別に決められた目標に対して宙雷を射出していく。

無人要塞攻撃機ツルギの攻撃手段は大型高速ミサイルと認識していた第三連合艦隊は、対空射撃が対応する暇を与えないで、次々に先行している防空巡洋艦にパケット艦隊が沈められて行くのを見て、

無人要塞攻撃機ツルギが放つ物は、ミサイルではない新型兵器と、この時点で認識。

さらに苛烈な攻撃を無人要塞攻撃機ツルギに対して行い、ツルギ隊は全滅。しかし、護衛していたブラックバード隊は、全ツルギ隊が宙雷を放った瞬間、護衛を放棄、全機無傷で帰還。

「なんなんだ!あの兵器は?我々の情報に無いものだぞ。ゲッペル!どう言う事だ!」

アシヤは、作戦に支障を生じる兵器の出現に、情報参謀であるゲッペル情報中将に厳しい言葉を飛ばした。

「申し訳ございません。あのような兵器に関する情報が欠落しておりました。」

「アレの製造は、どこが考えられる?」

「あのような兵器の開発情報は、帝国内のどこのメーカーも行っていないでしょう。考えられるのは、サナトリア統一連邦共和国。そこからの提供だと推測されます。」

アシヤはしばし瞑目し、

「ということは、第一皇太子は、サナトリア統一連邦共和国に協力を求めたって事だな。どうやって?」

「推測ですが、あのサヨリという女性が関係しているのではありませんか?」

「あの女は、サナトリア統一連邦共和国では、ただの貧乏貴族に過ぎなかったのではないか?」

「その情報が欺瞞されていたとしたら、第一皇太子の婚約者と成れた理由が通じます。」

「確かに。急なサナトリア統一連邦共和国との友好条約締結に通商条約締結。前皇帝陛下が頑なにサナトリア統一連邦共和国の情報を秘匿していた理由も、第一皇太子を皇帝にするためのお膳立てで、あのサヨリという女は、サナトリア統一連邦共和国の重鎮の娘なのか。」

「そう考えると話は、納得出来るものになります。」

「となると、2次攻撃で迫ってくるあの機体にも、あの兵器が搭載されていると考えて、いいわけだな。

近づけるな!相手は、鈍重な機体だ。全て叩き落とせ!」

アシヤの号令がかかると、第三連合艦隊の一部の艦が先陣を切って高速移動していく。

第三連合艦隊ご自慢の防空巡洋艦と装甲空母で編成する、防空迎撃艦隊だった。5隻の装甲空母からは迎撃戦闘機ギャランバが発艦していく。その数、1000機

超高速強武装の迎撃戦闘機ギャランバは、その速度に物を言わせ、先行している戦闘攻撃機スペランツァを追い抜き大型戦闘爆撃機ゲンコーと対峙する


「相手の迎撃戦闘機がお出ましだぞ。野郎ども!気合入れていけよ!」

大型戦闘爆撃機ゲンコー隊の隊長ケイジ マエダが不敵な笑顔を浮かべて、楽しそうに号令をかけた。

「ケイジ隊長。案内は此処まででいい。我々を切り離して身軽になってくれ。」

ケイジのレシーバーに響く強襲部隊隊長からの言葉。それを聞き不機嫌になりながら

「何言っんだ?ちゃんと、作戦宙域迄連れて行ってやるから、焦りなさんな。」

「これは訓練じゃない!相手は、迎撃戦闘機ギャランバだぞ!それに、防空巡洋艦アスランタ級も出張って来ているじゃないか!」

「それが、どうした?」

「我々を切り離せば、キサマ達はまだ逃げ切れるだろ。だから…」

「うっせーな!お客様は、大人しく到着を待てばいいんだよ!」

「しかし、…」

「フン!たとえ、訓練成績が0勝25敗だとしても、ここで決めなきゃ男が廃る!なぁに、今度は手がないわけじゃない。一泡吹かしてやるさ。」

「ケイジ隊長。間もなくです。」

「よっしゃいくぞー!3、2、1、撃て!!」

大型戦闘爆撃機ゲンコーは、4人機乗の爆撃機の艦載機である。通常は大型誘導爆弾4発搭載し、敵艦や衛星設備破壊を担う機体だった。

今作戦では、それらは全て外しその代わり積まれたのが、1基当たり500発の対空ミサイルポッドが6基を搭載していた。

それが1500機分火を噴いた!弾幕というより壁と言っても過言ではない対空ミサイルによる飽和攻撃だった。

迎撃戦闘機ギャランバは、そこへ飛び込まされた!

