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昼休みとはなんぞや?

いろいろな登場人物は出てきますが、そう多くはしないように心がけたいですね。なぜかと言えば、私が管理するのが大変だから。

 キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン


 授業が終わったことを告げるチャイムで目を覚ます。数学の授業だったが、どうやら途中から寝ていたようだ。ふと思うが、数学とはなぜこんなにも眠くなるのだろうか?そもそも将来使うのだろうか?2次関数のグラフなど社会で活用する日が来るのか?はなはだ疑問だ…非生産的だ。それならこの時間を何かほかのことに費やした方が…

 

 「おい、修平。また考え事か。」

 「はやくご飯食べようよ、どうせ数学の意味について考えて寝てたことを正当化してるだけだよ。」

 「透、本当にお前は失敬な奴だな。」

 「じゃあ今度から授業で寝なきゃいいだけでしょ。」

 「それは無理だ。」


 そんなくだらないいつも通りの会話をしていると、きゃいきゃいとした声が聞こえてくる。まあよくあることだ。おおかた女子がまた何かで盛り上がっているのだろう。


 「はぁ、いいよなぁ、浅間のやつ。イケメンで勉強もできて、スポーツ万能とか…主人公かっての。」

 「まぁ世の中そんなもんだよ。個人差で何もかも片が付くでしょ。」

 「いいなぁ、俺も女子にモテモテな人生送りたかった。」

 「そんなことを思ってる時点で平凡の証だな。よかったな幸平。お前はまごうことなきモブキャラだ。」

 「うるせーぞ修平!お前も大して変わんねーだろうが!」

 「俺はお前みたいに叶いもしない夢は抱いていない。」

 「まぁまぁ、こんな悲しい話しても仕方ないよ。結局僕らは普通だし。」


 はぁ、まぁ透の言う通りではあるのだが。

 俺たちが通っている高校はある程度の進学校だ。そこそこに生徒もいる。それにスポーツ推薦などもあり、各方面に対しそこそこに力を入れている。まあ、そんな高校なら有名人の一人や二人はいる。先ほど話に出た浅間もその一人だ。

 

 といっても、そんな有名人との関わりを俺のようなモブが持っているわけもないので、みんなが知っていることぐらいしか知らないが。浅間秀太(あさましゅうた)。頭脳明晰、スポーツ万能、おまけに眉目秀麗。ここまでそろっていると対抗する気にもならない。そもそも対抗するような事柄もないのだが。


 「なぁ、俺たちってこのまま学生生活終えるのかな、平凡なモブキャラなままで。まぁ不満はないんだけどよ。

 「…まぁ、そうなんじゃない?いまさらなにか目立つような特技とかないし。そもそもそんなに目立ちたくないし。」

 「修平はどうおもってるんだ?」

 「俺か?自分が平凡なことを知ってはいるから、あまり夢は見ないが。まぁ、健全な男子高校生なら彼女の一つくらい学生生活のうちに作ってみたいものだけどな。」

 「そりゃ無理だろ。俺らモブだぜ?この高校、それなりに有名人いるし。それにこうしていっつも3人でつるんでるんだから女子と接点もないし。」

 「まぁそういうことだな。このまま卒業するのが順当なところだろう。」

 「なんだろう、二人とも相変わらず息を吐くように悲しい会話をするね。」

 「そんなもんだよ。」


 きゃいきゃいとした話し声、まぁいわゆる輝く高校生活をバックコーラスに、俺たち3人は今日も昼食を食べる。

 俺たちとあの人だかりの間には、何か大きな壁が存在している。モブと登場人物、持たざる者と持つ者の間には越えられない壁が存在しているのだ。その壁を打ち破ることは決してない。

 そんな考えに耽りながら昼食を食べていると、ふいに教室の前の方のドアが開く。


 「つか、放課後居残りとかだるいんだけど。」

 「それな~。いいじゃんネイルくらいさぁ~」


 あの二人は…確か語気が少々強いのが伊黒蘭子(いぐろらんこ)、語尾がよく伸びるのが前沢寧々(まえざわねね)か。あの二人も有名人だろう。浅間とは違った意味では、という語尾が付くが。校則など知ったことかと言わんばかりの格好をしており、そのおかげで生徒指導に呼ばれ放課後居残りの常習犯である。それでも居残るあたり、根はそれなりにまじめなのだろうが。


 「あ?何こっちじっと見てんの?なんか用?」

 「む、あ、いや、そんなことはない…」

 「用もないのに見てるの~?変なの~」

 

 すこしどもってしまったことに恥ずかしさを覚えるとともに、前沢にクスクスと笑われたことでより恥ずかしさが増す。思わず、透の陰に隠れるようになってしまう。

 そんなことをしているうちに、二人の興味は別のものに向いたようだ。すたすたと歩いていく。


 「何やってんだ、修平…」

 「ほんとだよ。よりにもよってあの二人って…」

 「いや、じっと見ているつもりはなかったんだが…」


 登場人物が関わってきただけでこうなってしまうのも、モブの特権である。とはいえ、なんとも言い難い雰囲気が僕たちを包む。 

 

 「「「はぁ…」」」

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