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Limit Break Online  作者: 円連
第三章:出撃、サーシャ小隊
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第四十八話 ミッション4:基地襲撃【3】

 ナックは右通路を曲がり南方向へ、キタは左通路を曲がって北の方角へ、俺は機体スキル【飛行】を使って飛び上がり、そのまま直進、東方向へと向かう。


 しつこい様だが、不純な動機で戦果を挙げようとしているのではなく、自軍や小隊の為に・・・・いいや、家族に楽な暮らしをさせてやりたいから・・・いや、偽善はよそう。突き詰めて考えればキタやナックと同じ、自分の為に俺は戦っているのだ。アイツ等を不純だなんて非難できる立場じゃなかった。


「ヘマをした者が全責任を負う、うん、乗った。」


 飛行しながら直進を続けていると、先行する【AW】青龍玉が敵三機を感知、戦闘の敵BFAはオーグスより一回り大きく、バズーカを所持している。他の二機は外部装甲を持たない虫型人機で、識別マーカーは【AS】を表している。

 オーグスの上位機体だろうか、こいつならリヴァイア・サクトゥの栄養になりそうだ。


 相手が上位機体だろうが敵機の死角から青龍飛腕と青龍玉で奇襲する戦法に変わりはない。

 BFAの後頭部へ青龍玉がぶつかる。続けて下方向から右青龍飛腕のアッパーが敵機の顎を捉え頭部装甲を破壊、更に左青龍飛腕が敵機の顳かみを掴みアイアンクローで締め上げる。

 BFAは青龍飛腕を両手で掴み引き剥がそうと藻掻いている間に、BFAへと駆け寄ってくる二機のASを双刀で斬り倒しに掛かった。

 天裂刀を右側ASの左肩から右脇へ袈裟斬りに、勢い余って左側ASの左腰から右脚大腿部までを斬り落とす、地爆刀は逆に左側ASの右肩から右脇へ、勢いそのままに右側ASの右腰から左脚大腿部までを斬り落とした。

「秘剣【双機三枚下ろし】ってところかな。」

 揺らめく黒い塊が飛んできて、それを吸収する。BFAのASはアイテムドロップはしないがソウルは貰える様だ。


【20ソウル獲得】×2


 武器を落とし、青龍飛腕を取ろうと苦悶しているBFAを背後からガブリと食すと、素体レベルが上がり、機体スキルを入手。

 とどめを刺す前にバズーカを拾っておく、敵の武器を奪える事はオヅヌから聞いていたのだ。


【素体レベルアップ】:レベルが40になりました。

機体スキル【洞察】を入手しました。

【砂砲】サンドバズーカを入手しました。

【30ソウル獲得】


 機体スキルに関して分かってきた事がある。取得しやすいスキルと、しにくいスキルがある様なのだ。

 取得しやすいスキルは、【暗視】、【防音】、【低音】、【感知】、【察知】、【洞察】など、修理系スキルを所持してると取得しやすくなる【修理】、【修繕】、【修復】などがある。【暗視】や【感知】は小隊員の殆どが獲得している程だ。

 取得しにくいスキルの事をナックはレアスキルと呼んでいた。

 どのスキルがレアスキルなのかは不明だが、おそらく【飛行】や、【瞬歩】はレアスキルなんだろうな。



 再び東へと進み、先程の戦闘以降は敵に遭遇することもなく、程なくして行き止まりに突き当たる。そこでまた突き当りを見上げれば、やはり上方に通路が見えたので、飛行で飛び上がり直進を続けた。それを何度か繰り返すうち、徐々に道幅は狭くなり、天井も低くなっていく。

 仕舞いには匍匐前進でないと進めない程の狭さになっていった。

「もしかして、挟まって出られなくなるのではないだろうか・・・。」


 そんな俺の心配を余所に、先行して飛ばしていた【AW】青龍玉が室内への抜け穴を発見、青龍玉に通気口から忍び込ませ室内を覗かせると、そこは基地制御室だった。


「あまり戦果をあげてないけど、一番乗りしちゃったよ。」

 制御室内に敵BFAは二機、扱えているのかは不明だが、制御装置を操作しているようには見える。

 武器を所持していない敵を背後から襲うのは心苦しいが、これも任務だと自分に言い聞かせ【無音】で近付き、一機を持ち上げ、もう一機の方へ投げた。重なり合った二機のBFAを【太刀】天裂地爆刀で串刺しにし、そのまま持ち上げ、おでんを食べるように【クラッシュバイト】で二機を交互にガブリ、ガブリと食した。


機体スキル【操作】を入手しました。

機体スキル【制御】を入手しました。

【32ソウル獲得】×2


 何ともタイムリーなスキルを取得した。これが固定獲得スキルってやつか、早速使ってみよう。

 制御装置の前に立ち、機体スキル【操作】と【制御】を発動させ、色々と装置をイジってみる。


・警報装置を停止させ、哨戒兵や警備兵に発見されても通報されないようにした。

・監視カメラの映像を差し替え、味方機を映さないようにした。

・基地内の隔壁を開閉させ、味方機と敵機を分断させる。

・司令室のロックを解除し、司令部への侵入を可能にした。


トウマ「こちら三班、制御室の制圧完了、警報装置を停止、監視カメラの制御に成功、隔壁を操作し敵機体を隔離、司令室のロックを解除した。これより司令室、及び格納庫へのルートマップを転送する。」


