第三十八話 クロスイベント オヅヌ・コクギンゼンコVS青軍メッサツ武士団【1】
ステージ移動が完了し、周囲を見渡してみると、真っ先に目にするのは城、それも日本の城だ。雪が積もっている事から季節は冬であり、幸いなことに雪は止んでおり、視界は良好である。俺が今いる場所は丘陵地であり天守閣とほぼ同じ高度に立っている。見下ろしてみると大きく『封』と書かれた大きな城門があり、その前に青が基調のAQAが五機、その内の二機が呪符を手に呪文を唱えている。
城門に書かれている封の文字が徐々に青く発光し、呪文を唱えていたAQAが呪符を城門に貼り付け、他の機体は腰に差した刀を抜き身構える。
あれは銀虎を封じる為の城なのか、前回の魔法陣と違って封じるのに随分と金がかかっていそうだな。
その金も無駄に終わるのだろう。銀虎を封じている城門が内側から圧力を受けて外側へ軋み曲がっていくのが、ここからでもよく見て取れる。
「アキマサ、封印を強化するのだ。この際、封殺禁呪符を使用をしても構わん。」
「御意。」
隊長からアキマサと呼ばれた機体が先程の呪符よりも大きな金色の呪符を取り出し、印を切り、呪文を唱え、城門に叩きつける様に貼り付けた。
その甲斐あってか城門の揺れが収まる。
「よくやったぞアキマサ、これで封印は完成じゃ。」
気を抜いた瞬間に城門は破られるのだろうが、その前に青のAQA部隊が俺の存在に気づく。
「やや、丘の向こうに黒のAQAが潜んでおりますぞ。」
「怪しい奴め、恐らく黒軍の間者でしょう。拙者が成敗してくれます。」
非常に良く似た展開を経験した記憶があるのだが、デジャヴだろうか?
青のAQA隊が此方に気を取られていると、今度は城門どころか城までもが大きく揺れだした。
「そんな馬鹿な!我が封印が破られるというのか!」
封印城が砂煙を撒き散らし音を立てて瓦解していく、城門ではなく城の方が崩壊したのだ。
そして城門の上に大きな虎の前脚が見えるやいなや、虎爪を立て門扉の枠ごと城門を破壊する。
「我を封じるには些か小城過ぎたな。」
瓦礫を踏みしだき現れたのは御存知、黒と銀の縞模様、銀虎こと『コクギンゼンコ』、眼は赤、牙は白、虎爪は琥珀色をしている。
先に仕掛けたのはコクギンゼンコ、呪符を貼っていたアキマサ機を頭からガブリと噛み付き、頭部装甲を喰い千切る。
口内で機械装甲が爆発するが、何事も無かったかのように残りカスを吐き捨て、別のAQAへと虎爪を振りかざす。
刀では虎爪を受け止めること適わず叩き折られ、その勢いすら削げず腕部装甲が爆発、襲われたAQAは雪積もりし地面に叩きつけられる。
ここでイベントシーンが終了。自由になった指をほぐし、操縦桿に力を込める。
「太古からの契約に従い、助太刀するぜコクギンゼンコ!」




