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Limit Break Online  作者: 円連
第二章:オヅヌ覚醒
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第三十二話 クロスイベント オヅヌVSセンカクゴギュウVS赤軍アーカイブ魔法兵団【2】

 マイナス幸運力により集中攻撃を受けるものと考えていたが、アーカイブ魔法兵団はセンカクゴギュウを優先的に攻撃している。

 センカクゴギュウも俺を狙わず赤いAQAをターゲットにしていたが、俺の撃った散弾が当たるやいなや赤いAQAへの攻撃を中断し、オミナスプリガン()の方へとグレートアックスを投げつけてきた。

 まさか主武器(メインウェポン)を投げてくるとは思ってもみなかった。横っ飛びで回避を試みたが避けきれず脚部に巨大斧の刃が食い込み、勢いそのままに巨大斧諸共自機は岩壁へと激突、全部位にダメージが走る。壁との衝突による衝撃で脚に食い込んでいた刃からは解放されたが、落下によるダメージも加算される。

 操縦席内に重度の損傷を受けた事を告げるアラームがけたたましく鳴り響く。だが、損傷度を確認する間もなくセンカクゴギュウの追い打ちが迫る。

 腰を屈め頭を前に突き出し、鋭く尖った黄金の角で風穴を開けてやろうとばかりに砂塵を巻き上げながら突進してきた。

 

 これを喰らってしまっては一巻の終わりだ。二段ジャンプで回避しようとしたが操縦にまごつき上手く行かず、ほぼ真横に二回飛ぶような形でセンカクゴギュウの突撃を避けた。勢い余って黄金の角は深々と岩壁に突き刺さる。摩擦抵抗により角を引き抜くのは困難であろうから今が反撃の好機かと思われたが、センカクゴギュウは岩壁にパンチやキックの連打を浴びせ、最後に摩擦抵抗など何するものぞとばかりに頭を振り上げ、岩壁を削りながら強引に引き抜いた。

 最後に、壁に突き刺さったままの巨大斧を引き抜くと、上段に構え岩壁に向かって振り下ろす。すると岩壁には縦横無尽に亀裂が入り、一拍置いて岩壁は砕け崩壊する。破壊跡を一瞥すると、まるでそこに隕石が落ちてきたかの様な有様であり、その恐ろしいまでの破壊力に俺は戦慄し、背筋が凍る思いがした。


 恐らく今のが一連のコンボなのだろう、斧を投げ、突進し、連打を浴びせ、斧の一撃で止めを刺す。全ての攻撃を受ければ最後だろうが、最初の攻撃を避ければ大きな好機とも言える。センカクゴギュウの連続攻撃中も魔法兵団によるセンカクゴギュウへの攻撃は続いていたのだが、それでも攻撃の手を休めることはなかったのだ。


 ひと鳴きするとセンカクゴギュウは魔法兵団へ向けて走り出し攻撃を再開する。魔法兵団の隊長機から他のAQAへ黄色い三角錐形の魔法が飛び、魔法を受けたAQAは黄色く発光するバリアを張る。

 【洞察】によると赤いAQAの性能は攻撃力、命中力、脳波力、魔法力(黒軍で言う精神力)が高く、防御力、耐久力、回避力や機動力は低い。

 バリアは巨大斧の一撃を受けると四散し、攻撃を受けたAQAは吹き飛ばされ壁や地面へ衝突、その衝撃により損傷しASは消える。

 一撃ではやられないが、このままではいずれ魔法兵団のAQAは落とされてしまうだろう。センカクゴギュウを倒したあとは魔法兵団との戦闘が始まるはずなので、センカクゴギュウを倒すためには撃墜されて欲しくないが、ノーダメージでも困るのだ。なんとも歯がゆい戦闘を強いられているな。


 損傷度の確認をすると脚部のダメージは95%、残り耐久力は5、非常に危ういところであった。【修理】【修繕】スキルで耐久力を回復させる。一度に全回復はしないが、こちらに攻撃してくるものはいないので何度でも回復作業はできた。


