天使のような昔の彼女?
席は二人掛けテーブルに俺と明が向かいあって座り、少し離れた二人掛けのテーブルの片方に彩さんが座った。
「私、仕事の段取りを頭に入れたいからここの席にするわね」といい、スマホを取り出した。
「翔太、タバコやめたんだあ。ヘビースモーカーだったのに」彩のことをチラッと見て、明に顔を戻す。
「ああ、将来のこと考えてな」
「ふーん」
(あっ、私ったら気づかなかった‥)
傍らで、聞いていた彩。
「彩さん、こいつどうする?謝る気がないなら、警察呼ぼうか?」
「そうね。昔の彼氏に焼きもち焼いて、彼女を道路に押し出すなんてたまったもんじゃないわよね」と、彩も調子を合わせる。
「悪かったわよ。もう、そんなことしない。それに、これから仕事があるのよ」
「あの交通量で、飛び出したらちょっとしたケガですまなかったんだぞ!!ちゃんと反省しろ。あと仕事してるのか?だったら、ここの支払いぐらいできるだろう」
「わかったちゃんと謝る。彩さん、ごめんなさい」斜め前にいる彩に、ぺコンとお辞儀をする
「謝ってもらったけど、あんまり誠意が感じられないわね」と彩。
「翔太、今の私なら抱ける?」明は突然そんな言葉を口にする。
「ぶはっ。ゴホッゴホッ」飲んでいたコーヒーごと吹き出す。ウェイトレスが気遣ってティシュを持って来てくれる。
「今さら、変なこと言うんじゃない」と彩の所に目線が泳ぎながら、やっと言葉を吐き出す。
「明ちゃん職場に、今日は休むって電話してね。あと、2時間位はかかるから」明の言葉には何も動揺せずに、横から彩さんは冷静に声を掛ける。
「に、にじかんって、もう謝ったんだし私、帰るわよ」
「じゃあ、やっぱり警察呼ぶわよ」
「な、何よ二人して。わ、わかったわよ。電話するわよ」と言って店の外に出て行った。
「ホントに、すまない。彩さんあいつのせいで、嫌な目にあわせてしまって、おまけに帰る時間も遅くなって‥」
「ん、まあ。乗りかかった船よね。それからタバコ辞めたこと、気づかなくてごめんなさいね」
「ああ、別にいいよ」
「明ちゃんだっけ?天使みたいな容姿でびっくりしたわ」
「まあ、芸能人みたいではあるかもな」流石に、天使はいいすぎだろうと思ったが。