一瞬にして迎撃戦闘機ギャランバ隊は、3分の2を消失した。それでも、全滅出来なかったことに、

ケイジ隊長を唸らせた。

「アレを回避する奴がいるのか?彼奴等、本当に人間か?全機!弾幕張れ!」

ケイジ マエダ隊長の指示で、機載の防空砲が火を吹く。密集陣形で迎撃戦闘機ギャランバからの攻撃を回避する為に。

「ケイジ隊長!もういい!ここで我々を切り離せ!」

「じゃかましぃ!!あと2分黙ってろ!!左!弾幕薄いぞ!!もうちょい踏ん張りな!!」

防空巡洋艦アスランタ級からの対空砲火が交叉する。

永遠かと思える2分間が過ぎ戦闘爆撃機ゲンコー隊は、数百機の脱落機を出しながら予定宙域に到着した。

「着いたぜ。後は任せた。行ってきな!牽引ワイヤーを切り離せ!全機退避!!帰投する!」

戦闘爆撃機ゲンコー300機が弾薬を降ろし牽引して来た、強襲部隊のワイヤーが切り離され敵艦隊への突入コースをとった。

戦闘爆撃機ゲンコーは、強襲部隊から残存迎撃戦闘機ギャランバを引き離すように、ワザと緩慢な回避行動をして、残存迎撃戦闘機ギャランバを引き連れてその宙域から離れていく。

「最後まで、すまん。ケイジ隊長に顔向け出来るように、我々もひと暴れするぞ!」


 しばらく切り離された時の慣性にて進んでいた強襲部隊は、単装宙雷をに持てるように改造し、

次弾装填システムをマガジンラック型に変えた、60センチ携帯砲の安全装置を解除した。

「間もなく、有効範囲です。」

「敵は、我々に気づいているか?」

「ケイジ隊長のおかげで、その気配はありません。」

「それじゃ、第三連合艦隊ご自慢の防空巡洋艦を、叩くとしょう。行くぞ!」


第三連合艦隊 旗艦アスカ 指令所


「何が起こった!状況を確認しろ!」

アシヤは焦っていた。訓練通りの動きをしていた戦闘爆撃機ゲンコーに近付いて、確実に葬り去るコースに乗った迎撃戦闘機部隊が、一瞬にして撃墜されてしまったからである

「大量の対空ミサイルによる飽和攻撃を受けたもよう!残存機数約400!」

「それでは、足らない。対空砲火を密集させろ!」

アシヤは焦っていたが、接触交戦3分すると戦闘爆撃機ゲンコー隊が回避行動するようになり、帰投コースに入っていった。

そこで、追撃戦はせずに残存機を帰投させることに。

「この采配は、ワシのミスだな。追い返す事が出来たから良いものの、まさか、半数以上の機体をガンシップ化させて来るとは。」

「それ程、あの兵器の威力は絶大なのでしょう。それを使わせなかっただけでも、よし、としましょう。」

「確かに使われていたら、前衛部隊が壊滅していただろう。」

「防空巡洋艦部隊が無傷で健在していますから、新手の航空隊は問題ないかと。」

「確かにな。奴らが落とせなかった我が方の防空巡洋艦を中心とする、防空隊を突破してどこまで本隊まで来れるかな。」

 刻々近付いてくる、艦載機での攻防戦。初戦は、ツルギ隊による宙雷攻撃にて前衛艦隊に被害を受けた第三連合艦隊だが、2次攻撃に備え防空艦隊の部隊を前面に配置。こちらも、艦載機による艦隊攻撃機を編成して間もなく接触交戦予定。

第一連合艦隊の防空部隊が、駆逐艦隊による編成となっている為、第三連合艦隊よりはかなり貧弱だった。

第一連合艦隊は、セオリー通りの艦隊運航によって、防空隊を前面に配置していく。

 ただ、第一連合艦隊の対空戦は、第三連合艦隊の艦載機乗りの間では、何度訓練を繰り返しても、緩慢な回避行動と薄い弾幕のため、弾に当たる気がしない、とまで言われる始末。