 回復し終え、モニターの表示を確認すると、隕石落下まで残りあと一分、それまでに少しでもダメージを重ねておきたい。

 俺はセンカクゴギュウから出来るだけ距離を取り相対位置を合わせると、手持ちの武器を収め両手の平を前方に掲げる。

 精神力を消費し光球を作り出す。それは精神力を込めれば込めるほど威力が増大する戦闘スキル【スピリットスフィア】である。

 光球の周りを妖精の姿をした二機のAW(アクセントウェポン)が飛び回る。

 妖精の鱗粉を受けてか、光球は金色と紫色に点灯を繰り返し発光、更に精神力を消費しAQAと同程度の大きさまで拡大させた。


「充填完了、タイミング合わせ、4、3、2、1、【スピリットスフィア】発射!」


 射った直後はゆっくりと、そして徐々に加速して行き、最後には目にも止まらぬ速さでセンカクゴギュウの右肩に直撃する。

 センカクゴギュウはスピリットスフィアが当たった衝撃で蹌踉めきはするが武器も落とさずに踏み堪え、怒りの咆哮と共にグレートアックスをこちらに投げつけてきた。

 俺は機体を横っ走りさせながら横っ飛びで飛来する巨大斧をなんとか躱す。

 本来ならこのタイミングで追撃の双角突進が俺を襲いに来るのだが、その途中で突撃を妨げる隕石がセンカクゴギュウに打ち当たる・・・筈だったのだが、スピリットスフィアに付加された麻痺効果が効いていた為か、隕石はセンカクゴギュウの手前で落下、黄金の角は隕石を突き刺し、それを摺り押しながら自機の方へと迫ってくる。

 流石の怪力でも隕石を押しながらでは速度が乗らず、突進とは呼べない突撃は悠々と回避する事ができた。


 ここで機体スキル【感知】が発動し隕石が採取ポイントになっていると判明、隙を見てアイテム採集を試みる。

 結果、RANK5鉱石や、宝石を入手。これでRANK5AQAが造れるかと思うと俄然やる気が出てきた。

 隕石を岩壁まで押しこむとセンカクゴギュウは角を引き抜こうとするが上手く抜けないようだ。只の岩壁とは違い鉱物の塊だからだろう。

 この隙を見逃す手はない、ここぞとばかりにセンカクコギュウの背面に集中砲火を浴びせる。

 ある程度ダメージを与えたからだろうか、突如イベントが発生する。

 魔法により魔法兵団の隊長機から透明感のある赤い翼が生え、空中へ飛び上がると両手を天に掲げ幾つもの魔法陣を描き出す。呪文を唱え魔力を注いでいると天空より無数の隕石群が落ちてきた。

「まさかの【メテオストライク】か?」

 ファンタジーゲームでは最強クラスの呪文であろう、隕石召喚呪文をミッション2で見られるとは驚いた。


 落下地点予測表示を見ると、隕石はステージ全域に落ちてくるようだ・・・いや、岩壁には降り注がないようで、センカクゴギュウが崩した岩壁の一画のみ安全地帯になっている。今ならまだ間に合う、自機を移動させようとしたが・・・動けない、俺はまた忘れていた。まだイベント中だった事を・・・。


 隊長機から隊員機へ魔法が飛ばされ赤いバリアが機体を包む。おそらく隕石防御の呪文なのだろう、勿論、敵である俺の方には呪文は飛んでこない。共闘しているのだから、ケチくさい事はしないでバリアを貼ってくれても良いだろうに・・・。


 迫り来る隕石群、思わず「牛さん、メテオ、メテオ!」と言ってやりたくなるが、センカクゴギュウは角を抜くのに必死でそれどころではない様子。

 俺は喋ろうにもイベント中なので身動きできない状態だ。当たる直前にイベントシーン終了とかは無しにしてくれよと心の中でゲーム神(AMIDA)に祈りを捧げる。

 神様に祈りが通じたのか、俺の体は意思とは無関係に操縦桿を握り、神業とも思える操縦テクニックで降り注ぐ隕石群の隙間を掻い潜りながら回避し続ける。数多の隕石群を避けきったところでイベントは終了。

