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■ 第4話:気づかれた存


息を殺す。


機械の影に身を潜めながら、レイは呼吸を整えようとした。


すぐ近くで、あの足音が止まる。


規則的で、感情のない動き。

人間じゃない。

それだけははっきりしていた。


「……いる」


小さく、レイがつぶやく。


カナの指が、服を強くつかんだ。


視界の端に、それは現れた。


細長い機体。

光るセンサー。

ゆっくりと首のような部分が動き、周囲をなぞる。


探している。


レイたちを。


ほんの少しでも動けば、終わる。


息を止める。


時間が、異様に長く感じた。


やがて——


機体は方向を変え、奥へと進んでいく。


足音が遠ざかる。


「……はぁ……」


カナが小さく息を吐いた。


「見つかってない……よな?」


「たぶん。でも——時間の問題だ」


ここは安全じゃない。


レイは立ち上がる。


「出口を探す」


閉ざされたままの扉を見る。


だが、その横に、小さな制御パネルがあるのに気づいた。


「これ……」


操作できるかもしれない。


レイは手を伸ばす。


その瞬間——


画面が点灯する。


『権限不一致』


短い表示。


だが次の瞬間、別の画面が割り込んできた。


『仮アクセス許可』


「……なんで?」


まただ。


触れてもいないのに、開く。


まるで——導かれているみたいに。


「急いで」


カナの声。


レイは操作を進める。


ロックが、ゆっくりと解除されていく。


外へ続く道が、わずかに開いた。


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