 マップを送り終える頃にナックが、続いてキタがやって来た。

ナック「くそっ、遅かったか。」

キタ「あかん、俺だけやったら敵を倒すのに時間が掛かりすぎるわ。」


 二人は悔しがっているが、敵に発見されないように隠れ、時に戦い、ミスを犯さずここまで来れた事は流石だと思った。

 もし俺のAQAがリヴァイア・サクトゥでなければ、単独でここまで来れるかどうか自信はない。


キタ「いつまでも、嘆いていてもしゃあない、第二ラウンドといこうやないか、次は・・・先に格納庫を制圧したもんの勝ちってのはどうや?」

 監視カメラで格納庫内を見てみると敵BFAは九機もいる。いくらオヅヌでも苦戦を強いられるだろう。

トウマ「よし、急いで二班の加勢に行こう。」

ナック「ああ、メイプルに俺の勇姿を見せるチャンスだしな。」

 俺達三班は勢い勇んで格納庫へと向かう。




 だが、俺たちが駆けつけた頃には、既に格納庫内は二班に制圧されていた。

ウェス「あ、ナック、キタ、それにトウマも来てくれたんだ。」

キタ「なんや、なんや、もうやっつけたんかいな。BFAの残骸すら残ってへんやないか。」

ウェス「うん、オヅヌの御陰で、無傷でここまで来れたよ。敵の装甲を破壊したら最後の一撃を譲ってもらったりする位、余裕があったよ。」

オヅヌ「いや、メイプルのレベルアップも目的の一つだったから・・・。」

メイプル「ありがとう、オヅヌ。」


 AQA越しでは伺えないが、今ナックの表情は、かなり苦いものになっているに違いない。

 そんなナックにメイプルは話しかけてくる。

メイプル「ナック副隊長、格納庫にあった大型輸送車は☆ミッションとほぼ同一の物の様です。ですが、隣の戦艦ドックに収まっている建造中の戦艦は☆ミッションの物とは大きく違っています。」


 ・・・何とも事務的な報告だな。


ナック「ああ、その様だね。」

 力なく頷き返すナックであった。



ナック「こちら三班、二班の格納庫制圧を確認、一斑による速やかな司令部の制圧に期待する。」



 戦艦ドックの方に移動してみると、建造中、いや、外観だけで判断すると、塗装以外は完成しているのではないだろうか。

 戦艦の形はサソリに似ていて、カニ型戦艦『カルナバルホヴィ』を細長くし、巨大な尻尾型の砲台を搭載した様な、全長約三百メートル、全高約五十メートル(尻尾砲台長を除く)級の巨大戦艦である。


ウェス「完成してるっぽいよね。」

トウマ「ああ。」

キタ「よっしゃ、試しに乗り込んでみよか~。」

 即断即欠のキタが即行動に移り、ハサミ部分のカタパルトデッキから戦艦の中へと乗り込んでいった。


 メイプルが戦艦ドックの脇に塗装用の機械を発見、現状は黄色が基調のカラーリングが設定されていた。

トウマ「やはり、黒軍なんだから無難に軍色の黒で良いんじゃないか?」

ウェス「いや、格好良い戦艦は白か赤だよ。」

ナック「戦艦といえば水色に赤じゃないか。」

メイプル「思い切って可愛い色にしませんか?」

オヅヌ「勝手に決めたら隊長に怒られるぞ。」

 オヅヌの一言で全員が口を噤んだ。

 噂をすれば影がさすとはよく言ったもので、丁度サーシャ隊長から連絡が入った。


サーシャ「司令部を占拠したわ。後はイベント発生を待つのみよ。みんな、ご苦労さま。」


 労いの言葉を受け皆が安堵の息を漏らす。

 そして、イベントが発生、前線基地を目指して黒軍数百機が向かってくる。敵BFAは自軍基地を乗っ取られた事により前線基地からゾロゾロと撤退していく。その数は百や二百では収まらない。

 もしも、哨戒兵に見つかっていたなら、こいつら全機相手にしなくてはいけなかったのか・・・。失敗しなくて良かった。本当に良かった。


 味方を基地内へと引き入れる為、俺達は格納庫に集結し、格納庫のハッチを開き、軍団の到着を待った。



 ところが、味方の軍団が前線基地へと到達する直前に、上空から敵軍の戦艦が現れ、軍団は一方的に爆撃を受ける。

 更には、撤退していった敵BFA兵が転進し攻め込んできたのだ。

 慌てて隔壁を閉じ、侵入を防ぐがいずれ攻め入られてしまうのは目に見えている。

 俺達は撤退を余儀なくされ巨大輸送車に乗り込み逃走を図った。


 あ、あれ?戦艦は放りっぱなしになるのか?

 これでミッション終了なのかーー??

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