第十六話 インターバル【1】
流石はゲームだと感心しつつ、機体のステータスを確認する。
ステータス確認
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パイロット:トウマ 操縦レベル:4
AQA:リヴァイア・サクトゥ(トウマ専用機) 素体レベル:32 装甲ランク:5
素体能力値:全能力+75
専用機補正:幸運力を除く全能力+50、幸運力-200
最大攻撃力:740(95)
最大防御力:473(48)
最大回避力:442(27)
最大命中力:451(86)
最大脳波力:359(24)
最大耐久力:422(57)
最大精神力:165(40)
最大幸運力:-254(-129)
最大機動力:540
※括弧内の数字はパイロット能力
戦闘スキル:戦闘レベル:1【クラッシュバイト】、【スラッシュバイト】、【エネルギーバイト】、【サテライトオーブ】、【ハイドロウェイブ】、【ドラゴンロア】、【ドラゴンクエイク】、【ローズレイ】、【千柱天雷】、【螺旋飛龍】
機体スキル:機体レベル:1【暗視】、【無音】、【低空飛行】、【水中移動】、【潜水】
リミットブレイクスキル:【天裂地爆斬】
装備武器
※【双刀】天裂刀・地爆刀:攻撃力+255、命中力+50、脳波力+50(龍属性)
※【太刀】天裂地爆刀:攻撃力+290、命中力+20、脳波力+50(龍属性)
【AW】青龍玉:攻撃力+220、命中力+75(龍属性)
【肩砲】双龍砲:攻撃力+210、命中力+10(龍属性)
【剣】隠剣・龍牙(腕):攻撃力+180、命中力+50(龍属性)
【剣】隠剣・龍牙(脚):攻撃力+190、命中力+50(龍属性)
※同種武器の同時使用は不可
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うん、強くなったよ。数値もだけど、見た目も強そうだ。機体は青みがかった黒のメタリック色がベース色で、ブルークリスタルの関節部が綺麗でよく映えている。関節部と同じ素材で描かれた龍紋が腰部分と、脚と背にある重力制御装置箇所に入っていて、ゆっくりと静かに点滅を繰り返していた。手首内側と足の甲には赤い剣の切っ先が見えており、これが隠剣・龍牙なのだろうが、色が赤い時点で隠しきれていない。赤といえばAQAの両目も赤だ。素体だと両眼から二本の赤色光線が出るが、機械装甲を装着している場合は赤い横長逆三角錐のバイザーを通すことで中央に収束し一本の赤色光線となって撃ち出される。頭部が目立つのは赤い目だけではなく、二本の黄色い操雷角もあるからで、青龍雷角と呼ばれる雷をコントロールする角である。
口元は開閉式のマスクになっており、開くとAQA素体のズラリと並ぶ鋭い牙が見える。口を閉じると格好良いが、開くと悍ましく見えてしまう。両耳部分が後方へと伸びる高性能アンテナになっており、黒色と相まってどこか悪魔のような印象を受ける。まあ、素体の姿に比べれば悪魔とは言い難いが・・・。首の後ろ側、項部分に埋め込まれた青機龍の逆鱗が青黒く発光している。ここから【双剣】天裂刀・地爆刀、もしくは【太刀】天裂地爆刀を取り出すのだが、その仕組みは整備員や研究員でさえも詳しくはわからないそうだ。
両肩には双龍砲が備えられているのだが、一見するとどれが双龍砲なのかわからない。砲身は無く、両肩に球体が埋め込まれており、そこから液体龍弾が発射される。片側周囲約280度、上下角約120度、距離100mまでが攻撃範囲となる。
以前のAQAは機械装甲を装着すると、やや前傾姿勢だったが、背中のブースターエンジンにAW収納台座、重力制御装置、帯電放出装置が加えられバランスが取れてきたのか背筋を張ったような直立の姿勢をとっている。
さて、今回の目玉武器といえば、AWだ。姿形を簡単に説明する三爪の付いたブラックダイヤモンド。何カラットかは分からないが、直径50cm位はあるので宝石として見たらかなりでかい、カテゴリとしては宝玉であるが、サーシャが見たら奪い取られそうな輝きを放っている。
