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俺の知ってる異世界と違う  作者: オッド
第五章 それぞれの想い Part2
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35 魔道図書館とミルフィ

「ひいぃぃっ! もう勘弁してくれえええっ!」

「おらおら、大人しくしろって言ってるだろうが! ああん? おら、黙って服を脱ぎやがれ」


 ここは、カラリア王国より南東部に位置する魔道図書館。

 魔道兵器に関する魔道書が見つかったということで調べに来た、はずだったのだが。


 俺は、ミルフィさんに鬼の形相で追いかけまわされるハメになってしまう。


「な、な、なんで俺が魔力検査をしなきゃいけないんだよ!」

「つべこべ言わずにこっちに来いやあああああっ!」


 怖い、怖すぎるよ。

 まるでホラー映画だよ。

 検査道具の超巨大メスを片手に走り寄ってくるミルフィ。

 必死に逃げ回る俺。


 と、そこで床に置かれていた魔道書に足を引っ掛けて転んでしまう。

 まずい、こ、殺される……!







「ハァハァ、も、もう勘弁してください」

「あらあら、すっかり検査恐怖症になっちゃったみたいね~」


 注射や虫歯治療といった生易しいものじゃない。

 検査という名の拷問なのだ。

 こんな検査を喜ぶやつなどいるはずがない。


「それで、今更俺を検査して何の意味があるんですか」

「秘密です」

「はい?」


 なんで秘密なんだよ。

 俺たちは魔道兵器スライムに関する書物を調べてたはずなのだ。

 それなのに、ミルフィさんが豹変して俺を検査するなどと言い出した。

 当然、そんな意味の分からない申し出を受けるわけにもいかずに逃げ回っていた、というわけだ。


 結局、捕まって生き地獄を味わったわけだが……。




「これから、一ヶ月に一回検査することにするので、そのつもりでいてください、ね?」

「絶対にイヤです」

「ダメよ、これもナイト君のためなんだから、ね?」

「そ、そんな密着されてもイエスとは言いませんからね。というか、ミルフィさん結婚したんでしょう? こんなところ見られたら勘違いされてしまいますよ!」


 検査は口実で、俺をどうこうするのが目的なんじゃなかろうな?


「そう、そうなのよ~。聞いてくれる? ビッツェさんったら私と結婚するって言いながら、毎日シャルノちゃんと地下室で何かしているのよ~。これって絶対浮気よね? ね?」

「あ、それは、魔道兵器のことを研究所で調べているだけだと……」

「だからね、私も浮気することにしたのよ~」


 あの、人の話聞いてます?

 ミルフィさんがぐいぐいと俺の手を引っ張る。


「は、はぁ、そういうのはあまりよくないと思うんですけど」

「目には目を、浮気には浮気をって言うじゃない? ね?」

「言いませんよ。大体、誰と浮気する気ですか」

「もちろん、ナイト君よ~?」


 俺は、そのまま抵抗できずに押し倒されてしまう。

 と、そこでまた後ろから物凄い殺気を感じる。


「みーるーふぃー? これは一体どういうことなのか説明してもらおうかしら?」

「あらあら、見つかっちゃったわ~」


 振り返ると、クレアが拳を握りしめて立っていた。


「遅いと思って、様子を見に来てみれば……! この裏切り者ぉおぉおッ!」

「まあ、クレアちゃんったらせっかくの可愛い顔が台無しよ? 落ち着いて、ね?」


 ミルフィさんがなだめるも、クレアの怒りは収まらずに魔法をぶっぱなし始める。


「お、おい、やめろよ! 本が、本が燃えるぅうう! 図書館が壊れるうぅ!」

「あらあら、仕方ないわねえ。静寂の彼方へ深き眠りに誘わん! エターナルスリープッ!」


 ミルフィさんが何かの魔法を唱えると、クレアはその場に倒れてクークーと眠り始めた。


「な、なんですか今のは」

「うふふ、私のとっておきの睡眠魔法よ? この魔法を使われた相手は永遠に眠り続けるの。すごいでしょう? ナイト君も試してみる?」

「なんですか、その危険な魔法は! 勇者を永眠させてどうするんですか!」

「大丈夫よ~、私はあらゆる状態異常を回復できますから~。でも、しばらくは眠っていてもらいましょう、ね?」


 まあ、暴れられても面倒だしな。


「では、さっきの続きをしますか~」

「だから、俺は浮気に加担する気はないですって!」

「その続きじゃなくて、魔道兵器の調査の続きよ~」

「あ、なんだそっちですか」

「あらあら、もしかして、ナイト君もまんざらでもなかったのかしら~?」


 うぅ、否定できない俺が情けない。


「ふふ、ナイト君さえよければ私はいつでも相手になってあげるわよ~」

「あまり俺をからかうとビッツェさんに言いつけますよ?」

「まぁまぁ、つれないのねえ~、そこが可愛いんだけど、ね?」


 やれやれ、ミルフィさんはどうも苦手だ。





「おい、人の嫁に手を出してんじゃねーぞ! アツアツのカレーを頭からぶっかけんぞ? ああ?」

「あらあら、ビッツェさんったら私のことが心配になったのですか? まあ、イヤだわ私ったら。うふふ~」


 しばらくして、どこからか図書館へとやってきたビッツェ。

 何やら、ミルフィさんとベタベタとイチャつき始める。

 浮気だなんだってのは、どこへいったのやら。

 そのまま二人でどこかへと行ってしまった。


「全く人騒がせだなあ……、ん?」

「くーくー」


 あ、あれ?

 ちょっと、ミルフィさん?

 何か大事なことを忘れてますよー!

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