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【あんなに絵を描くのが大好きだったのに、どうしてキミは絵を描かなくなったの?】

作者: 熊犬(クマイヌ)

皆さま初めまして、初投稿になりますので、ご挨拶申し上げます。

私は「熊犬」と申します。

この文字を打っている今も、とても緊張しております。


「小説を書けるようになってみたい」という純粋な興味から今回の投稿に至り

沢山の素晴らしい作品の中に自分も混ざってみたいと思い、この「小説家になろう」へ投稿することに致しました。

今回の物語は、自分の勉強のため、まずは何も参考にせず書いてみましたので、ご参考まで…。


前置きが長くなりました、実は、私は小さい頃からお絵かきが「大好き」だったのですが

年齢を重ねるごとに、お絵かきには「もう手を付けたくないという嫌いなもの」に変わってしまっていました。でも、それが何故かは、わからずにいました。


きっと、きっと僕と同じ思いをしている元絵描きさんは、どこかにいると思ってます。

そんな方々にまた絵を描くことが好きになってもらいたい、そんな気持ちで書いています。


実は、最近になって絵と全く関係ないことに興味が湧き始め、その結果

私にある「気付き」がありました。


今回は、その「気付き」がなんだったかを読み物にしたものになります。

内容としましては、「お絵かき」を


はじめはとにかく嫌で嫌で、『●楽しくないってわかってる』


と呟いていた自分に


最後は、純粋な気持ちで『〇楽しいって感じたいよ』


と言わせた「自問自答」の経過を、会話風にしたものになります。


形式としましては、この物語における登場人物はたった二人だけで


・ 説得する側の「俺」



・ それを聞く側の「僕」


として表現しております、自問自答のお話ですから、要はどっちも自分ですね(笑)。


後半になると、一部過激な表現も出てきますので、中には気分を害される方もいるかと思われますが

何かしら得て頂けるものはあるかもしれないと思い、読み物にしようと思いました。


もしかすると、読み終わった際に「なーんだ、こんなのよくある話じゃん、時間無駄にしたわ!」

と思われる方が、沢山いらしゃるかもしれません。

ただ、自分なりに皆さまの貴重なお時間を頂くことになる、と理解した上で書いたつもりでいます。


ですので、是非、「右も左もわかっていない凡人」が作った

ただの「軽い暇つぶし」だと思って頂いた上で、肩の力を抜いてご覧頂ければと思います。


それでは、どうぞ。










『あんなに絵を描くのが大好きだったのに、どうしてキミは絵を描かなくなったの? 1 』

                                作:熊犬クマイヌ



どこまで行っても何もない、白い空間

そこに二人の全く同じ容姿の人間がポツンと立ち、向かい合っている。


俺:絵を描くのが嫌いになった?


僕:…うん。


俺:あんなに好きだったのに?


僕:…うん。


俺:一体どうしてだよ?


僕:もういいんだよ、今更。僕よりも10歳以上若いのに、僕よりも絵上手い人いっぱいいるし

  そんな中で絵描いて、ましてやピクシブ(※)みたいなサイトに投稿するなんて…辛いだけだよ。

  周りと比べられるのも、自分で見比べるのも、どっちも能力のない自分を思い知らされるだけ。

           (※イラスト等を自由に投稿し、お互いに見せ合うことができるサイト)


俺:じゃあさ、お前今色々なことに挑戦できてるよな?


僕:まあ、ね。


俺:大嫌いだった勉強始めたよな?

  緊張して吐くくらい苦手だったカラオケでも少しかは点数出せるようになったよな?

  かったるい朝のウォーキングも始めたし

  活字が苦手で小説なんて一度も読んだことなかったのに

  今では毎朝新聞読んだり、次は読書しようとも思ってる。

  リア充(※)達の聴くものだからって避けてた邦楽を聞くのが「楽しい!」って思えて

  「僕」って最近、物事に対して積極的になってきたと思うんだ。

  なんでそうなれたのかな?

