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お見合い  作者: いづる
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早い展開

それからは、3人で区役所へと向かった。


電話であらかじめ聴いていた福祉課の窓口へと行く。福祉課は市民の生活支援を担う部署であり、生活保護、障害者支援、高齢者福祉、児童福祉など、幅広い分野で専門的な支援を行っている。


職員を前に初めてのことで緊張していたが、明は明なりに今の状況をつたない言葉で伝えた。   

 それを受け止めてケースワーカーは、明に対して支援の流れや必要な手続きについて、明が理解できるように配慮しながらも丁寧に説明した。それを傍にいた彩さんが簡潔にまとめてケースワーカーや明の間に入り補足したりしている。


明のように経済的・精神的に困難な状況にある市民に対しても、個別のケースに応じた支援が提供される。


気が付くと、明は彩さんの隣にひっつくように行動していた。女の人に懐くのは、珍しいなあと翔太は思っていた。


ケースワーカーは明の状況を再度詳細に聞き取り、しっかりと受け止めて必要な支援内容を整理した。生活保護の申請手続き、就労支援、心理的なサポートなど多岐にわたる支援が検討され再度足を運ばなければならない。


「明さん福祉でできることはあるけど、その修ちゃんって人を完全に断ち切らなきゃ。だめよ」と、明に対して支援の流れや必要な手続きについても丁寧に説明し、明が理解できるように配慮した。

また、必要に応じて他の専門機関や支援団体との連携も提案された。明はその説明を真剣に受け止めているようだ。



聴きこぼれがないか、資料やメモを含めて俺たちは入念にチェックした。

そして、一通り終わると弁護士会館へと急ぐ。


弁護士会も無料枠30分という時間制限はあったが、私たちの話を訊いてくれて専門家としての意見を端的に述べてくれた。こちらにもホスト被害者がここ何年か多くなったといい、生活が圧迫している点に焦点を絞った。そして被害者という論点から、話を進めていった。

夕方の6時頃にはおおよそのことは聞けた。後は、明の判断や実施によるところも大きい。


「これからは、役所の方や弁護士の方が助言してくれたことを、進めていくしかないわね。明ちゃんは、1人でできるわね⁈ 今後、私たちは関わらないわよ」


「ええっ~」


「ええっじゃあ。ないだろ。今日はおまえのしでかしたことを責めるどころか、今の生き方を改善できるように区役所や弁護士会まで付き添ってあげたんだからな」


「わっ、わかっているわよ」


「どこまで真剣に思っているか怪しいけどな。じゃあな、頑張れよ」


「送ってくれないの?」


初めにいた喫茶店の近くに降ろす。

「どこまで甘えているんだよ。自分で帰れ‼」


「なんだか疲れたわ。でも、頑張って生きるのよ」と彩も声をかける。


「彩さん、連絡先教えて欲しい」


「おまえさあ。いい加減に人ばっかり頼るな。また、迷惑被るからやめた方がいいよ」翔太は、途中で彩にも忠告する。

(女の人には極端に近づきたがらない明なのに、本当に珍しい)


「今日、区役所や弁護士の職員さんが言ったことを明ちゃんが、ちゃんとやり遂げてから、落ち着いたらね」そう言いながら、連絡先を交換する。


「いいか、言われたことができたらだぞ」


「わかったわよ。……あり が とう」

車から降りた明は、俺たちが見えなくなるまで手を振っていた。











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