AWは俺の脳とリンクしており、意志の力でAQAに搭乗していなくても操作が可能だ。お陰で整備姉さんに勝手に動かすなと、整備作業で鍛えられた豪腕で思いっきりぶん殴られた。
『パイロットネーム:トウマは生身の体でNPCに撃墜されました。【1ソウル奪取されました。】』
― チャチャチャ、リミッ、ブレーィ♪ ―
広い広い格納庫を散策してみたが、サーシャ小隊以外のプレイヤーは見かけられなかった。【助手の電子辞書】で調べてみると、別のサーバー(干渉し合う平行世界の様なもの?)に居るらしい。この電子辞書が無ければ互いに情報交換する事も、進行状況を確認し合う事も出来ないようだ。
・・・ん?つまり、この【助手の電子辞書】があれば他のプレイヤーの状況が分かるという事かな。
うまい具合に前方にナックを見つけたので、駆け寄ると他サーバーの情報を見るには【助手の電子辞書】の機能をどう活用すれば良いのか相談してみた。
「良いタイミングで相談してくれたな。実はな、仮ではあるがサーシャから副隊長に指名されたばかりなんだ。これからは相談事は経験値が入るので俺かサーシャにしてくれると助かるんだが。」
おお、そうなのか、じゃあ本当にタイミングが良かったんだな。そして本題の話をすると、情報共有機能を利用するには、先に自室の電子机で個人登録をしてからでないと情報の閲覧が出来ないらしい。個人情報の漏洩が問題視されている昨今、簡単に自身の情報を見せても良いのだろうか?そんな質問をしたら、ゲーム攻略には情報の提示は欠かせないのだそうだ。そして、俺の様なマイナスステータス持ちで、通常攻略ができなくて、それなのに高ステ持ちのプレイヤーの言う事は信用され難く、下手すると嘘吐きとして村八分のような扱いを受ける事になりかねないらしい。
マジですか?それなら個人登録しても目立つような報告は控えるようにしとこう。
ついでにナック副隊長(仮)の新型AQAを見せてもらうことにした。
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パイロット:ナック 操縦レベル:4
AQA:バイオレンス・オーガ 素体レベル:15 装甲ランク:3
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AQAの見た目は、全身が赤黒いメタリックカラーで、フェイスマスクは無く、出っ張った下顎側に生えてる二本の白い牙が特別大きく目元近くまで伸びている。体は金属鎧を着たガッシリ体型に剣と盾を装備した。顔だけが残念な印象のAQAだ。やや攻撃重視の機体で、属性銃が三種、炎属性剣が一、炎属性盾が一の五武器装備である。
「見た目は怖いが能力は桁違いだぜ。まあ、トウマのAQAに比べりゃ大した事ないだろうがな。」
「そんな事ないぞ、逞しそうで頼もしく感じられる。俺の後ろは任せたぞナック副隊長・・・(仮)。」
「ああ、流れ弾に気をつけろよ、エース候補生。」
冗談を交わし合い、後ほど作戦会議室に集合するよう指示を受ける。
先へ進むとキタとウェスとが話し合っているのが見えた。
「二人の新型AQAはどんな感じになったんだ?」
「おお、トウマか、まあ見てくれや、二人共なかなかええ機体になったで。」
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パイロット:キタ 操縦レベル:4
AQA:メタル・バシリスク 素体レベル:16 装甲ランク:3
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キタのAQAは、黒の兜に黒の甲冑を着込んだ中世騎士を思わせるフォルムだ。これぞ黒騎士って感じだな。黄色の縁取りも格好良さを強調させている。武器は相手に状態異常を起こさせる武器ばかりで、関節部を狙い硬化させ機動力を低下させる【銃】メタルライフル、装甲部を狙い軟化させ防御力を低下させる【銃】ローパーガン、頭部を狙えば脳波力を、腕部を狙えば命中力を、脚部を狙えば回避力を低下させる七種の状態変化武器【剣】レインボウレイピアを装備している。極めつけはセット装備のバジリスクアイだ。額のカバーを展開させれば第三の眼が現れ、精神力を消費するが、その眼がロックオンした敵の回避力と機動力を大幅に下げるのだ。これはリヴァイア・サクトゥのセット装備【重力制御】の効果に似ているな。(こちらは精神力は消費しないし、回避力と機動力が上がるけど。)
