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俺の知ってる異世界と違う  作者: オッド
第六章 悪の秘密組織オリバー
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42 タイムリセット

「わぁ、これ、面白いですね!」

「フッ、そそそんな玩具で喜ぶなんてスフィアもまだまだ子どもだな」

「あ、あのあの、ニースさんもやりたかったんですね。気付かなくて、ごめんなさい。どうぞやってください」

「べべべ別にそいうわけではないんだがな。ま、まあスフィアがどうしてもって言うならやってみるかな」


 あ、あれ……?

 目の前にはゴーグル型ゲーム機を囲んでワイワイと盛り上がっているスフィアたち。


 どうなっているんだ?

 デジャブ……?

 いや、違う、俺は確かにクレアに炎の魔法で焼かれたはずなんだが……。

 一体、何がどうなってやがる。


「あ、あのあの、どうかしましたか?」

「いや、ちょっと不思議な事が起こってな。夢でも見てたのかな……。この光景、さっきも見たような気がするんだ」

「そうですか。うーん……」


 スフィアが首を少し傾け、顎に手を置き何やら考え事をしている。


「ハハハ、ごめんごめん、スフィアを困らせる気はなかったんだ。忘れてくれ、きっと俺の思い過ごしだろう」

「ぐわああああっ!」


 突然、ゲームをプレイしていたニースの叫び声が響き渡る。

 慌てて、駆け寄る俺たち。


「あ、あのあの、どうしました? 大丈夫ですか?」

「うぐぐ、こ、これはゲーム機に見せかけたトラップだったようだ。僕としたことが迂闊だったぜ……ぐふ」


 そう言い残して、その場に倒れるニース。

 やっぱりおかしい。

 この光景、前にどこかで……。

 確かこの後、ジェミンが祭りから帰って……。


「ただいまなのさ! あれ? あたいが出かけてる間に何があったんだい?」


 本当に帰ってきた。

 いったい、何がどうなってやがるんだ!



 


 同じことを繰り返している?

 わからない。

 何がどうなっているんだ。


 そのあとも、前と同じやり取りを延々と繰り返していく。

 俺は混乱しながらも、その状況を見守ることしかできなかった。

 そうこうしているうちに再びクレアがやってきてしまう。


「パンパカパーン、お待たせしましたー。勇者様の登場ですよー! ちゃっちゃと終わらすわよ! 全てを灰に! フレイムバーストッ!」

「ぬわーっ!」


 俺はクレアの炎の直撃を受けるのだった。






「わぁ、これ、面白いですね!」

「フッ、そそそんな玩具で喜ぶなん……」

「ちょっと待てええええ!」

「……? どうしたんですか、ナイトさん、突然大声を上げて」

「ちょ、ちょっとゲーム機で遊んでただけじゃないか、そ、そんなに怒るなよな」


 何これ、どうなってるの?

 無限ループって怖くね?


 一体、何が起こってるんだよ。

 まるで時間が巻き戻って……。


 ――時間!?


 そうか、時間が戻ってるんだ。


「おい、ニース。お前だろ、お前が何かしてるんだろ?」

「ななな、なんだよいきなり。僕が一体何をしたというんだ!」

「時間だ! 時間を戻してるだろ!」

「……そうか、また時間を戻してしまったのか」

「そうかって、覚えていないのか?」


 俺が尋ねるとニースは暗い表情でふぅとため息をついた。


「すまないね。僕のスキルは不完全なんだ。術者である僕はもちろん、時間とともに記憶も全てリセットされるんだよ」

「な、なんだって!? それじゃあ全く役に立たないスキルじゃないか! このままずっと同じやり取りを繰り返すっていうのかよ!」

「それはちょっと違うな。『タイムリセット』の原因となる人物の記憶は保持される。つまり、君が未来を変えれば無限ループから抜け出すことができる、というわけさ」


 な、何を言ってるんだ。

 俺が、変える?

 未来を?


 そんな、どうやって!?


「あ、あのあの、詳しいことは分かりませんが、もしニースさんのタイムリセット現象が起きているならば、解決方法は一つだけです」

「なんだ? どうすればいいんだ?」

「バッドエンドを回避する、それだけです」


 バッドエンドを……回避するだって?


 話を整理するとこうだ。

 ようは、ニースにとってバッドエンドとなるような出来事が起きた場合、数時間ほど時間が強制的に巻き戻る。

 それを回避するには、未来を変えるしかない。

 もし、回避することができなければ、同じやり取りを繰り返し続ける。

 そして、未来を変えられるのは、唯一記憶を保持している俺だけ。


「うわあああああ、なんだよ、なんなんだよこれ! 完全に詰んでるじゃねーか! 俺に未来を変えろだって? そんなの無理に決まってるじゃねーか! 俺はただの一般人なんだぞッ!」

「まあ落ち着けよ。大丈夫、何も君一人で全てを解決させなければいけないわけじゃない。教えてくれ、君の見た未来を! これから起きる出来事を!」


 ニースが声を震わせながら、俺の肩をポンと叩いてきた。


「わ、分かった。これから起きることを全て話そう――」


 俺は、これから起きる出来事をニースたちに話すことにしたのだった。

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