表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

今日も

作者: 浮里 海捺


――この灯りは、送り出しているのだろうか。

それとも、迎え入れてくれるのだろうか。


ガタン、ゴトン、と電車が揺れる。

窓から見える薄い水色になった空は、ポツポツと見える灯りを見にくくさせていた。


空白がチラホラ見える座席に座って目を閉じてる人もいる。

携帯を見てる人たちは、無表情のお面を付けてるみたいだ。

周りを見渡してる人なんか、私しかいない。


この人たちはどこへ向かうのだろうか?

家かな?

学校かな?

仕事かな?

まあ、どこでもいいけど。


でも、もし。


この人たちが今見てる視線の先が、楽しい場所であったら。


やり込んでいるゲームや攻略動画だったり。

読んでいる小説やマンガだったり。

今度行くところのお出かけ情報だったり。


きっと、誰もが誰かの『楽しい』のために日々働いているんだろう。


動画やゲームを見れるように、撮影したり企画してる人たちが動きやすいように。

小説やマンガを読めるよう、作家さんを見つけたりスムーズにサイトを見れるように。

休みの日に楽しめるよう、行きたいところを見つけたり当日遊べるように健康で元気で居られるように。


きっと、私も見た事もない『誰か』に支えられて毎日を過ごしているんだろう。


――働く理由って、見た事ない誰かのためなんじゃないかな。


なんて、ぼんやり目の前を長めながら考える。


電車のアナウンスが響く。

駅についたみたいだ。


立ち上がってドアに近づいた。

目を閉じてる人もいるけど、動き始める人もいた。

ゆっくり立ってドアに近づいたり、携帯をポッケにいれたり。


ドアの前に立って、空くのを待つ。


――それなら、もうちょっとだけ私も頑張ってみようかな。


ドアが開いて、今日も1歩踏み出した。


見た事のない、誰かのために。



初投稿です。

読んでくださりありがとうございます!

誤字脱字、不明な文章などあったらすみません。。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