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パイロット:ウェス 操縦レベル:4
AQA:グリフォン 素体レベル:14 装甲ランク:3
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ウェスの機体はセット効果により機械翼が備わり、飛行能力を手に入れた様だ。これで上空からの狙撃が可能になった。武器は砲身10mの大型銃で、弾が斬属性の大剣弾の【銃】クレイモアライフルを装備している。防御力、回避力、耐久力を捨てた攻撃特化型AQAである。
「どや、支援機体としては申し分ないやろ?」
「僕のAQAじゃ、支援しか出来ないけどね。」
「いや、支援してくれるのが大事なんだ。とても心強いよ。」
二人に感謝を述べ、作戦会議室に集合するよう指示を受けた事を伝えてから別れた。
さあ、残るはサーシャのみだ。どんなAQAに仕上がっているのだろう?
「あら、トウマ、新型は仕上がったのかしら、R5AQAが期待はずれの性能だったなんて言わないでよ。」
「いや、R5は伊達じゃないって感じになったよ。期待しておいてくれ。」
「あらあら♪大きく出たわね♪」
上機嫌のサーシャにリヴァイア・サクトゥのデータを見せる。
「!!!。」
あまりのハイスペックに声も出ないようだ。
「どうだ?エースパイロットに相応しい機体だろ?」
「そ、そうね。これなら本当にエースパイロットになれそうね。」
サーシャが言うにはエースパイロットになる条件は百機撃破+αらしく、リヴァイア・サクトゥならそれも簡単にクリア出来るはずだと太鼓判を押された。よし、幸運力が条件に入らないのは俺にとってはラッキーだ。あとは俺の努力次第ってことだな。
で、R5AQAの後では見せ辛いと気にしていたサーシャだが、頼み込んだら渋々見せてくれた。
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パイロット:サーシャ 操縦レベル:4
AQA:ヴァルキリー(隊長機) 素体レベル:14 装甲ランク:3
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一言で言うなら凛々しい漆黒のAQAだ。黄色の縁取りはキタのAQAに似ているが、流麗なフォルムに、華美すぎない装飾が施されている。肩にペイントされている隊長機マークが誇らしげだ。武器は細長い槍に長大な盾、盾の裏側には二機のAWが搭載されている。
「キタのAQAも格好良かったが、サーシャのAQAは綺麗さも兼ね添えているな。」
「べ、別に見た目にこだわった訳じゃないわよ。」
サーシャは何故か照れてる。
互いのAQAを自慢し合ったあと、一緒に作戦会議室へと向かった。
会議室では主に【助手の電子辞書】の利用方法について話し合い、自室で個人登録を済ませてから休息する様に指示を受けて解散となった。明日は朝から司令室に集合し、☆ミッションのクリアを目指す。置いてけぼりの俺は基地内の探索だ。
自室に戻ると早速電子机に向かい【助手の電子辞書】を接続させる。個人登録を済ませると他のプレイヤーの現状を確認するが、黒軍以外の軍団情報が見れない。黒軍の情報も登録者がサーシャ小隊以外いなくて閲覧できなかった。まだ誰も図書室へは行ってないのかな?
他の情報を調べてみると軍団別に勢力値が表示される。
『軍別勢力値、白軍33、赤軍30、青軍28、緑軍27、黄軍31、黒軍23』
「ん?黒軍が一番低いな。」
勢力値の値がどのような形で影響するのか分からないが、この値は何故かモヤモヤと俺の心を不安にさせる。