そのせいで、実戦というのに緊張感もなくリラックスした気持ちで対応していた。

しかし、いつもとは違う違和感を感じていた。それは、前面に戦艦らしき大型艦が、進み出てきたからである。

攻撃隊は、先程のガンシップ化したゲンコー隊を思い出し、、ミサイルによる飽和攻撃を警戒しての行軍だった

先に、火を吹いたのは、第一連合艦隊に臨時所属の20隻の防空戦艦郡だった。

超長砲身15センチ連装レーザー速射砲が、攻撃隊の対艦ミサイルの射程距離外より外周を主に、

苛烈な砲撃を開始した。

だが、まだまだ余裕で回避出来る弾幕のため、編隊を乱すことなく、接近していく。

しかし、射線を避けるための回避行動を取るうちに、一点に集められていることには気づかなかった。


「戦艦に長距離対空砲を積んで撃てば、我々攻撃隊が、逃げるとでも思ったのでしょか?」

「しかし、注意しろ。我々の識別艦影リストに無い戦艦クラスだ。どのような対空設備が有るかわからない。過去のデーターを当てにするな!」


「敵機、網に入ります。」

防空戦艦シリウスの司令所では、静かに敵機が罠にハマった報告がなされていた。

「絶対防衛圏に入ります。」

それを聞き、艦長のハルゼーが

「対空戦、始め。」

と、一言。

「対空戦、始め。」

副官がそれを復唱すると、20隻の防空戦艦は、全対空砲を一斉に放った。

途端に宇宙空間に、明るく光る紅蓮の炎の花が咲き誇る。

光る物が無くなると、砲撃も止んだ。敵機の姿は無かった。


事前に嫌な予感がして、急遽自分の部隊を回避行動させた中隊長のハヤトコンドが

為す術なく消失した同僚達の戦闘攻撃機スペランツァ部隊を見て

「なんなんだ!あの戦艦は!」

驚きを隠せなかった。

「ハヤト中隊長!こうなったら、我々だけでも、一矢……」

「バカか!帰投だ!今の映像を持ち帰り、本隊と情報共有しないと、我々は無駄死にするだけだ!全力で敵機及び敵艦隊の有効範囲から振り切って逃げろ!一機でいい!この情報を絶対持ち帰れ!」

9機の高速戦闘攻撃機スペランツァは、爆装を全て破棄して、翼を飜えし最大戦速にて帰投していく。

対空砲火が追いすがるように彼等を攻めるが、逃走を許してしまった。


それを見て防空戦艦シリウスのハルゼーが

「逃したか?ワシも腕が落ちたなぁ」

「いえ、彼らは囲みする前に回避行動を起こしていました。指揮をする者の感が良かったのでしょう。」

「まっ、アケミ元帥に頼まれた仕事はしたかな?」

「敵機の2次攻撃も来ませんから」

「では、後方に下がるとしようか。」

サナトリア統一連邦共和国軍所属第八防空隊旗艦戦艦シリウスが、他の防空戦艦と共に帝国第一連合艦隊の後方へと下がっていった。

「サナトリア統一連邦共和国軍の防空戦艦が下がります。」

「まったく、サナトリア統一連邦共和国って恐ろしい国だな。」

「確かに。我々とは違う戦術構成で、持っている兵器の質と量が、比べようがない。」

「あの対空砲火を潜り抜ける事は、出来ないでしょう。」

「我々にはな。」

「まさか?彼の国の航空隊は、出来るというのですか!」

「全ての者ではないらしいが、エース級と言われる者は、潜り抜けて攻撃を敢行するらしいな。」

「化物ですか!サナトリア統一連邦共和国の航空隊は!」

「その化物を纏め上げているのが、あのアケミ元帥だ。当人も優れたパイロットらしい。」

「間もなく、強襲部隊が、作戦宙域に入ります。」

「そうか。我が軍には無かった発想の兵器だ。アシヤよ、大いに驚いてくれ。」

データー消失の、原因も判明しましたので、これからは大丈夫と思います(^_^)


あとは、私の遅筆が解消されればですが(^^;

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