第三十九話 クロスイベント オヅヌ・コクギンゼンコVS青軍メッサツ武士団【2】
『敵を知り、己を知れば百戦危うからず。』だったかな?兵法家の金言に習い、機体スキル【洞察】で敵のステータスを調べてみる。
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エネミーネーム:コクギンゼンコ
機体レベル:45 RANK5
【メッサツ武士団所属】
パイロットネーム:ザンシロウ(NPC)
素体レベル:35 小隊長 エースパイロット
AQA:波打極丸 RANK4
パイロットネーム:シオリ(NPC)
素体レベル:19
AQA:共嵐丸 RANK3
パイロットネーム:ツクモ(NPC)
素体レベル:19
AQA:共嵐丸 RANK3
パイロットネーム:サネミツ(NPC)
素体レベル:13
AQA:符吹 RANK2
パイロットネーム:アキマサ(NPC)
素体レベル:13
AQA:符吹 RANK2
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センカクゴギュウの時もそうだったが、エネミーネームと表示されればコクギンゼンコは敵だと誤解してしまうよな。
味方なら、フレンドネームや、サポーターネーム、コントラクターネーム等があるだろうに、エネミーネームは勘弁して欲しかった。
さて、戦場に目を戻すと、メッサツ武士団は分身する様にASを呼び出した。
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青軍ASの特徴
・武将・軍師型AS以外のASは、呼び出したAQAから特殊指示が出されない限り、同じ種類のASは同じ動きをする。
・ASに素体はなく部位も分けられていない。耐久力以上の損傷を与えれば撃破となる。
・何度でもASの呼び戻しは可能だが、ASを撃破すれば呼び戻しは不可能になる。
・ASを呼び出したAQAを撃破すれば、そのASは退却を始める。
AS:大桃侍 RANK3
一刀鬼面の武士型AS、攻撃力は低く、防御力は高い。
AS:死置忍 RANK2
無刀無面の忍び型AS、防御力、耐久力は低く、機動力は高い。武器は手裏剣。
AS:座古 RANK1
一刀無面の足軽型AS、全ての能力値が低い。
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隊長機はRANK3武士型ASを四機、AQA共嵐丸はRANK2忍び型ASを各二機、AQA吹雪はRANK1足軽型ASを各二機、AWは装備していないようだが、それでも計十七機。
対して、こちらの戦力はRANK5コクギンゼンコ、RANK3AQAオミナスプリガンと、RANK3妖精型AW二機の計四機。AQA吹雪の二機は、コクギンゼンコにより頭部装甲や腕部装甲を失っているとはいえ、その戦力差は大きい。
前回の経験を踏まえて考察すると、戦闘開始時、メッサツ武士団はコクギンゼンコへの攻撃を優先する。このまま放っておくとコクギンゼンコはメッサツ武士団に撃破されてしまう。最も注意しなければいけないのは隊長機であり、隙を与えれば高威力の戦闘スキルを使用してくる。
メッサツ武士団を攻撃すると全員がこっちに殺到してくるかは不明だが、青いAQAを食べると一斉に襲われる危険があるので、栄養摂取は最後にしておきたい。捕食したいのはRANK4の隊長機とRANK3のAQA二機であるが、優先すべきは隊長機の方だろう。
紫の妖精AWと金の妖精AWを射出、俺は戦場から遠ざかり、序盤は安全な位置からAWの二機のみで戦うつもりだ。二機のAWに紫の鱗粉と金の鱗粉を撒き散らさせて妖精の叫びで敵を麻痺させAS座古を四機を破壊する。麻痺したのはAQA吹雪二機とAQA共嵐丸二機、動きが鈍ったのはAS大桃侍の四機だ。AS死置忍は状態異常には耐性があるようで、動きが鈍るどころかダメージすら与えられていない。隊長機は刀をひと振りすると旋風が起こり鱗粉を吹き飛ばし鱗粉攻撃を回避された。
AQA共嵐丸二機の内、頭部装甲を破壊され、素体部分が見えているアキマサ機の頭部を集中的に狙い、妖精AWの光弾で攻撃する。
