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彼は彼女を忘れられない  作者: 瞳湖
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閑話〜眼福トリオ〜

 閑 話〜眼福トリオ〜


 安河正樹は悶々としていた。

安河総合病院の内科医にして御曹司の正樹にとってこんなに悩ましいことは初めてだった。

従兄弟の長良朔が運命の人と呼び探し求めていた女性がまさか自分の病院にいたと聞いた時は朔の想いの強さを関心こそすれこんなに悩むとは思ってもいなかった。

朔の運命の人の高瀬凛々という女性は見た目何がどうということもない平凡な女性だ、強いて言うなら女性にしては背が高めで小顔ということか。

だが話してみると表情豊かでほんわかとした雰囲気を纏い話していると癒されるのだ。

こんな人に出逢ったことがない正樹は朔の運命の人だというのに惹かれて行きそうで悶々としている。

 そんな彼女が朔の手を両手で包み込みお呪いをしているのを見た途端、自分もして欲しくて堪らなくなった。


 外科医の有村優起にとって金曜日に非常勤で来る長良朔は大学病院からの先輩で若いのに腕が良くそれを驕らない人柄も尊敬していた。

そんな彼が運命の人を探していることは周知の事実で、大学病院時代何度も告白されながら片っ端から断る彼の

「私には心に決めた相手がいます、なので貴女の気持ちは受け取れません」

と言う言葉からも早く見つかれば良いと祈りにも似た気持ちでいたから長良朔から受付の高瀬凛々が運命の人だから彼女が虐められたり困ったりしないように気に掛けてくれないかとお願いされた時、自分に出来ることならお手伝いしようと思ったし正直彼がそこまで思う女性はどんなに素敵な人なのか興味が湧いてちょっと覗きに行った。

遠目に見ても近くで見ても普通の女性だった、特別綺麗だということもないし愛でたくなるほど可愛いというわけでもない、小顔でスタイルは良いかなとは思ったけれど…。

だが、話をしてみると彼女の醸し出す雰囲気が優しくてなんとも心地よくクラッとし掛けて

(いかん!朔先輩の大切な人だ)

と思うのであった。


 小児科医の原田貴史と長良朔は大学の同級生で昔から気が合って何でも話す仲だった。

そんな朔から十年以上探し求めていた運命の人が見つかったと聞いた時は本当にいたのかと思ったし、どんな女性なのかと興味もあったし、それがうちの受付の中途入社した高瀬凛々という女性だと聞いた時は灯台下暗しだと感じた。

朔に彼女を女性たちから庇うように依頼された時はなんとも過保護なやつだと思う反面そこまで大切な人がいる朔が羨ましいとも思った。

楽しい時は楽しい顔、驚いた時は目が点を絵で書いたような顔をしてウソの付けない人なんだろうと思ったが特段美人という感じはないのに話してみると心の綺麗さがヒシヒシと伝わり朔が惹かれたのが分かる気がした。

こんな女性と一緒になれたら毎日が穏やかに過ごせるんだろうと思うと頑張って合コン行くしかないかと呟いた。

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