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帰るまでが任務です(仮)  作者: ねむり亀
第3章
120/144

帝国内戦15

遅くなりましたm(__)m

しかも少し短いかも? 


次も、急いで誠意努力中です

 第一連合艦隊と第七辺境艦隊の合同艦隊が、帝国星系へに出征するのと入れ違いに、惑星トレーダーに入港していたのは、サナトリア統一連邦共和国軍第一艦隊だった。

トレーダー守護隊に先導され、ほとんどの艦艇は沖桟橋に停泊し、旗艦ミカサのみ第一波止場に入港した。


ここで、数百名の乗員を乗せ、軽く補給を行うと

「さて、我々も出撃するとしょう。」

アケミ元帥の言葉で、サナトリア統一連邦共和国軍第一艦隊が、惑星トレーダーから動き出した。


 サナトリア統一連邦共和国軍第一艦隊は、戦艦ミカサを旗艦とし戦艦10隻、正規空母20隻、

装甲空母30隻、強襲降下部隊と補給艦隊を含め総数573隻からなる、アケミ自ら手塩にかけて育てた精鋭部隊だった。

アケミは、旗艦戦艦ミカサの司令所にて、猛禽類のような目つきをして

「さて、第一連合艦隊と第七辺境艦隊を追い抜くとしようか!全艦隊!目標帝国主星!全速前進!」

と号令をかけた。


 全艦隊は、機関を臨界状態して次々に一糸乱れず亜空間へジャンプしていく。


「見事な物ですな。」

亜空間に突入して戦艦ミカサの司令所で関心したように、タケルヤマト第一皇太子が呟いた。それを聞き

「それ程ではありませんよ。こんな広い宙域で艦隊行動で隊列を崩すような者はいませんから。」

アケミが、何でもない事のように答えると、

「これから行く回廊で、私の艦隊の実力をお見せしますよ。」

と薄く笑いながら言い切ると、通信機に向って

「全艦隊に告ぐ。回廊通過の最短記録を作れ。なぁに、一度通ったルートだ。短縮出来るよな。」

と指示を伝えるとすぐさま

「了解!!」

と返信が飛んでくる。中には

「前が遅けりゃ、抜いてよろしいですか?」

と返信する者までいた。それを聞き

「構わん。お前達が私よりも先に回廊を抜ける事が出来たら、1週間の休暇とボーナスをやろう。

後、補給部隊より遅かった部隊は、私と演習を付き合ってもらう。集合ポイントは、回廊を抜けた先の第一補給ポイントとする。

もちろん、作戦行動中であるから、艦艇に破損等していたらペナルティーが有るものと思え。

勝負は、次のジャンプからとする。以上。」

後に、小型船舶による回廊アタックとしてレースの原型となる、サナトリア統一連邦共和国軍による高速行軍が始まった。

各艦は、エネルギー効率と消費を天秤に掛け補給ポイントの設定を、この最初のジャンプ内に終わらしていた。


商用回廊入口

ジャンプアウトして艦隊の隊列にすぐさま整え、各艦、各部異常事態が無いことを確認すると、

「レディーゴー!」

とアケミの掛け声と共に、各艦が主機を唸らせ次へとジャンプしていく。全ての艦艇がジャンプし終えると、残っているのは、アケミが乗船している戦艦ミカサと補給艦部隊だった。

