第三十七話 ミッション3:友軍支援【5】
俺は慌ててリフレクトサウザーの包囲網を突破し、攻撃範囲から逃れるが、リヴァイアサクトゥは龍玉AWを射出し、自動防御機能で白色光線を反射させカニ戦艦のハサミ砲へと弾き返した。
これにより右側ハサミ砲は大破し、その機能を失わせる。反射には反射で対抗するか、流石はトウマだ。
残り時間も気になるが、エネルギーの残りも僅かになったので、俺は一旦、補給をしに基地へ戻ることにした。
トウマ機のサポート役として【遠隔】スキルで動かし続けられる妖精AW二機を残しておき、オミナスプリガン本機は戦場を離れ前線基地へと向かう。
リヴァイア・サクトゥにとって厄介なのはスランスランのみだろう、妖精AWの属性は氷雪属性に変更しておき、基地に着くまで俺はスランスランを凍らせ固める事に専念する。
制限時間は残り四十五分、片道十五分の往復で三十分、エネルギー補給はすぐだとしても、復帰後の戦闘可能時間は十五分弱か、【スピリットスフィア】の連射をするしか打つ手が無いのが辛いところだな。
ピピピッ。
前線基地まであと少しの所でレーダーに反応があり、どうやら前線基地後方にいる敵機を感知したようだ。
敵を示すマーカーは一つ、一機のみという事は・・・もしかすると、またセンカクゴギュウを召喚できるのだろうか?
前線基地に着くと素早く補給を済ませ、足早に反応を示す場所へと向かう。
確か以前のは空飛ぶ赤い牛だったよな、今回は空飛ぶ青い虎になっている。別物なのか?
まあ、召喚条件は前回と同様に落として食べるだろう。間違えてはいけないのは召喚した相手を倒してはいけないこと、太古の契約に基づき『コチラへ加勢してもらう代わりにアチラにも加勢してやる。』だったよな。
フワフワと宙を漂っている青虎をリボルビングショットガンで撃ち落とし、その身にかぶりついた。
やはり子牛の時と同じく、栄養にはならずにレアアイテム【虎鬼の証】へと変貌を遂げる。
そしてイベントシーンに突入、今まで快晴だった空が急に曇天へと変わり、ポツリポツリと雪が降り注いでくる。その雪も強風が吹き荒れだすと吹雪に変わり、みるみる大地を白に染め上げていく。吹雪の奥から見えたるは赤く輝く双眸と、銀と黒の縞模様、それは虎だ。AQAの倍以上の体格をした銀色の猛虎が大地を揺るがし現れ出でた。一声上げると疾風の如くカニ戦艦に向け一直線に駆け出す。
その膂力は数機のフィアッツリーをひと撫でで粉砕し、その激走はリフレクサウザーを軽々と吹き飛ばし、鋭き虎爪は掠っただけでスランスランを泡のごとく掻き消した。瞬く間にカニ戦艦の元へと接近した銀虎は強く大地を蹴り上げ、カニ戦艦の背面鋼殻装甲上へと飛び乗った。そして白く輝く牙がカニ戦艦の頭部装甲を易々と噛み砕く。
銀虎は砕いた鋼殻を吐き出し、両虎爪を砕いた鋼殻の穴に突っ込み、そのまま鋼殻装甲を左右へと裂き開いた。
耳障りな金属音を響かせながらカニ戦艦の背面鋼殻装甲は一気に割けて行き、銀虎は戦艦内部に潜り込むように虎爪を立てながら切り裂いていく。内部から、緑白色のどろりとした機油が止めどなく溢れ出す。銀虎はカニ戦艦の背から飛び降り勝利の雄叫びを上げる。その咆哮が収まるのを待っていたかのように、戦艦の随所から爆発炎上の轟音が響き出し、八本の脚は動きを止めカニ戦艦は爆散する。
時間切れでやり直しになるよりはマシだが、こうもあっさりと倒されると今までの苦労はなんだったのかと考えさせられる。
だが、熟考する間もなくレアアイテム【虎鬼の証】が光り始めると、AQAは雪に包まれ視界は白に染まり、俺は別ステージへと飛ばされて行く。




