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Limit Break Online  作者: 円連
第三章:出撃、サーシャ小隊
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第五十八話 エクストラミッション 弱肉強食戦【3】

 飛んできた炸裂弾をリヴァイア・サクトゥの頭部で受ける。結構な衝撃だがダメージ的には軽微、グリフィアル・ツレイは後方へ飛び退きながら、尚も炸裂弾を発射するが、それも大した被害にはならない。ライフルでの銃撃が殆ど通じないと悟ったダニーはシールドとライフル銃を背部の武器取り付け装置に収めると、こちらに両腕を向けた途端に三本爪がジャキンと伸びた。おまけに両腕合わせて六本の爪は熱を帯びたのか鈍く赤い光を発しだした。

 接近戦を受けて立ってくれるのか、こちらと違って向こうは万能なんだな。


 戻ってきた左腕を接続し、二刀流の構えをとる。

 向こうは後退を止め、停滞し、右腕を体の中心に合わせ上段に、左腕を下段に構えた。


 刀と爪で打ち合おうと接近を試みるが、何故か気後れして機体の動きを止めてしまう。

 なんだか迫力のある構えだな。


 あの構えでは右腕が頭部カメラの死角になって、こちらが良く視えない筈なのに、俺の方が相手の距離感を測れないでいる。


「どうした?来ないのか?来ないなら此方から行くぞ!・・・・・・くっ、なんて月並みな台詞を俺は口にしちゃったのよ!!」

 ダニーは相当な技量の持ち主だろうに、言動が軽すぎて気が抜け油断してしまう。

 天地の構えのまま、スーっと近付きつつ、腰のブラスターカノンからエネルギー弾が大量発射される。

「うっ、なんだ?近接戦闘を、するんじゃ、無いのかよ!」

 幾百ものエネルギー弾がリヴァイア・サクトゥを襲う。

 両腕を十字に組みながら右側方へ回避を試みるが、半分以上のエネルギー弾を食らってしまった。


「当然だろ、接近戦に銃撃しちゃいけないルールなんて無いぜ。」

 接近するスピードを上げたグリフィアル・ツレイの右爪がリヴァイア・サクトゥの左肩を抉る様に斬りつける。

「勿の論で近接武器も使っちゃいますけどね~。」

 続いて此方の右脇腹を狙って繰り出される左爪を天裂刀で受け流し、逸らされた勢いを止めぬまま、くるりと廻って回し蹴りが頭部を狙い打つ。


ガキン!


回避は間に合わず、きつい一撃を貰ってしまった。

強烈な蹴りに吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる寸前に低空飛行で難を逃れるが、上空から更なる受難、エネルギー弾の雨が降り注ぐ。


ガ、ガ、ガ、ガ、ガン


 背部装甲と両脚にダメージを受け、大地を抉りながら墜落、重力制御装置の性能が一割ダウンする。だが、これは一時的なものであり、飛行にさしたる影響はなく、戦闘も継続可能の様だ。


「おいおい、何発当てれば壊れるのかな~?頑丈すぎて、おじさん疲れちゃったよ。」

「安心してくれ、もうすぐ終わらせる。」


 負けず嫌いの気質に火が付いた。


 双刀を太刀に換装し、グリフィアル・ツレイ目掛けて飛び上がる。

 再び撃ち撒かれるエネルギー弾、それをドラゴンロア(龍の咆哮)で迎撃、エネルギー体を四散分解させ、ドラゴンロアを受けて怯む敵機の眼前にまで躍り出ると、すれ違いざまに天裂地爆刀で横薙ぎに斬り払う。

 咄嗟にグリフィアル・ツレイは両方の爪で刃を受け止めようとするが、六本の爪全てを切断し本体胸部の装甲を破壊する。

 グリフィアル・ツレイの上方で反転、破壊の影響で動きが鈍っているのか、背中を晒す隙だらけの敵機目掛けて両肩から双龍砲を発射し、更に水龍弾に追い付き追い越す勢いで重力加速を加えた蹴りを叩きつける。水龍弾とほぼ同時に加えた三撃により、背中のシールド諸共背部装甲と腕部装甲を破壊、背中をくの字に折り曲げ落下していくが、まだ攻撃の手は緩めない、狙いを定め赤き眼から赤き光線ローズレイを発射、大地に叩きつけられたグリフィアル・ツレイが、意地を見せんとばかりに立ち上がろうと両手を地面に押し当て頭を上げる。そうはさせじと地面へ縫い付けるが如く告死光線が脳天を貫いた。

 土塊を巻き上げながら爆発するグリフィアル・ツレイ。


「とどめだ。」


 もはや残骸しか残っていないであろう破壊痕目掛け天裂地爆刀を突き立てる。

「駄目押しのー!ドラゴンクエイク!!」

 太刀を突き立てた地面を中心に亀裂が広がり、鳴動する大地が沈み、それに反し所々で岩塊が浮き上がり、重力振動により巨大なクレーターが形成された。


 ドラゴンクエイクの発動が止み、周囲が静寂を取り戻す。

 ここで漸くトウマは冷静さを取り戻し、やり過ぎたと思い、必死にグリフィカル・ツレイを探すが、欠片さえ見つからない。

 ゲームとは言え殺っちゃったかと後悔の念に苛まれるが、そんなトウマへ救いの通信が入ってきた。


「いや~、やる事成す事ド派手だねぇ~、羨ましくって妬・け・ちゃ・う・ぜ!」

 この軽薄な口調は間違いなくダニーだ。辺りを見渡しても見つからないがダニーが生きている事は間違いなさそうだ。

「ダニー、どこだ?やり過ぎちまって悪かったな。」

「新規開発された自動脱出装置だよん。全ての新型には標準装備だろうが、当然、お前さんの機体にも取り付けられてるだろ?」


 ・・・そんなものは無い。


 脱出装置なんてもんがあったら撃墜されてもカルマを失わずに済むのだろうか?だとしたら俺のAQAにも取り付けて貰いたいものだ。


 脱出装置の支給に思いを馳せていると、通信姉さんから通信が入る。


「グリフィカル・ツレイの撃墜を確認、テストスコアは七十三点、採用候補に決まりました。」

 七十点を越えれば合格なのだろうか、ダニーの技量によるところが大きいだろうが、なかなかの性能だったからな、採用も頷ける。


「続きまして、試作四号機の模擬戦闘を開始します。トウマさん、まだ戦闘の続行は可能ですか?」


 えっ?まだ続くのか?

 機体の損傷は無視できないが、まだ戦えるかと聞かれれば、まだ戦えるよな。

 少し躊躇したが、俺はYESを選択する。


「了解しました。それでは試作四号機『ゴレイエム』を発進させますね。」


 俺の戦いはまだ・・・まだ続く?

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