「彼奴等、よほど休暇とボーナスが欲しいらしいなぁ。」

アケミは笑いながら言うと、タケルヤマト第一皇太子が

「アケミさんは、優しいですね。部下に先行させるなんて。」

と言ったが

「まさか。ハンディですよ。」

と言って

「ハリマ輸送隊長。聞こえるか?」

同じく残っている補給部隊に通信をすると

「アケミ司令官、感度良好です。」

「ほんじゃ、かねてからの実験をするぞ。」

「了解です。」

「私が跳んだら続いて来いよ。」

「わかりました。楽しみですね。」

ハリマ輸送隊長は含み笑いをしながら、返答した。

アケミはそこで通信を切り、艦内放送に切替え

「機関部長、聞こえるか?全リミッター解除だ。」

と機関部に伝えると、

「司令官殿、本当にやるんですね。」

「もちろん!こんな楽しい事、やらない理由が見つからないんだけど?」

楽しそうなアケミとは裏腹に苦渋の決断をしたような

「……わかりました。野郎ども!全リミッター解除しろ!全流体エネルギー弁解放!」

機関長の声。

それを聞き、アケミはマイクをオフにすると、タケルヤマト第一皇太子に向き直り

「これから行うことは、貴殿の軍にはご内密にお願いしますね。」

と笑いかけ、正面に向き直ると

「ポイントSI0682に向け、ノンリミットジャンプせよ!」

と指令した。司令所では、いたるところで復唱され、主機の唸り音が聞こえてきた。

「機関出力 80% 92% 100% 125% 183% 200%!」

機関長が出力を読み上げる、航海長が

「戦艦ミカサ、発進します!」

と言って操作卓を前方へ押し出すと、船体が一際に眩い虹色の光に包まれて、戦艦ミカサが異空間へとジャンプした。その様子を見ていた補給部隊も、

「我々も行くぞ。実働部隊の奴らの度肝を抜いてやれ!」

補給部隊全体に眩い虹色に包まれて、異空間へとジャンプしていく。


戦艦ミカサ 司令所

「よし。ジャンプは成功したな。各個所、状況を報告せよ!」

アケミが、ジャンプ後に艦に異常が無いか、各セクションに確認させた。全て異常無しとの返答。

「これで、先行出来るな。」

通常通りの司令所を見渡して、満足げに前方を見つめるアケミ。

「アケミ元帥。一体何をしたのですか?むやみに機関出力を上げていたようですが?」

タケルヤマト第一皇太子が、たずねると

「この艦の真の姿をお見せしたかっただけですよ。このジャンプで1000万光年跳びますから。」

と嬉しそうに答えた。

「えっ!なんですか!その距離は!」

タケルヤマト第一皇太子は、驚愕した。使い捨ての長距離無人探査機でさえ、500万光年がやっとなのに、その倍の距離をこの戦艦が飛ぶというのか!すぐには、信じることが出来なかった。


 「驚かれるのも無理はないですね。この戦艦ミカサの主機は最新型でして、今まで、艦隊行動する為に、あえて出力を落としていただけでして、現在、フルスペックにて航行中と成っております。」

「他の艦艇もですか?」

「いいえ。同系統の主機はこの部隊では、補給部隊が積んでいるだけです。」

「えっ?補給部隊?」

「そうです。まぁ、実働部隊の連中に気付かれずここまで来ましたから、ここで、おどかすのも一興かと。」

と言って、嬉しそうに答えた。



第一補給ポイント宙域

サナトリア統一連邦共和国軍所属 高速戦艦ミストアイランドが、異空間から転移してきた。

「現在地座標の確認を急げ!」

トドロキ艦長が指示を飛ばす。

「座標確認完了。目標座標に対して、X軸プラス3 Y軸マイナス12 Z軸プラス6。誤差内です。」

「よし!我が艦が一番乗りのようだな。観測員、他に艦艇は!」

「我が艦以外に……えっ!まさか!」

「どうした?」

「我が艦前方に、戦艦ミカサ、及び補給部隊確認。」

「なんだと!我々よりも後に跳んだんじゃないのか!」

「艦長。戦艦ミカサより入電。繋ぎます。」

高速戦艦ミストアイランドのメインスクリーンに、笑顔のアケミが映し出された。

「トドロキ艦長。貴君の船が一番乗りだ。おめでとう。往路よりもタイムが5時間ほど短縮出来たようだな。素晴らしい。補給を受けておけ。」

と話すアケミ元帥に対して、トドロキ艦長は、

「アケミ元帥。今度は何しました?」

と尋問するように返答

「うん?何もしてはおらんが?」

アケミはとぼける様に返答したが

「隠してもわかりますよ。貴女が負ける勝負をしないことは知ってしましたが、()()新型動力炉のテストをしましたね。」

「よくわかったな。」

トドロキ艦長は、眉間を揉みながら

「これで、()()()ですよ。私が元帥の下について、これをやられたのは。」

そうしているうちに、次々と異空間から艦隊が転移してきた。

戦艦ミカサがいることを知ると、全艦が

「やっぱり、いたかぁ~」

と、半分納得した感じのあきらめ感が漂っていた。

「皆すまんな。新型の動力炉のテストがしたくてな。ついつい、大人気の無いことをしてしまった。ゆるせ。」

とアケミが全艦に詫びを入れると、

「もしかして、輸送船団にも、その新型動力炉を装備したのですか?」

「あぁ。そうだ。一緒に連れて行かないと、我々が燃料切れした時に困るからな。」

アケミが悪びれもせず答えると、

「じゃ、この賭けはどうなるのですか?」

「そうだな、補給部隊よりも遅く来た貴様等には、私との演習を付き合ってもらおうか。」

全艦から起こるブーイング

「そちらが、使用した新型動力炉のハンディを下さい。」

「しかたがない。ボーナスはないが1週間の休暇をやろう。その間に、各艦の動力炉の換装を行う。休暇明けに、私との演習を付き合うように。以上だ」

「やっぱり、演習付きですか。」

「でも、新型動力炉の慣熟航海をせねばならないから、仕方がないんじゃないか?」

艦隊のあちらこちらで、諦めと納得の声がしばらく続いたが、

「全艦、補給が済み次第、回廊通過形態になり、凱旋回廊に突入する。そこを抜けると、敵陣の真っ只中だ。

各員、気を引き締めて事に当たる様に。以上!」

とアケミが指示を飛ばすと、全艦隊の雰囲気が変わり、乗員全ての目つきまで変わって行った。

その様子を見ていた、帝国近衛陸戦隊隊長は

「空気が変わりましたな。」

と呟いた。

「当たり前でしょう。これからが本番。私の部下がどれだけ優秀かお見せいたしますよ。」

アケミが、不敵な笑顔で答えた。






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