2話 初めての街
うさみみ、うさしっぽで破壊力バツ牛ぅうーんって感じに
なったら嬉しいです
ただし、変態が群がるので理性のある変態を近くに置いておきたいです
カワイイものは遠くで眺めるのが紳士の証
「アルフォンスのばかー!」
そうやって大声で叫びながら、僕は飛び起きた
「ここどこ?」
周りを見ると、僕は石で出来た建物と建物の間にある井戸近くの長椅子で寝ていたようだ。少しの間周りを見ると、学校で習った世界史で西洋の建物みたいだ。建物と建物の空間に、井戸と作ってそこで奥様方がおしゃべりしたり子どもたちが遊んでいたりするんだよーって話しを聞いたことを思い出した
僕がいた日本の建物とは明らかに違う
僕はアルフォンスの言っていたように本当に異世界に来たんだと理解した。そういえば、この世界がどういった世界なのか聞いてなかった。それに言葉とか文字とか大丈夫なんだろうか?
そう思うとどんどん不安になってきた…
「ダメかも…」
そう小さく呟いた
「どうしたの?」
声をかけられた方を見ると、10歳くらいの女の子に話しかけられた
「いや、初めてで迷っちゃったなー」
って言葉が通じるわけないでしょー!と心の中で叫んだ
「旅人なの?迷ったならここの出て右のほうをまっすぐ進めば宿屋があるよ」
あれ、言葉通じるんだ… それなら言われたとおりにしてみよう
「あー、ありがとう。それじゃバイバイ」
「バイバーイ」
軽く挨拶をして女の子と別れる。狭い路地を抜けると視界が広がった。周りにはそれなりに人がいて、屋台みたいなお店もあって武器屋とか、道具屋とか、料理屋とか色んなお店がひしめき合っている
見たことのない野菜や果物に、異世界っぽい服などが売られていた。まるで、ゲームの世界に入り込んだみたいで楽しかった。僕はそれらを見て周りながら宿屋を探した。
宿屋のマークらしき看板がついた家を見つけた。宿屋は他のお店よりも二回りくらい大きくて2枚扉のドアが閉められていた。恐る恐る扉を開けると、中は薄暗くて所々傷んでいて少し埃っぽい。家具がそれなりにはあって、カウンターみたいな所もあった
カウンターの奥には、40代くらいの髭もじゃのおじさんがイスに持たれながら寝ていた
「宿屋になんのようだ?」
僕が近づくと突然そう言いながら体を起こした
「えと、旅人なんですけど宿を借りれないかなと思いまして」
おじさんの目がすごく怖くて下を向きながらそう答えた
「旅人?兎族が一人で旅をするなんて珍しいな、兎族がこんな街に来ることも珍しいが…」
ん?兎族ってなんだろう?
「兎族ってなんですか?」
そう聞くとおじさんはすごく呆れたような顔になった
「お前の頭についてる耳としっぽはかざりかなにかか?」
そう言われて頭を触ってみる、するとなんかフサフサしたものが付いてる。いや、頭から出ているみたいだ。少し強めに引っ張ると頭全体が引っ張られる感じがする。さらにお尻を触ってみる、そこにはフサフサした丸状のものが…
「ええーーー!アルフォンスの言ってた獣人って兎なのーーー!!」
あまりの驚愕に僕は大声で叫んでしまった。おじさんはその僕を見てさっき以上に怖い顔をしている
「お前、金はあるのか?…」
そう言えばお金って持っているのだろうか?布で出来た自分の服を触って確認してみる。ポケットみたいなのはあったがそこにはボロボロのお菓子があった
ポーッケットの中からビスケットがーひとつー
ビスケットと呼べないほどのボロボロなお菓子があるだけで何も持ってなかった
「………ないです」
やっとの思いでそう言うことが出来た
「…はぁ、悪いがうちは今部屋を貸すことが出来ねぇ。武器商人のロイスの所に行って、宿屋のボリスが代わりにとめてくれと伝えれば一晩はとめてくれるだろ」
そういって、おじさんことボリスは少しだけ優しい顔で言ってくれた
「ありがとうボリスさん!ロイスって人の所に行けばいいんだね!」
僕はここに来る前の武器屋のことを覚えていたので、すぐに宿屋を飛び出した
「おい、あんまり目立つような行動するなよ!・・・・・・・・・あんなかわいい子が危険な目に合わなきゃいいが」
最後まで読んで頂いてありがとうございました