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俺の知ってる異世界と違う  作者: オッド
第四章 カラリア王国の陰謀
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26 廃墟と化したカラリア王国

「いい加減そこをどきなさい! この泥棒猫ッ!」

「ニャンと言われようともどかないニャア」


 かれこれ数十分、ずっとこの調子だ。

 じゃれあってる場合ではないはずなのだが。


「あんたの仲間なんでしょ、なんとかしなさいよ」

「うーん、レミエルにはレミエルの考えがあるみたいだからなあ」


 と言っても、いつまでものんびりしてるわけにはいかない、か。


「……? ところでさっきから何をしてるの?」

「ああ、ちょっとこの機械を調べてたんだ」

「この、四角い箱のこと? これがなんだっていうのよ」

「いやさ、魔道兵器や天候を操る魔法に関するデータがあるかと思ったんだけど、ロックされてて中を見ることができないんだ」


 どうやらパスワードを入力しないと起動できないようだ。

 スライムが魔道兵器ならば、それをなんとかする方法を知りたかったんだけどな。

 まあ、見れないものは仕方がない。


 とりあえず、ここから出る方法を……。


「そいやっ!」

「ちょ、おま、なにやってんだ!」

「え? この箱の中を見たかったんでしょ?」

「……ば、ばかやろう! そういう意味の中じゃねえよ! どうすんだよ、機械壊しちまって!」


 目の前には、クレアのパンチで粉々に砕け散った機械の残骸。

 あああ、貴重なデータがッ!


『緊急事態発生! 緊急事態発生!』


 突然、警報が鳴り響くと同時にアナウンスが流れる。


「な、何よこれ?」

「お前が、機械を壊すからだろうがッ!」


 機械を壊したせいで、防犯システムが作動したのかもしれない。

 毒ガスとか出たりしないだろうな?


『カラリア王国に、スライム出現を確認! ただちに現場に急行せよ! 繰り返します! カラリア王国に――』

「えっ? なんだよこれ。スライムって魔道兵器なんだろ? だったら、どうして――」


 スライムを意図的に町に出現させていたというわけではないのか?

 この警報には一体、何の意味が……。


「ちょっと、ナイト何やってんの。早く行くわよ!」

「行くってどこに? あ、あれ? レミエルは?」

「知らないわよ! さっきの警報を聞いてどっかにすっ飛んで行ったわ!」


 部屋の扉が開いており、そこにレミエルのは姿はなかった。

 兵士長たちの行方も気になるところだが、今はそれどころではない。

 カラリア王国はこの世界で一番の人口を誇る大都市だ。

 そんなところでスライムなんかが暴れたら大変なことになる!





「お、王国が破壊されてる!? これもスライムがやったのか!?」

「……どうしてよ、どうして! なんで、スライムは私から何もかも奪うっていうのっ!?」


 クレアの移動魔法でカラリア王国に戻る俺たち。

 すでに町は廃墟と化し、見るも無残な姿となっていた。


「おい、しっかりし……」

「放してよ! あんたも、本当は最初から知ってたんでしょ? 私を……騙していたんでしょう?」

「何を言ってんだよ。俺が騙す? 何のことだかさっぱり……」


 フーフーと荒い息遣いで俺に殴りかかってくるクレア。

 その目は怒りと悲しみに満ちていた。


「おおーい、君たち!」

「か、から揚げのおっさん! 無事だったのかっ! 一体何があったんだ?」

「いやー、オレにもさっぱりだ。急に兵士が戻ってきたと思ったら料理が降り出したり、大量のモンスターが暴れだしたり、もう何が何やら……」


 兵士が、帰ってきた?

 勇者なしでどうやって帰ってきたっていうんだ。


「ナイト、話し込んでる場合じゃないわ。とにかく城に行ってみましょう!」

「お、おう。から揚げのおっさん、ありがとうな!」


 少し冷静さを取り戻したクレアが言う。

 俺たちは、カラリア王国の城を目指して走り出す。





「……ッ!? な、なんだこれはっ! 兵士たちがやられている……?」

「ちょっと、しっかりして! スライムね? スライムにやられたのね?」

「ち、違……兵士長が……」

「兵士長? 兵士長にやられたの? ねえ!」


 城に到着した俺たちは驚愕の光景を目の当たりにする。

 城の中にはあちこちにカラリア王国の兵士が倒れていた。

 兵士長にやられたというのか。

 

 一体、何故――?




「……ッ!? お、お前は……」


 俺が兵士に気を取られていると、後ろから槍で突き刺されたのだった。

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