                          (※「リアルが充実している人」の略)


僕:うーん、なんでだろ…。


俺:いいか、僕、物事には必ず「理由」がある、よく考えてみろよ。


僕:そうだな…強いて言うなら、どれもこれもやってみたら楽しくなったって感じかな?


俺:やってみたら楽しくなった?


僕:うん、わかんないけど、多分。



少し間があった後、俺が口を開く



俺:そう、そうなんだよ。


僕:…え?どういうことだよ?


俺:もしかしたら朝のウォーキングがもたらした効果かもしれないな。

  僕は動画サイトで「朝の散歩で人生が変わる」という動画を見て

  朝のウォーキング始めたんだよな?

  朝運動すると脳が活性化されて、物事が簡単に身に付くようになって、人生が変わるってさ。

  だからやってみたんだろ?


僕:うん。


俺:その結果、今、色々できるようになって、うまくいってんじゃん、そういうことだよ。

  お絵かきだってさ、まずはやってみろって、やってみて楽しかったら

  もしそれで好きになったら、それが僕の人生を豊かにすると思うならば、続ければいいんだ。


  そう感じれたから色々な苦手だったものに今沢山挑戦してるのに

  辛いと感じずに、続けられているんだろう?



俺は自信をもって話すが、僕には響いていない様子である。



僕:まあ、そうなのかもね。


俺:…多分俺たちの人生で一番時間を費やしたのはお絵かきだよな。

  俺は僕だから、一番知ってるぞ?


僕:そうだよ?それは自信持って言える。

  昔は毎日ずっと描いてた、幼稚園児だったガキのころから大学終わるまで。


俺:あんなに好きで、毎日授業中にも絵描いてて、先生に見つかってさ

  ノート没収されたくらい好きだったよな。


僕:あったねえ、そんなことも、よく覚えてるな。



”二人”はお互いに笑い合う、そしてひとしきり笑ったあと、俺が口を開いた



俺:じゃあなんで今、絵を描こうとしない?


僕:そんなの簡単だよ、もう『●楽しくないってわかってる』から。

 

俺:そっか…なんで楽しくないんだ?


僕:自分が描きたい理想のイラストが頭には浮かぶんだよ、浮かぶの、沢山浮かぶんだよ?

  でも、僕にそれを描くことは絶対できないからなんだよ。


俺:そっかぁ…じゃあさ、なんで絶対できないのかな?


僕:簡単に言ってくれるな、お絵かきなめんなよ?

  まずアタリから描いて、ラフ画、下書き、線画、色塗り、背景

  これは最低でも描かなきゃいけない。 

  さらにそのキャラクターの特徴や魅力、構図やポーズ、表情、色使い、全体のまとめ方 

  知識だっている、人体の構造、色が人にもたらす効果

  つまり、感動を呼ぶにはどんな絵に仕上げるべきか。


俺:…。


僕:絵を描く能力自体だって必要だよ?

  フカンやアオリの絵だって描けなきゃいけない。

  横顔、複雑な手の形、服のしわ、影の付け方、髪の描き方、いくらでも課題はあるんだよ!

  …まあ、お前は僕だから、僕のことはわかってるだろうけどさ。


俺:…まあな。


僕:いいか?1枚の絵を描くのにすっげえ労力がかかるって僕は知ってるんだ。

  でも、僕にはそれが出来ないことがわかっているんだよ、時間もかかるし…

  けど仕事忙しくて時間もない、だからもうやらないの。


俺:あのさ、ひとついいかな。


僕:んだよ…


俺:いや!お前な?すっげーわかってんじゃん!


笑いながら俺は僕に語り掛ける


俺:そうだよな?お前はお絵かきを沢山してきたからこそ

  自分の「実力」が自分の「理想」に達していないこと。

  そして理想の絵を描くにはものすごく努力が必要とわかっている。

  だから絵を描かなくなったってことだな!なるほど!すげえや!よく分析できてる!


俺は笑うのをやめなかった


僕:ああ、そうだ!いちいち説明してくれなくったってわかってんだよ!笑うな!

  もうお前と話したくない!


俺:落ち着け、いいか?

  まずは、こう考えてみたらどうかな?

