表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師はやがて白魔法師になる。  作者: はづき
第1章  術学師養成学校
2/20

1話 火の魔術師は学校に入学する。

 01




 私立術学師養成高等学校。

 4月7日の今日、めでたいと祝うべき入学許可を得て俺はこの学校に無事入学した。

 


「と言っても、そんなに祝うほどの事ではないけど……」



 捻くれている、マイナス思考という類のセリフではない。自分の目標はまだここじゃないということだ。

 術学というのはこの日本での主な職業と言える。

 昔の職業は消防車やサッカー選手、パティシエなどあったらしい。が、今はそんなもの存在しない。


 術学というのは、技術で始まり、魔法で終わる日本の学問。

 その中の1つ、技術は人間が発達する前から使われている歴史的な術学。原始的な方法で物事をなす技術師が存在する。まぁ、今はもうめっきりいなくなったが。


 次に科学。技術を応用した術学で、理系が得意な人間が学ぶことが多い。だが、科学師の数も決して多いわけではないのだ。なので、基本的には、技術と科学はまとめられる。

 そして魔術師。火、風、水、土、光、闇の6つの属性からなる術学。

 ちなみに俺は火の魔術師を目指している。……とある理由で火の魔術は忌み嫌われているが特に(魔法師から)。


 魔術は場合にあったものではないと働かない。例えば、雨が降っている場所では火が起こせないように。学校の実技などは例外だが。


 最後に魔法師。一昨年に研究が発表された、今流行の術学。

 魔術師から魔法師に転職する人も多い。実際、そうした友人も多々いた。

 俺はある理由で魔法師が苦手だ。というか、はっきり言うと嫌いだ。だが、この学校に入学した以上その存在は魔術師を上回る。

 だから、あまり関わりたくないと思った。ちなみに、魔術と魔法はあまり変わりがない。

 6つの属性はそのまま変わらない。だが、どんな場所でもどんな魔法を発動できるという良点が加わった。


 とりあえず、門をくぐりぬけて進むと、右側左側に大きな桜の木が立ちそびえていた。この桜も人工的な桜だろうけど。

 桜の並木道、ともいえる道を歩く。俺が朝早く来てしまったのが原因なのか、人が少ない。目線の人に少し集中させると、その人のデータが表示される。

 2年生の女生徒と、3年生の女生徒だ。名前は一応伏せておく。


 そして少し進んでいくと、何故か薔薇園にあるようなアーチをくぐり、校舎へとたどり着く。校舎の入り口に電子タッチパネル形式の掲示板があった。


 そこの1学年用掲示板画面に触れる。すると、真っ暗闇だった画面がパッと明るくなった。電子回路が一瞬で繋がり、見る者に不快を与えないこの技術は、魔法と科学の組み合わせだ。

 その掲示板ページには、クラスの名簿が表示されていた。

 俺は1-1の1122番だった。



「確か1-1って特級クラスだったっけ」



 ふと思い出し、学校案内データを開く。データは学校から配布されたタブレット端末にすべて記されている。教科書などもここに保存されているのだ。新しい教科書もダウンロードすればすぐ使うことができる代物。


 1-1は魔術・魔法特級クラスで、1-2が技術・科学特級クラス。1-3が魔術・魔法普通クラスで、1-4は技術・科学普通クラス。ちなみに、1-5は4大術学複合壱クラス。4つの術学を学ぶクラスだ。


 自分が特級クラスに入学できたことに、驚きを覚える。

 それをもう1度確認して、端末を制服内のポケットにしまった。


 俺は適当に掲示板を読んで、教室に入室しようと決めた。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