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異きのこる  作者: 紅天狗
32/35

二周期

いやはや、異世界転生から早二年。イリ達のらぶえっちを鑑賞しつつ過ごす日々。最近は良くお付きの子たちも混ざってハッスルしている。子が増えるのも時間の問題かもしれない。

本来、花妖精は子を作るのに最低10年ほど期間が必要。普通は100年くらいらしい。これも得る精気が微量だと言う事が原因だ。また管理する花園の大きさにも限界があるので、殆ど人口は横ばい。一人亡くなった、じゃあ作ろう。と言った感じだそうだ。


芋蜜の製造技術により飢えは無くなったが、精気は解決していない。どうも精気酵母は特殊な菌類に当たる様で、俺の菌魔法でも扱いが難しい。芋蜜から精気を作り出す酵母が出来ないか、日々芋蜜を混ぜているんだが旨く行かない。うーん、よくわからん。


まあ俺の庇護下にあるイリ達は潤沢な精気を得られる事もあり、条件から外れてしまっている。よってポコポコと増えそうな物でもあるが、今の子であるミリが成長するまでは控える様だ。つまり少なくみても50年ほどは変化は無いだろう。


長命種は成熟するにも時間がかかる。でも魔物などの脅威もあって増えない。無理に増やすつもりはないが、しっかりと守ってあげたいと思っている。



精霊クゥは相変わらず俺から魔力と言う食べ物を吸い上げている。広大な範囲の空間を司るだけあり、そのキャパシティは恐ろしいくらいに高い。俺じゃ太刀打ちできない。怒らせないよう注意している。

最近は蜜や酒にも手を付ける様になった。精霊は魔素をベースとした生命体だが物理的なモノを食べられない訳では無い。ちゃんと味も感じるらしい。


食べたモノはゆっくりと魔素へと変わり、吸収されるそうだ。この世界の原子は魔素と同じもので構成されている、と言う事だろうか。その辺りも技術が進めば何れ解明される事だろう。



チャラ男は教団員の女性という女性を食い尽くした。そのステータスも随分と上昇。もはや無双化。先日教皇の娘とやらもヤっちまったそうで、教皇の禿げ頭が茹で上がっていた。キリシトール教国の聖戦士と異世界の性戦士が戦うという内戦(?)が発生。物量に物を言わせて性戯のヒーローと戦うと言う、なんとも下らない事になっている。


で、そこに帝国やら王国が入り乱れ。どエラい事になっている。もうダメかもしれんね。


召喚された女性二人組は、そんな戦場を避けるように教国から離れる方向へと移動中。魔導を使った風呂などを使いつつ優雅に移動している様だ。覗いたりするとこちらを悟られる可能性があるのでやってない。

まあ川辺で水浴びしている所などは鑑賞させて貰ったりしているが、すでに生えているキノコなどには目もくれず。


俺的には紅葉ちゃんが好みだ。活発で明るく、笑った時の笑顔がなんとも言えない。その紅葉を師事するのが猫耳っ子だ。紅葉から魂活方法を学んでいる。どうやらこちらの種族も魂活が可能の様で、うっすらとであるが氣を張る事が出来るようになりつつあるらしい。

エルフっ子に関しては撫子を師事し、魔導を学んでいる。完全な神意文字を理解する事は到底不可能だが、簡易的なモノもあるらしくそちらを勉強中だ。


古代文明人の中に、撫子と同様に神意文字を完全に理解する技能持ちが発生したのかもしれないな。あの文字は理解なんて出来るものじゃない。なんたって時間の経過によって文字が遷ろうんだからな。ムリムリ。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


とある町にて撫子&紅葉、猫耳エルフっ子の俺的アイドルグループ、JPN2x2がお怒りモードだ。ちなみに読み方はTWO BY TWO。その相手は俺。正確には妖精喰らいやエルフ喰らいと呼ばれる喰らいシリーズに対して。


話はこうだ。街で平和に暮らしていた獣人やエルフ、はては妖精たちは、突然現れた≪喰らう蚯蚓(ミミズ)≫に喰われてしまった。お蔭で街は寂れ、大変苦労している。という事らしい。語り部は酒場のマスター。


話ちげぇから!

平和でもなんでもないから!


ああ、絶望と悲痛なエルフっ子と猫耳っ子に同情してお怒りじゃないですかヤダぁ。ちゃっかりと酒場のマスターはちびっこ二名を引き取ろうと話を持ち掛けている所も抜け目が無いな。まあ速攻で断られたが。


そこからの二人の行動は早かった。ギルドなどからも情報を集め、俺が居るであろう≪人喰らいの魔窟≫の場所を特定。乗り込んで来る気満々らしい。

そんな事してる間があったら元の世界に戻る方法を探そう。な?


『私がここに居るんだから戻れる訳無いでしょう。』


ああ、時空間を司る精霊が俺に憑いてるんだったわ。結局ここが最終目的地になる訳か。遅いか早いかの差だったと。この星で異世界と繋ぐような事を出来るのはクゥだけらしい。更に上位、いうなればこの星を含む太陽系を司る時空系の精霊に頼むことが出来れば可能だが、まず無理だそうだ。声すら届かないとか。まあ、下々の事なんて見てられないわな。


ちなみに≪喰らう蚯蚓≫は俺の制御下を離れている。完全に離れている訳では無いが、そう生きる菌類として洞窟内で誠意活動中だ。ずっと俺が制御するのは無理。というかダルい。虫玉や蚯蚓の元となる栄養などを提供してあとはお任せ状態になっている。


マッサージは譲る事は無い。これは俺の唯一の楽しみだからな!


