プロローグ
銀河帝歴873年
銀河民主共和帝国は、敵である非生命体NLEとの15年にもおよぶ戦闘を
終わらせるべく
銀河民主共和帝国軍は、持てる最強の第1連合艦隊から第3連合機動艦隊を
敵本拠地近くに集結させていた。
敵の本拠地にあるコアを破壊しなければ、この戦いを終わらす事に効果がなく、
その為先行させている部隊からの連絡を、総勢5万隻を越える艦隊が、
今や遅そしと待ち構えていた。
攻撃の口火を切ったのは、半年も前から本隊を離れて、
敵の深層部コアを探索、追跡の為、ガス星雲群や小惑星密集地帯を踏破して
強行偵察を敢行した、旗艦 自立支援重巡洋艦「タートルエクスプレス」が率いる
装甲艦20隻が探査艦15隻守るように布陣した50隻からなる、第278遊撃部隊だった
宇宙空間に浮かぶ、青白い光を放つ球体。それを取り巻く大小の敵艦艇は、
宇宙空間を移動をしていた。
それは探し求めていた、非生命体NLEの母体とも言える中心核だった。
「こちら第278遊撃部隊 旗艦タートルエクスプレス!我!敵のコアを確認!
これより、敵座標を送信す!」
本隊に向けて、敵の座標を送信。中心核を取り巻いていた敵艦艇が一斉に向きを変え
一斉に攻撃態勢に入った
「敵総数、3万以上!!」
「指令官!退避を勧告します。このままでは全滅の可能性が高いです!」
「しかしここで、奴らを見失う訳にはいかん!」
「敵軍より高エネルギー反応、攻撃来ます!!」
戦力差100倍以上の敵軍に対して
「全艦!!攻撃開始!! 装甲艦は、探査艦の楯となり守れ!
探査艦及び通信艦は、本隊到着まで敵のコアの座標を送信し続けろ!
我が艦隊は本隊が到着するまでなんとか持ちこたえよ!逃がすなよ!」
漆黒の空間に次々に、狂暴な花火が炸裂する
「重巡洋艦 ムラマサ大破!戦線を離脱します!」
「駆逐艦 姫ダルマ、カチダルマ、爆沈!」
次々に上がってくる、味方の被害状況
戦力差は圧倒的だった
「本隊からの連絡は!!」
「軽巡洋艦ムーンリバー沈黙!!」
「まだありません!」
「あいつら!!寝てるんかぁ!!」
「本隊より入電!来ます!」
空間に無数のワープアウト現象発生
次々にワープアウトしてくる、味方の艦隊5万隻
戦局は、一気にひっくり返し敵を追い詰めていく
「こちら、第1連合艦隊司令レオナルド・マーベル
任務御苦労であった。後は、我らに任せて帰途についてほしい」
「こちら第278遊撃部隊 旗艦タートルエクスプレス 了解しました。
第278遊撃部隊 旗艦タートルエクスプレスより、当部隊の任務は終了した!
当部隊は、速やかに退避ポイントに移動後、本国に帰還する!!」
艦内には、安堵と帰国できる喜びにあふれた
生き残った第278遊撃部隊は、主戦場から撤退を始めた
傷ついた艦から次々とジャンプしていき、最後に旗艦が
「座標設定終了。ジャンプします」
その時、大きな衝撃が艦を揺さぶった
艦橋内は、アラートメッセージと、緊急ランプが真っ赤に暴れまわった
「何があった! 各ブロック状況知らせろ!!」
「報告 艦中央、左舷上部に、敵フリゲート艦級 激突」
乱戦の中、大破した敵艦が体当たりを敢行してきた
「左舷上部 第三装甲まで破損、火災発生 各隔壁閉鎖
兵装室使用不可、第三居住区閉鎖、副射撃室消失
第二主砲破損使用不可、左舷対空砲群、使用不可 格納庫封鎖」
「負傷者の救出と、ダメージコントロールを、急げ!!」
旗艦タートルエクスプレスは、最後の最後で大破の状態で、異空間に突入して行った。
艦AIからの報告で
「艦長、重大なエラーが発覚しました」
「どうした?」
「ジャンプアウトの座標が、先ほどのショックでズレてしまい、ランダムジャンプに
なってしまいどこにジャンプアウトするか不明です。
間もなくジャンプアウトいたしますが、耐ショック体制を整えて下さい」
通常空間にアウトした重巡洋艦タートルエクスプレスは、どこかの星系惑星のそばを
掠めるように出現、そのまま減速できず、この星系の恒星に向かって行く
「艦長!このままでは、あと30分ほどで恒星に激突します!!」
「減速、及び進路変更せよ!」
艦長からの指示が飛ぶが、艦AIより
「艦長、現在ダメージコントロール中ですが、通常空間における艦の制御の回復には
後、40分ほどかかります。このままでは98%の確率で、この星系の恒星に
激突致します。艦AIとしまして、乗員の生命保持の為、即時退艦を進言致します。」
艦長は悔しそうに
「この艦で祝杯を挙げられると思っていたのに。すまん、もし無事に回避ができたのなら
必ず、帰ってこい!いいな! 総員退艦!」
乗員はただちに、避難ボート 脱出ポットに乗り込み艦を離れて行く
最後に艦長をはじめ艦橋スタッフが艦に向かって敬礼をして、退艦して行った。
誰も乗員がいなくなった艦橋で
「さて、私もこんな僻地で、死にたくはないですよね」
艦AIが、らしからぬ言葉を零すと、早急に作業を始めた。
このまま恒星に落ちたら残骸も無く溶けてなくなるが、その横にある惑星なら、
かなりの被害は出るだろうが、なんとかなるかな?と計算し、艦首にある装甲、
居住区 兵装ブロックを、噴出エネルギーのベクトルをそろえるように、
乗員がいたら甚大な被害が出るぐらい爆破
その爆発エネルギーで軌道が、若干恒星からそれて、この星系の第3惑星の地表に
艦は激突し、地中深く潜り込んでしまった
衝撃でメインシステムダウン、サブシステムによる自己修復システムだけが稼働
自立支援型重巡洋艦 タートルエクスプレスは、長い眠りについた