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■ 第9話:選択
「どうする……!」
カナが言う。
出口はひとつ。
でも、そこに向かえば見つかる可能性が高い。
レイは一瞬だけ考える。
そして——
「奥だ」
逆方向へ走る。
「えっ!?」
「追われるより、隠れる」
直感だった。
二人は奥へ進む。
通路は狭くなり、暗くなる。
足音が追ってくる。
確実に、距離が縮まっている。
「レイ……!」
カナの声に、焦りが混じる。
そのとき——
行き止まり。
壁。
「……っ」
終わりかと思った。
だがレイは壁に触れる。
違和感。
少しだけ、温度が違う。
押す。
わずかに、動く。
「隠し扉……?」
隙間ができる。
二人はそこに滑り込んだ。
同時に、外を何かが通過する。
ギリギリだった。




