明の事情
外から戻って来た明。
「仕事休んだら、修ちゃんに怒られちゃう」
「修ちゃんって、彼氏か?」
「うふっ、気になる?」
「気になるのは、コーヒー代も払えないってことだよ」水を飲む明を見ながら言う。
「だって修ちゃんと会うのに、お金がかかるもん」
「なんでだよ」
「修ちゃんは、ホストなの。まだ店内で5位だから、お店でたくさん高いお酒入れたりしないといけないの」
「おまえ、ホストに貢いでるのか?一緒に住んでいるのか?」
「みついで‥るって? ううん。高いお酒入れる時だけお泊りしてくれるよ」
「馬鹿か、おまえ」
「もう、お金がないっていったら。夜の仕事を紹介してくれたの。その‥いろんな人の相手しないといけないけど、バカでも働けるからって。1位になったら、修ちゃんが一緒に暮らそうって言ってくれたの」
「それって、客のみんなに言ってるぞ」
「そうかも知れないけど‥。修ちゃんは、いい人だよ」
「いい人ねえ。おまえ、生活はどうしてるんだよ」
「‥‥」
「家賃とか、ちゃんと食べているのか?」
「家賃は、だいぶ払えてない。だから、大家さんには会わないようにしてる」
「そういう問題じゃないだろう。強制的においだされるぞ」
「修ちゃんが住むところ探してくれるって」
「その、修ちゃんって奴を信用しすぎだろ」
「だって、私を受け入れてくれたから」キラキラした目で、翔太を見る。
「ふん、良かったな。出て行ったのはおまえだろう」つい、余計なことを口走る。
「そうよ。だから、一生懸命に頑張っているのよ」
「ちょっと、頑張るところが違うような気がするけどな。食事は、どうしてるんだ?」
「ラーメンを食べてる。1日一回」
「ってことは、光熱費は払っているんだな」
「修ちゃんが、生活が出来なくなるからって‥」
「誰のせいだよ、まったく。おまえ生活費管理されているのか?」
「ちょっと、外で今後のことで話をしたいからちょっと出ましょう。明ちゃんは、ここにいてね。少し長くなるけど、何か好きなものを食べてもいいから」と、今まで仕事に徹していた彩さんが話を遮る。
「えっ、あっご飯食べてもいいの?」
「1000円までだぞ。こいつ制限しないと、好きなだけ頼むからな」
そう言い残して、二人は店から出た。
(ああ、なんであの女にあんなことしちゃったんだろ。もう、翔太とは関係ないはずなのに‥
今の彼氏は修ちゃんなのに‥
好きなはずなのに‥
でもあの女は苦手かも‥
綺麗な人だけど冷たい感じがする。翔太はあの人のどこがいいの?)




