衝撃告白
俺、絶賛フリーズ中。
「…はい?」
「…だからオニ対策本部だ。」
きっと漫画だったらおれの周りをハテナマークが取り囲んでるに違いない。
だってさ、他の奴がいったら訳わかんない冗談になるけど、生徒会長の目笑ってないんだもん。
まじで言ってるよ、この人。
「⁇⁇」
「…もしかしてさぁ、玄ちゃん。」
俺の様子を見兼ねてか、焔が口を開いた。
「なんだ。」
「キリ、気づいてないんじゃないかなー。自分の力にさぁ。」
「…まさか。
「あのー…ホントにわけわかんないんですけども…。」
先輩、頭大丈夫ですか?
という言葉は飲み込んだ。
先輩の目が嘘でも冗談でもなく本気だってことがすぐに分かったから。
なんだろう、この俺だけ分かってない空気。居た堪れない。
生徒会長様は少しの間黙って俺の顔を見ると、背もたれに寄りかかって足を組んだ。
「最初から説明する。
まず御堂麒里。
お前は人外の力を持っている。」
「…ハイ?」
「陰陽五行説というものを知っているか?」
「…知らないです。」
「陰陽五行というのは木火土金水で成り立つ。
お前の家、御堂一族は代々土の力を持つものを輩出している。
そしてお前はその力を持っている。」
「土の…力?」
え、何?よく分かりませんが。
あぁ、もしかしてあれか。
高校生で盛大な厨二び
「厨二病じゃないよぉ。」
げふん。心が読まれた。
生徒会長様が続ける。
「俺らはその五行の力を使いオニと戦っている。」
「オニ…?」
そこで焔が口を挟んだ。
「キリは前の土の人からなんか聞いたりしなかったの?」
「…いや、この話自体初めて聞いたし…。」
そもそもそんな突拍子もない話信じてないし。
「…確か前の人は…御堂麟太さんって人だったよーな…」
焔の口から出た名前に俺は驚いた。
「なんでその名前を…?」
御堂麟太。俺の親父の名前。
俺が焔と会ったのは昨日で、
お互い初対面でもちろん俺の身の上話なんてしてる暇なんてなかった。
だから焔が親父の名前なんて知っているハズないんだ。
「麒里の知ってる人だったぁ?」
「…それ…俺の親父の…」
「麒里のお父さん?」
「…あぁ。」
もういろいろ頭の中がごちゃごちゃだ。
俺が黙り込んだのを見て生徒会長様が焔に話しかけた。
「焔。」
「なにー?」
「昨日、低ランクのオニが3丁目の公園ででたらしい。
取り敢えず御堂麒里を連れて行って来い。」
「へーい。了解でーす。」
「お前だけで平気だな?」
「まぁねー。」
「日があるうちがいいだろう。
今すぐ行って来い。」
「うぃ。行こ、キリ。」
焔は返事をするが早いか素早くローファーを突っかけ俺の腕をつかんだ。
考え事をしていた俺によける暇なんてカケラもなかった。
「へっ?あ、ちょっ…まっ!」
「じゃ、いってきまーす!」
「…待てってぇ!」
俺は駆け出した焔に引っ張られる形で部屋から飛び出した。