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俺の知ってる異世界と違う  作者: オッド
第六章 悪の秘密組織オリバー
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46 真相究明

「全く、一体何だっていうのよ。ちゃんと説明しなさいよねッ!」

「え、えっと、何から話していいのやら……」


 倒れたスフィアを隣の部屋で休ませる。

 そして、俺はクレアに今にも殴られんばかりに詰め寄られていた。


「大体、なんでオリバーの連中なんかと一緒にいるのよッ! ま、まさかナイトもやつらの仲間だったの!?」

「い、いや、仲間というかなんというか……」

「もう、さっきから要領を得ないわねッ! 誰かこの状況を上手く説明できるやつはいないのッ!?」

「ふふふ、そういうことなら僕が話そう。オリバーで一番優秀なこの僕がねッ!」


 ニースがドヤ顔でクレアの前に立つ。

 おい、バカ、そんな態度でクレアの前に立ったら……。


「ぐはぁ、な、何故いきなり殴ったし!」

「なんとなくよッ!」


 ほら、言わんこっちゃない。

 イライラしてるときのクレアはまさに全身凶器みたいなもんだ。

 不用意な発言はなるべく控えておかないと痛い目に合うのだよ。


「あ、あれ? ちょっと、あんた何したのよ! 急に動けなくなったんだけど!」


 クレアがジェミンのほうキッと睨み付ける。


「うぇいうぇーい、話が進まないから、ちょっと身体を動けなくしたのよさ。ちょっとは人の話にも耳を傾けるってのが筋ってもんだろう~?」

「わ、分かったわよ! 聞くわ、聞くからこの気味の悪い束縛を解きなさいよねッ!」


 どうやらジェミンがクレアの動きを止めたようだ。

 ようやく大人しくなったクレアに、分かる範囲で説明することにした。






「ふん、アンゼンだかアイゼンだか知らないけど、お兄ちゃんは理由もなく人を殺したりしないわッ! つまり、どこかへ走り去ったソニアが何らかの嘘を付いていたんじゃないかしら?」

「どうかな、ソニアとはほとんど会話をしなかったしなあ」

「……? 何言ってんのよ、ソニアのロバの耳とかっていうスキルでここまで来たんでしょ?」

「ロバの耳じゃなくて地獄耳だっつーの。まあ、あれだ。ソニアの代わりにスフィアが話をしてくれていたんだ。心を読めるスフィアがね」


 そういって、スフィアが寝ている部屋のほうを見る。


「でも、クレアだってオリバーの連中を警戒してたんだろ? ゲーム機に発信機まで取り付けちゃって……」

「何の話? 私、ゲーム機にそんなものを付けた覚えはないわよッ!」


 え?

 おかしいな、ゲーム機の発信機のせいですぐにクレアに見つかるという時間を何度も繰り返したのに。


「そもそも、あのゲーム機は私が作ったものじゃなくて博士が……」

「……! 待って、その博士って今どこにいる?」

「な、何よ急に。博士なら、今も幻想の町レジェンダにいるんじゃないかしら」

「よし、行こう。幻想の町レジェンダへ!」


 俺は、クレアの手を引っ張る。


「ま、待ってくれ。僕も一緒に行く。その博士とやらが何か関係しているんだろう?」

「ああ、俺の推測が正しければ、その博士は――」









 クレアに案内してもらい、魔法で博士のもとへと移動する。

 一緒についてきたニースが驚いた表情をしている。


「……アイゼン先生? ど、どうして? 三年前に死んだんじゃ……」

「ククク……。やあ、ニース、久しぶりだね。まさか君たちがここまでやってくるとは思わなかったよ」


 白衣を着た若い男が出迎える。

 こいつが、博士……いや、アイゼン先生というわけか。


「ちょっと、どういうことなの!?」

「え、えっと、だから、三年前に死んだはずのアイゼン先生が生きていたってことさ」

「なんで? 幽霊なわけ?」

「いや、おそらく、ソニアに嘘の情報を流したのさ。遠くの声が聞こえてしまう、地獄耳のスキルを逆手に取ってね。そう、三年前のあの日。勇者ファルスに殺されるという嘘の芝居をして、幻想の町レジェンダに移り住んだ。そうだろう、アイゼン先生?」


 アイゼンが不気味に笑いながら、手を叩く。


「ククク……。見事、見事だよ。全て君の言うとおりだ。そして、勇者ファルスを殺したのも、この私さ」

「なんですって!? あんたが私のお兄ちゃんを……、許せないッ! サンダーボルトォッ!」


 アイゼン目掛けて雷撃魔法を使うクレア。

 至近距離から発せられた超強力な雷は物凄い轟音と共にアイゼンの研究所を破壊した。


「あ、あぶねぇ、おい、クレア。俺たちもいるのにいきなり魔法をぶっ放すんじゃねぇッ!」

「な、何よ! だって、あいつが、あいつが私のお兄ちゃんを……ッ!」


 辺り一面が黒焦げとなり、煙がもくもくと立ち上っている。

 さすがに、アイゼンも今の魔法じゃ跡形もなく消し飛んでしまったか……。

 

「ククク……、勇者の力とやらはその程度かい?」

「な、傷一つ負ってない!? バカな、あり得ないッ!」

「ククク……、残念だよ。どうやら私は強くなりすぎてしまったようだね。どれ次は私の番だ」

「き、消えた!?」


 一瞬にしてアイゼンがその場から姿を消す。

 まさか、こいつも移動魔法が使えるのか?


「ぐあぁああああッ!」

「ニースッ! くそ、いつの間に後ろに!」


 後方にいたニースがアイゼンに首を掴まれ持ち上げられている。

 こいつも何か特殊な能力を……?


「ククク……、ニース、君の役目ももう終わりだ。私の実験に付き合ってくれて感謝しているよ。この私自らの手で葬ってやろう」


 アイゼンがニースに向かって手をかざした。

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