  お前は色々知りすぎて、お絵かきを難しいものだと思ってるんだ。

 

  「絵を描くことは難しいことじゃない、簡単なことだ。」

 

  ってさ?

  そうしたら、ほら、また描いてみようと思わないか?


俺は、確信をつくように優しく僕に語り掛けた、はずだったが…


僕:はあッ!?それができないから!できないからこうなってるんじゃないか!?

  「上手に絵を描くためには、どうしたらいいだろう」って純粋に思ってただけなのに!

  「もっと絵を上手くなって、絵描ける仕事につけたらいいなあ!」ってさ…

  それだけだったのに!気付いたら知識ばっかり身に付いたよ!

  でも僕にあるのはそれ「だけ」なの!

  社会人になって、仕事するようになってさ!だんだん絵を描かなくなってさ…。


僕は目に涙を貯めながら、涙声で俺に訴え続けた…。


僕:ピクシブでさ、自分じゃ一生手の届かないレベルの、思わず感動して涙が出るような

  素晴らしい作品を見せつけられてさ…

  それを自分よりも10歳以上若い人たちが、定期的に、当たり前の様に描きあげちゃうんだよ?

  そんな現実見せつけられてみろよ!

  俺は、悔しくなったよ!自分がやってた「お絵かき」って何だったんだろうって!

  しかも、そんな素晴らしい絵が語り掛けてくるんだよ…僕にさ

  「見てみろ、お前にこんな絵描けるか?俺のご主人はお前よりも10歳も若いのに

   絵描くの大好きで、超絶技巧なんだぜ!」って

  「ここまで描ける様になるまで、私のマスターがどれだけ努力をしたか

   あなたには理解できないでしょうね…かわいそうに…まあ、あなたより10歳若いですけど。」

  ってさ!俺だって沢山描いてたのに!ホントに沢山描いてたのに!

  授業中に描いて怒られるくらい描いてたのに!勉強だっていっぱいしたのに!

  …それでも能力のある人たちには、どんなに頑張ったって、手は届かなかったんだよ。

  だからもうお絵かきなんで…二度とやりたくないんだよ!

  もう、俺は能力のある選ばれた若い人々の、最高の作品を、ただ見るだけしかできないんだ!


僕はその場で赤子の様に声を上げて泣き崩れた

            

俺:…はあ、僕よ、考え方から改めなきゃいけなさそうだなあ…。

  まだ俺たちも30代前半だ、人生について語るのはおこがましいが

  所詮自分の頭の中の話だ、何を言ったって言い、だから言わせてもらうわ。

  人生において、とっても大事なことがあるんだけど

  知りたい?


僕:…グッ、ふ…。


俺:なあ、どうなんだよ、知りたいか?


僕:ッ…なんだよ…早く言えばいいだろ…。


俺:なあ僕、とある先輩が言ってくれたよな?

  何に対しても、まず「疑問を持って、興味を抱け」ってさ。


僕:…。


俺:もう一度言うぞ、何に対してもまず疑問を持って


僕:だからなんだってんだよ!

  1個1個疑問を解決して知識を沢山手に入れたのにさ!

  絵を上手くなるにはって興味を持ってたのにさ!

  あとさ、悪いけど「努力が足りない」とか、「努力の仕方が間違ってる」とか 

  そんなの聞くつもりはない、沢山描いてきたからこそ、沢山勉強したからこそ

  そんなことは当然わかってるんだから。


俺:僕…。


僕:畜生!…ホントに悔しいよ。

  俺の思い通りに、手がさ!動いて、くれないんだよ…こんな手、クソっ!


その時、俺の声がまるで空間を反響するようなものになり始めた。

俺は優しく僕に語りかける


俺:おいおい…そう怒んなって、んなこと俺が全部わかってるのなんてさ、百も承知だろ?

  …なあ、僕、ちょっと俺の話を聞いてほしいんだ、良いかい。


僕:…なに…?


俺:俺たち二人で考えてみようよ。

  だからさ、まずはこう疑問に思って見ようぜ?

 

      






「どうしたら、俺(僕)はもう一度絵を描くことが好きになれるだろう?」








つづく

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

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