よけいなことを考えずに、自分に素直に‥
「もし、もし。孝子おばさん⁈私、森下 彩です。ご無沙汰しております。元気にしていましたか?」
「あら、お久しぶりね。彩さん?私は相変わらず、お節介おばさんを続けているわよ」
「その節はお世話になりました。あれから、仕事のお蔭もあって半年たってやっと吹っ切れたというか」
「私のことを思い出してくれたわけね。嬉しいわ」
「今回は、優良物件じゃなくても、大丈夫です。選り好みしている年齢でもないので」
「うふふ。その優良物件から、彩さんから連絡があったら伝えてくださいって伝言を預かっていたのよ」
「えっ⁈」
「それに最近、翔太さんも元の職場に復帰したみたいじゃない?」
「ちょっと前に、今の職場の同僚に聞いて‥いろんな所で曲かかってますよね⁈」
「あの曲、彩さんへのラブコールに聞こえるものね」
「私をネタにしてって感じですよね」
「うふふ。でも、悪くないなって感じでしょ?」
「まあ。でも、もう今さらですもの」
「そんなことないんじゃない? 翔太さんからの伝言はあの歌詞にあったように『あの銅像の前からまた始まる愛』そこで、待ち合わせをしたいって‥彩さんが都合がつく日時と曜日があれば伝えるわよ。きっと何があろうと飛んでくるわね。
うふふ。彩さんは何も余計なことを考えずに、自分に素直になればいいんじゃないかしら」私の気持ちを読んだように、孝子おばさんは優しく諭す。