まあそれはいいとして、チート二人に来られると流石に突破される可能性が高いか?

魔導に魔素吸収が効くのかが分からん。効くなら問題ないだろう。あとは魂活女子だが・・・・うん、あっちは問題ないな。柔よく剛を制すだ。空中に捕えてしまえば何も出来まい。


うーん、意外となんとかなるか?


・・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・。


あ、余裕だわ。問題ない。一応イリ達に説得して貰える様、協力依頼をしておく事にしよう。エルフ代表と獣人系の各種族筆頭も召集しておけば無下には扱われまい。


移動スピードを逆算して適当に予定を伝えておけばいいか。まだまだ余裕はあるから方針だけでも伝えておこう。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇



そう言えば、精霊クゥを助けた時に手に入れたガス欠の巨大魔石に関してだが、どうにか取り込めないかと思案していた所、クゥが俺の元から持っている魔石を核として融合できる事を伝えて来た。そんな事して大丈夫なのかと確認したが、いやな笑顔と共に大丈夫と肯定の意思が飛んで来る。


ペロッ・・・これは何かある味!


まあこれを放置していても宝の持ち腐れ。一方的に結ばれた契約とはいえ、俺をハメる様な事はしないだろう。と言うことで融合をお願いしてみた。


その瞬間、俺の意識は暗闇へと落ちる。と言った事も無く、普通に融合した。空間を司る精霊にとってはこの様な事は息をするようなモノらしい。でだ。俺の舌管の根元、傘と柄の結合部付近にあった魔石が一気にデカくなった訳で。数メートルはある魔石はそれ相応の重さがあり。当たり前の様に重みに耐えれず柄がグキリと音を立てて折れた。完全に折れた訳では無くて、変な方向へと折れ曲がっただけなんだが、重すぎて起き上がれない。


ちょっと考えれば予想できるよな。うん。まったく考慮してなかったわ。

イリさん、そんなに怒らないであげてください。俺がバカだっただけなんで。


そんな俺の擁護もあり、あらあらごめんなさいね~と言った軽い感じで収束。と言っても、相手は時空間を操る存在。魔法が通じるはずもなく。物理攻撃も素通りするような状態なので何も出来ない。


仕方ないので寝そべる巨大キノコと化している。クゥの手腕のお蔭か、魔石は上手く融合した。魔素をグングンとチャージ開始。クゥに吸われてるのでその速度は遅いが。



ステータス

─────────────

生命力:102203/126612

魔力:265538/7392085513

名前:マーラ・ハリガタ・マツタケ・ド・モドキ

種族:王松茸(魔)

技能:魔素吸収(参) 傘口舌食(乙) 粘性(参) 薬毒生成(参) 精母共生 剛体(参) 菌魔法(弐)



魔力保持量の最大値が訳が分からないよ・・・と言うほど増大した。

70億とか意味が分からん。これがどれほどなのかもよくわからないんだが。イリ達に感想を聞いてみた所、神々しい感じだそうで。守られている感がハンパないらしい。一気に神格化。儂は神。変態と言う名の神。とか言えばいいのだろうか。


『その魔核は大地の守護者。雄大な粘体の核ですわ。貴方になら適合すると思っていましたが、当たりだった様ですね。』


なんか融合をフィーリングで決めたとか言ってるんだが。粘体ってなんだ?

粘菌の仲間か?・・・・粘菌は菌類の仲間だっけ。確か胞子で増えると記憶していたが。

ニュアンスが違うから俺の知っている粘菌ではなく、予想ではスライムだと思う。よく融合出来たな。


『ええ、これからあなたは大地の守護者となります。おめでとう。これで私と同列ですヨ。』


一気に階位が上がったよ。やったねマーラ!

じゃねぇよ。どうすんのよそれ。俺ナニしたらいいの!?


『大地を育めば良いのです。命が増えればそれだけ星の力が増す事でしょう。そうすれば星霊様も目覚めます。』


意味が分からいので丁重にお断りします。命を育むとか良くわからないので俺がやりたい事をすることにしよう。というか、よく考えると今やってる事とあんま変わらないな。このまま皆を守れば良くね?


よし、放置しよう。



核の融合を行ったあとしばらくしてから、変化が始まった。まずサイズが増大。今もその変化は続いている。核だけ大きくなったのでそれに合う体へと変化していっている様子。

そのサイズ、すでに直径50m、高さ20m。


キングサイズってレベルじゃねえ!

小さな丘だよ丘!


案の定、森の木々の背丈を超えてハミ出る有様。遠くからも良く見える模様。尻隠して頭隠さず。余りの重さに動くことすら難しい。


『そんなの私が手伝えば問題ないじゃない。』


そいやそうだわ。空間を操れるんだったな。とりあえず俺の近辺を侵入できない様な結界でも張って守ってください。お願いします。あ、まだ力が戻り切ってないのでダメですか、はい、なんとかします。


くそっ・・・つかえねぇババアだ。


キィンと透き通った音がしたかと思うと、傘の上半分に筋が入り、ゆっくりとずれ始めた。どうやら空間ごと切れたらしい。急いで菌魔法で補修。なんとか大事にならずに済んだ。いかん、次は核ごとぶった切られそう。

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