 メテオストライクを真面に受けたのはセンカクゴギュウで、その背中には無数の隕石が刺さっており、隕石に刺さっていた黄金の双角は根元からポキリと折れていた。こんなに強い攻撃が出せるなら封印は必要だったのかと疑問が湧いてくるが、魔法を撃つのに時間が掛かっていたから、余程隙だらけの相手でないと繰り出せないのであろうと都合よく解釈しておく。

 それでもセンカクゴギュウは倒れず怒りの形相で隊長機を睨んでいる。

 

 ここで再び【感知】が発動、折れた黄金双角が点滅している。

 角を折れば拾えるアイテムになるのか、きっとAQAの素材になるはずだから急いで回収しないとな。

 二本の黄金角を手に入れ、次は尻尾も切り離せばアイテムになるのではないかと予測し、【スピリットスフィア】で尻尾の付け根を狙い撃ってみた。

 予想は的中、尻尾は胴体から千切れ飛び点滅状態になっている。

 巨大斧を回避し、角の突進から体当たりに変わった攻撃も避け、尻尾の先にある鉄球を手に入れた。

 更に手元に残った尻尾に齧り付き、センカクゴギュウの栄養を取りこむ。尻尾は二噛みで失くなり、完全栄養摂取には至らなかったが素体レベルが28にまで上昇した。もう一噛みすれば少なくともレベル30は超えるはずだ。


 そんな俺の期待とは裏腹に場の空気は静まり返っている。

「そんな、AQAが敵を食っただと?」

「バ、バケモノめーー!!」

 共闘していたはずの魔法兵団から銃口が向けられ、容赦ない魔弾の連射を浴びせられる。

 なんだ?こいつら(魔法兵団)は敵を食わないのか?

 疑問は記憶の片隅に追いやり、敵機に意識を集中させた。三機の連携攻撃を受け損傷しながらも回避し続ける。あちらはあちらでセンカクゴギュウの攻撃を避けなければならない、隊員機が巨大斧の一撃を受けて吹っ飛んでいく、すかさず隊長機がフォローに入るが、俺にとっては好機到来だ。残るRANK2のAQA(魔法兵団隊員機)妖精型AW(アクセントウェポン)による麻痺攻撃(アウトブレイク)を決める。そして、スパイクロッドとリボルビングショットガンの連撃で頭部と体部の機械装甲を破壊、ついでに噛み付いてやると栄養を摂取できたので、有り難く頂戴する。

 素体レベルは上がらなかったが、精神力が1上がった。

 敵機の素体を確認すると、電子回路や沢山の機械部品が見える。あれは完全にロボットだ。


 機械を食っても栄養が摂れるなら半獣半機の敵も同じではないだろうか?次のミッションで試してみよう。


 頭部装甲を破壊されたAQAは新たにAS(アクセントソルジャー)を召喚できなくなるようで、AQA単機で攻撃してくる。

「成程、狙いは頭部だな。」


 吹き飛ばされていたAQAが戦線に合流してきたところを紫の妖精AW(パープルフェアリー)の光弾で頭部を破壊、同じく隊長機の頭部を金の妖精(ゴールドフェアリー)で攻撃するが猫型AWに邪魔され失敗する。そういえば隊長機は未だに無傷っぽいな、角を失って弱体化したのか、センカクゴギュウをも圧倒しているし、先に倒すべきは隊長機だっただろうか?

 そうこう考えていると、隊長機が魔法の鎖でセンカクゴギュウを縛り動きを止めさせる。そして、両手を天に翳し複数の魔法陣を浮かび上がらせた。



 まずい!あれは隕石群召喚魔法(メテオストライク)じゃないか!

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