さらばアキマサ、こんにちはサネミツ、アキマサ機を撃破し20ソウルを得た後、狙いをAQA符吹に変えた。
コクギンゼンコは隊長機と激闘を繰り広げている。波打極丸の刀身が青く光り、刀をひと振りすると青い光の刃がコクギンゼンコを切り裂く。
雪の上にコクギンゼンコの赤い機油が走る。
「ウゥガォゥ!」
お返しとばかりにコクギンゼンコの虎爪が赤く輝き、虎爪が虚空を掻けば五爪の刃がAQA波打極丸の肩に食い込む。
互いに睨みを利かせると、示し合わせたかのように同時に駆け出し、刃と牙が交差し、機体と機体が擦れ違う。
雪上に再び滴り落つるは両者の機油、混ざり合い、染み渡り雪原を緋に染める。
振り返り、幾度も交差する虎爪と刃、見事な脚さばきで虎爪の豪腕を紙一重で躱しては切り返す、コクギンゼンコも大したもので、波打極丸の連撃を多少斬られはするものの、最小限の損傷で済ませ致命傷は避けている。
不意にコクギンゼンコの瞳が赤から緑に変わる。バシュ!両眼から緑の光線が放たれるが、AQA波打極丸は既のところで屈み込み光線を躱した。
波打極丸は立ち上がりざまに一閃、刃は牙と牙の間を抜けてコクギンゼンコの右頬を切り裂いた。
「グガォゥ!」
コクギンゼンコは前脚を振り上げ、隊長機へと倒れこむように赤く光った虎爪を振り下ろす。
波打極丸は後方へ大きく飛び退くと、代わりに前進してきた四機のAS大桃侍が戦闘スキル【赤十字虎爪刃】へ刃を叩きつける。
AS四機掛りでもコクギンゼンコの渾身の一撃を弾くこと適わず、逆に弾き飛ばされ雪煙を巻き上げ雪に埋もれてしまう。
後衛に回っていたAQA波打極丸は刀を胸の前に掲げ気合を込めたかと思うと、青い光の膜に覆われ、膜が三つに分かれると、光は収まり波打極丸が姿を表す。その数三機、波打極丸は三機に分身したのだ。
三機のAQA波打極丸が刃に青い光を灯す。右上段から袈裟斬りに刀を振るう。刀を素早く振り上げ今度は左上段から袈裟斬りに刀を振るった。
隊長機の戦闘スキル【青×字輝気刃】が三つ並走しながらコクギンゼンコへと襲いかかる。
猛然と青×字輝気刃を迎え打つコクギンゼンコ、その虎牙と双虎爪が赤く輝き、赤虎牙は青×字輝気刃を噛み砕き、赤虎爪は青×字輝気刃を掻き潰す。
だが、無傷では凌げなかった。口元からは止めどなく機油が漏れ、両方の前脚からも機油が流れ落ち、辺り一面の雪は朱に染まって行く。
やはり、如何なコクギンゼンコでも隊長機が相手だと分が悪いか、早くなんとかしないと、また契約破棄したと怒られるな。
俺の方はサネミツ機を撃破したところで、他の機体の麻痺が解け、自由に動き出したAQA共嵐丸を再度、鱗粉攻撃で麻痺させ動きを止める。常時忍び型ASから手裏剣で狙われ続ける妖精AWだが、所詮は空を飛ぶ者、飛べぬ者の差は大きく、二機の忍者ASを撃破し、残るはAQA共嵐丸二機とAS死置忍二機のみである。
このタイミングで俺は接近戦を仕掛けに敵機に近寄る。
AS二機はAW二機に光弾射撃で牽制させ、自機は麻痺している右側のAQA共嵐丸にリボルビングショットガンを撃ちまくり、左側のAQA共嵐丸をスパイクロッドで殴りまくる。主に背部、腰部、脚部の装甲を集中的に狙い破壊していく、途中で麻痺は解けたが、機動力と回避力を削いだ甲斐あって、敵AQAは、こちらの攻撃を避けられなくなっていた。俺は敵機と至近距離で、殴るわ、斬るわ、撃つわ、二対一のノーガード戦に持ち込んだ。頼もしきは機体スキル【剛力】、打ち合いになると必ず押し勝ち、敵機の体勢を大きく崩す。損傷率からいっても無傷の自機と、二度の【アウトブレイク】を受け、背後からの連撃も重なり、満身創痍の二機を葬るのに然したる時間はかからなかった。
止めにカプカプとAQA素体を食べたところでイベントが発生、三機の隊長機が鬼の形相で此方へ振り返り、鬼気迫る勢いで駆け寄って来る。
「おのれ悪魔め!貴様はこのザンシロウが成敗してくれるわ!」
斬るわ斬るわ、三機掛りでオミナスプリガンを滅多切りにしようと刀を振りまくる。
だが、神業とも言える機体操作で全ての斬撃を躱しきった俺、ずっとイベントシーンが続けば良いのにと思うが、スパイクロッドで三機を振り払ったところでイベントシーンは終わってしまった。
・・・残念。




