第三十五話 ミッション3:友軍支援【3】
|リミットブレイクオンライン《LBO》というゲームは同じ展開にはならないのだろうか?
作戦内容はエース機の支援であり、ミッション名は友軍支援である。なのに友軍である|ノンプレイヤーキャラクター《NPC》のエース機は現れず、前線基地司令官から|エースであるトウマ機の支援をする様に言われた。なるほど、確かにトウマは友軍であり、エースでもある。俺から見るとこのミッション内容は妥協できるが、トウマから見ると支援すべきエース機が居ないのだから、このミッション内容は矛盾していると言わざるを得ない。
だが、司令官からトウマに告げられたのは、『エースなんだから自分の身は自分で守れ、それと、ついでに次期エース候補の支援をしろ。』である。
納得できるか?俺の作戦内容は、エース機の支援【をしてクリアせよ】。
対して、トウマの作戦内容は、エース機の支援【によりクリアさせよ】。
・・・AMIDAよ、作戦内容は『エース機を支援』、もしくは『エース機が支援』のどちらかで統一してくれ。
心のボヤキはこのくらいにして、気を引き締め直し、攻略に取り掛かろう。
今回はタイムアタックではなく、敵の捕食とパーツ集めが主な目的だ。
この先のミッションを有利にクリアする為には施設や軍備の拡充が必要になるだろう。そこで、俺達は軍資金の確保が重要と考え、売却用パーツを出来るだけ集めることにした。まあ、幸運力がマイナスの二人でアイテムを集めるのは非効率的だが、無いよりはマシだろう。
第一モニターに六機の敵機を発見、敵の名称は『リフレクトサウザー』、如何にも反射させますといった名称と風貌のカニだ。
先行するトウマが早速、ロケットパンチで敵機を二機撃破する。続けて双刀で二機を切断、返す刀で残りの二機を斬り倒した。
援護する間もなく全機撃破してしまった。俺の役目は今にも消えてしまいそうなパーツ拾い、一つは拾う前に消えてしまいトウマに謝られるが、パーツ集めもろくに出来ない自分の不甲斐なさに打ち拉がれてしまう。
そんな俺に対しトウマは、リヴァイア・サクトゥが先行しすぎてしまわない様に、機動力で劣るオミナスプリガンの速度に合わせる気遣いを見せてくれた。
その御陰で次に現れた蜂型ロボ『パラサイトビー』戦では、九機の内、三機を倒す事が出来た。
続いての相手は、十二機の大樹ロボット『フィアッツリー』だ。樹木に窪んだ黒い目、枝の鼻、大口を開け、何本もの木の根の脚を蠢かせ、緑の葉を揺らしながら迫ってくる。こいつは火属性の攻撃が有効なので、紫と金の妖精AW二機を機体スキル【属性変化】で炎属性攻撃が可能な赤の妖精に変化させる。
赤い鱗粉をフィアッツリーへと撒き散らし、赤の妖精AWが静かな叫び声を上げると鱗粉は粉塵爆破を巻き起こし、フィアッツリーを紅蓮の炎で包みこむ。
このフィアッツリーは常緑の広葉樹にしてはよく燃える。赤の鱗粉攻撃を一回使用しただけで全機全焼させてしまった。
倒して直ぐにフィアッツリーの残骸は消失点滅を始めたので、慌ててパーツを拾い集める。
次の敵はロボットには見えないスライム型のロボ『スランスラン』だ。ここまでくると、このミッションが何を題材にしているかが分かってきた。
銃で撃っても、棍棒で叩いても、さしたるダメージを与えられない。流石のトウマも、この敵には苦戦している。以前はキタという仲間がスランスランの体を固めて倒したらしい、今回は体質変化攻撃の代わりに妖精AWを【属性変化】で白の妖精に変え、氷雪属性攻撃で液体を固体にしてやろうと白の鱗粉攻撃を発動させる。
凝結させたスランスランをスパイクロッドで叩き壊して行く。対処法さえ分かれば正しく美味しい敵だ。
氷アイスの様にガリガリと平らげると、素体レベルが上がり、合成スキル【液体】も入手できた。
この合成スキルは武器やスキルと合成する事が出来る。【液体】と上手く組み合わせられる武器やスキルがあるかどうかは不明だ。下手すると使い物にならなくなってしまうかも知れない、合成させる場合は効果を十分考慮し、慎重に組み合わせることにしよう。
さて、十五機のフランフランを倒したあとは、勿論、栗型・・・いや、イガグリ型だったが、十八機の『モンブルーノ』が球体に生えた幾千本の針を俺たちへ突き刺しに高速で回転しながら突進してくる。
装甲が硬く数の多いモンブルーノに対し、攻撃力の低いオミナスプリガンでは苦戦を強いられ、ほとんどの敵はトウマが処理してくれた。
龍の叫びからの地震攻撃で突進攻撃を止め、水流嘔吐で動きを封じ、鉄杭を召喚し、囲んでからロケットパンチからの眼からビーム、最後に雷電迸り攻撃で止めを刺す。
イガグリの殻を破った後には、栗型ミサイルが飛んでくるが、これの迎撃には待ってましたとばかりに、俺は二機の妖精AWとリボルビングショットガンで撃ち落としていく、不甲斐なくも数発のミサイルを撃ち漏らしてしまったが、射出れていたリヴァイア・サクトゥの|龍玉AWの自動防衛機能により撃墜された。
栗拾いに勤しんでいると、ボス登場イベントが発生、柿の木に登っている猿が熟していない柿を投げてくる。
はいはい、これって『さるかに合戦』だよな、こうなれば隠しボスは親父ガニで決まりだな。
隠しボスの出現条件は中ボスのサル型ロボ『アオナグナル』を倒さずに、ボスである五十メートル超の巨大柿の木『グラカキン』を倒すことではないかとトウマに提案する。
隠しボスを倒したところで、カニ型AQAは遠慮したいところではあるが、贅沢も言ってられない。
想像もつかないが、格好良いボスカニである事を祈るのみだ。
アオナグナルは執拗にリヴァイア・サクトゥを狙って青柿を投げている。例えそれを受けたとしても、ダメージは無きに等しいらしく、トウマは気にせずグラカキンへ攻撃を集中させていた。俺も赤の妖精AWでの射撃と、巣から飛び出てきたパラサイトビーの迎撃を行いトウマを援護する。
大量に落下してくる鉄の実には二機の妖精AWで弾き飛ばし、地中から飛び出してくる木の根はスパイクロッドで打ち払う。そして攻撃の隙を見計らいグラカキンの幹に噛み付き、素体レベルを上げ、AWの遠隔操作可能距離を伸ばす機体スキル、【遠隔】を入手した。この時、トウマもグラカキンの幹体に牙を突き立て栄養を得ていた。どうやら前回のミッション攻略時は食べる暇さえ惜しんでいたそうだ。
その後も順調にダメージを積み重ね、グラカキンは最後の足掻きをみせてきた。顔を大きく歪ませるほど巨大幹体を限界まで捻り、その反動を利用し、俺達に向け巨大な枝腕を打ち振るってきたのだ。二段ジャンプで枝腕を飛び越え、返し振るわれる枝腕をまた二段ジャンプで飛び越える。
グラカキンの口内が比較的安全地帯となっているそうだが、隠しボス発生条件に引っ掛かる可能性もある為、今回は利用しないことに決めている。
枝腕を飛び越えては反撃、乗り越えては反撃、それを繰り返しているとついにグラカキンは力尽き、直ぐ様パーツを拾い集め、残るは中ボスのアオナグナルのみとなったところでイベントが発生、予想通り隠しボス登場イベントとなった。




