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走る白兎が異世界で盗賊になる  作者: 秋月亮二
初めての異世界
7/38

5話 盗賊団

ボリスのおっさんはすでに雪兎に魅了されています


ラルフは、貧しい村の元貴族です

その事はおいおい出せたらいいなと思っています

「ええーーー!アルフォンスの言ってた獣人って兎なのーーー!!」


なんて声が下の方から聞こえてくる


「宿屋のおやじ、下で何してるんだ?」


そう思いながら、宿屋の2階の一室で装備の手入れをする


「団長、どうやら旅人みたいだぜ?」


周囲を警戒していた、副団長のグレックが音も無くドアを開けながらそう答えた


「旅人?こんなご時世に珍しいな、商人じゃないのか?」


今時、旅人なんてのをやってる奴は俺たちと同じ盗賊か無駄に金のある貴族共くらいだ


「…どうやら本当に旅人みたいじゃの、先ほどボリスが武器商人ロイスの所に行くように言ったら飛び出していったそうじゃ」


そうやってゆったりとした動きで部屋に入ってきたのはドワーフのゴッズだった


「…リブソンとカロルに見てきてもらおう。何者かわかり次第リブソンが報告に、カロルはそのまま偵察してくれ」


そう言うと屋根上で外を警戒していた二人は、屋根を2回叩いてすぐに行動した


「簡単だけど、食事の用意が出来たよー」


のんびりした声でサントスが部屋に入ってきた


「ありがとうサントス、ついでにリブソンとカロルが偵察に向かったから後でつまめるようにサイドイッチを用意してくれるか?」


偵察に向かわせた二人だけ食事無しだと、後で文句を言われるのでサントスに用意してもらおう


「大丈夫、すでに二人のためのサンドイッチと水筒の準備はしてあるよ」


そうやって好青年のような笑顔で答えてくれた、いつも雑用を任せているのによくやってくれる


「それじゃすぐに食事をとってそのあと、装備と荷物をまとめて置いてくれ。リブソンが報告に戻り次第、行動開始だ」


言い切る前に食事を食べ始める仲間達。状況がどう変化するか分からないため、出来る限り食事の時間を短くしている。その姿を見て少し笑いながらパンを一つだけ取り、下にいる宿屋ボリスに話を聞きに行くことにした






「問題ないか?」


階段を降りてすぐにそう言った


「あぁ、問題ない」


ボリスは俺が降りてくる時に音がしてないにもかかわらず、すぐにそう答えた


「仲間が先ほど騒いでいた奴を偵察に行っている。戻ってきたら俺たちはここを出て、奴隷商人スレーブの屋敷に行く」


さっきの奴を偵察していると言ったらボリスがどう反応するのかを注意深く観察する。偵察に行くとだけ告げると、怪しんでいる事がばれると思ったのでこちらの予定を告げておいた


「…奴隷解放か… 確かに掲げている事は立派だが、こんなチマチマした事をしているようじゃ、ベヒーモス王と変わらんだろ?」


ボリスが諭すように言ってきた


「あのブタ王と同じだと?あの腐った男のせいで苦しめられた人がどれだけいると思っているそれに、元々貴族だった俺の両親、兄弟がどんな目に合わされたのか知っていてそんな事を言っているのか?」


言う前にボリスの首筋にナイフを突き詰め、徐々に力が入っていくのを感じる


「す、すまん!そう言いたかった訳じゃないんだ!…ただ、このままだとイタチごっこだと思ってそう言っただけで…」


ボリスが言っている事は最もなので、開放してやった。開放すると軽く咳き込んでいた


「………次はないと思え」


宿をタダで取らせてもらっている礼がある。ギリギリだったが殺さないでおけた…もっと冷静にならなくては…


「…本当にすまなかったよ、それとお願いというか依頼なんだが…」


ボリスはバツが悪そうにしながら答えた


「…どんな依頼だ?」


少し自分を落ち着かせてからそう聞いた


「…さっきの旅人の嬢ちゃんだがー、もしかしたら兵士に捕まってるかも知れない。それで、捕まってるようだったら一緒に助けてやってくれねぇか?」


ボリスがそんなことを言い出したので少し驚いてしまった


「…さっきの旅人はお前の仲間なのか?」


確認のためにそう聞いてみた


「いや、全く知らねぇ。さっき会ったばかりだ。けど、なんていうか…そう!ほっとけねぇんだ!だから、助けてやってくれ。金ならすぐに出す」


助ける理由は明らかにとってつけたような内容だったが、助けたい気持ちは本物のようだ


「…アンタに悪い事をしたからそれを口外しないと約束するなら金はいらない…それでいいか?」


先ほどやってしまった事は周りに知られてしまうと今後の行動に支障が出るかも知れない。なので、この依頼でチャラに出来ればいいんだが…


「なに!?本当か!ああ、分かった。口外しないと約束するよ。さっきの嬢ちゃんなんだが、兎族みたいでな。これまたえらいべっぴんさんだから、間違えようがないだろう。もし、捕まってるようだったら絶対に助けだしてくれよ!?」


ものすごい喜びながらお願いされた…それだけ喜ばれると、兎族の旅人がどんな奴なのか気になってきた。リブソンの報告が早く来ることを祈るばかりだ



最後まで読んで頂きありがとうございました

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