主人公、貞操失うフラグ...!?
登場人物の名前覚えるの頑張ってクダサイ......。
いや~、だって只でさえ、兄貴の件で生徒会の奴らを敵に回しちゃったし、これ以上これから始まる俺の学園生活を居心地悪くさせるようなことはしたくないじゃん?
あ!今、『あのブラコンな兄貴がお前に敵意がある奴何て排除してくれるじゃん。』って思った奴挙手!!そして兄貴のあの性格を胸に手当て思い出してみてほしい!
昴が全校生徒に敵視される=昴が学校で孤立する=昴との時間が増える=昴が俺に依存する
学校で俺が敵視されても、残念な事にゲームの中の面影など、その綺麗な容姿しか残っていないあの(萌えとしては最高の逸材だが、)残念な兄貴の頭で結果的に導き出される答えは所詮こんな所だろう。
兄貴なら喜んで......、いや、進んで俺を学校から孤立させるだろう。
だったら、俺がどうにかしなければならないっ!!という結果に至ったわけだが、それで何故こんなに卑怯な手しか思い至らなかったかというと......、これは兄貴との血の繋がりとしか言いようがないのが悲しい所である......。
おっと、そう言えば俺達の家族構成について、詳しく説明していなかったけ?
ここの所で俺の両親について説明するとするか!.......っと、そうなると、両親の事について説明する前に、前世やっていたもう一つのBLゲームの事について話さないといけなくなるのか......。
じゃあ、説明するね?
※
実は、『君の頬にキスを。~王道学園編~』と言うゲームは、ある一つのBLゲームの続編(?)のようなものなのだ。その前編(?)とされているゲームとの差も、ただ主人公と攻略対象者が、息子に代替わりしているだけなのだが...。
その、前編(?)のゲームのタイトルは、『ドキドキ!秘密の関係しちゃう?』という、いかにも官能小説のタイトルみたいなベタな名前のゲームだ。
まあ、そのゲームの内容はザックリ言えば、男が相手になっただけの、ーー『不倫』だ。
主人公、『神埼環』は勿論、他の攻略対象者全員が、奥さん(または、婚約者)がいる。
攻略対象者は、全員で六人だ。
一人目が、生徒会会長、佐藤社の父、『佐藤蓮』。
二人目が、生徒会副会長、高橋巴の父、『高橋海地』。
三人目が、生徒会会計、池田大和(池田和人)の父、『池田颯也』。
四人目が、生徒会書記、西村翼の父、『西村樹』。
五人目が、1-2組の担任(でもあり、昴の従兄弟でもある)、桐生竜の父、『桐生大翔』。因みに桐生大翔は、婿養子に出たため、名字は変わったが主人公、神埼環の実の兄でもある。
六人目が、神埼環の幼馴染み、『元樹雄』。
隠しキャラもいないし、これだけだった気がする。
そして、固定のキャラのルートに入り、無事関係も持てたのと同時に『神埼環』の妻、『神埼美咲』に不倫関係がバレるのだ。
そこで、最終イベントが発生する。そのイベントとは『神埼環の事をどっちのが知っているかクイズ』だ。
内容は、神埼美咲から、神埼環についての質問が何問か出題される。勝敗は、相手(攻略者)の高感度によって決まるという簡単なゲームだ。
少し答えに詰まったものの、全問正解した場合は、
「少し答えに詰まったようだけど...、私よりもあなたに相応しいみたいね.....。」
全問正解の場合は、「こんなに環さんと暮らしてきたけど、私は環さんのどこを見ていたにかしらね......。」
全問間違えの場合は、「ごめんなさい。これでも環さんの事を本気で愛しているのよ...。あなたに環さんを幸せに出来るとは到底思えないの。」
という、神埼美咲様のありがたいお言葉を頂ける。
登場人物紹介でも、神埼美咲は『悪役』ではなく、『ライバル』と記されているはど全然悪役ではないのだ。
自分の幸せよりも神埼環を思っての発言から、このゲームをプレーしていた腐女子からは、理想の女性として尊敬され。腐男子からは理想の妻として夜のオカ...ゴホンッ。好きなキャラランキングで上位に食い込んでいた。
とまあ、言わずもがな、神埼環は俺の父親で、神埼美咲は俺の母親だ。(因みに、現実では神埼環(父)は、幼馴染みの元樹雄とくっついている。)
俺は、何故か分からないが(今思えば前世のせい。)、この世界の出来事が何処か他人事のように感じていたからか、両親の離婚も素直に受け入れられたが、兄はそうでもかったらしい。
そもそも、俺は存在しない存在だった訳で、兄貴には父との離婚で弱っている母しかいなかった筈だ。
それで、兄貴なりの「母を守るのは俺しかいない。」という小さいながらの正義感から..............
..........................
..................って!
俺いたらダメじゃんっ!!そうだよ、そんな状況に置かれて俺に依存するなってほうが無理じゃん!
※
『兄貴がああなったのは俺の存在のせい』という、重大な真実に気付き警戒を解いていたおれは気付かなかった。
俺が回想している間ずっと放置していた、あいつが面白く無さそうな顔を、一瞬にして小動物を刈る捕食者のような顔に変えていた事に......。
状況を理解したのは、空間が反転し、誰かが......、海人が俺の上に覆い被さり、高校生にこんなに出せて良いのか?と思うぐらいの量の色気を放出しているその時だった。
登場人物の名前覚えるのが辛い......。あ、頭がぁぁぁぁぁ!!