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■ 第10話:未完成の意味
暗い空間。
ほとんど何も見えない。
だが——静かだった。
外の気配が消える。
「助かった……」
カナが小さく言う。
レイは、壁にもたれる。
「なあ……」
呼吸を整えながら、つぶやく。
「このコロニー、なんなんだろうな」
答えはない。
でも、ひとつだけわかる。
「未完成って……こういうことかもな」
完成していない。
だから——隠している。
だから——壊れる。
だから——嘘をつく。
カナが隣に座る。
「でも……」
少しだけ、レイを見る。
「外より危険って、どういうこと……?」
あの声。
あの言葉。
まだ、何もわかっていない。
それでも——
確実に、何かに近づいている。
未完成の空の中で。
本当の意味に。




