『空間と形からの思想』
『空間と形からの思想』
⑴
心が存在する時、相手の心は消える。
心が存在しない時、相手の心が発生する。
すべてを失ったら、すべてが手に入るなら、何かに負けた方が、勝ちだろうか。
⑵
砂の存在と出会った場合、その時点で、存在は砂になっている。
砂の観念と出会った場合、その時点で、観念は砂になっている。
果たして、空白は、可能だろうか。
⑶
不均等な人間になりたくないために、人間は努力する。
しかし、努力が成長を妨害する。
最終的に、結果は結果論に収束するのみである。
⑷
落下する白昼の、心の中は闇である。
闇に気づかないのが、社会の闇である。
何かを叫んだら、本当の幸福は降ってくるだろうか。
⑸
気付かないふりをして、有罪を無罪にすることは、難しい程に、簡単である。
しかし、心象に、傷は残る。
本当に救われるべきは、何かを見た、傍観者である。
⑹
空間と形は、何度も繰り返す波の所作に酷似している。
声がそれらの矛盾を突き放す。
痛みが、世界の苦痛を包囲する。