事件簿4.禁煙デー〜エピローグ〜
カフェでユウロピーに飲み物を奢り、すっかり肩を落として座るおじさん。
彼の手元には未使用のタバコが1本だけ残っている。
それを指で弄びながら、ぼんやりとカフェの窓の外を眺めていた。
「結局、一服もできなかったな……」
おじさんは溜息をつく。
ユウロピーはそんなおじさんを見て、にっこりと笑っている。
「おじさん、健康になったってことだよ!今日は禁煙デーなんだから、タバコはやめて正解!」
ユウロピーは屈託なく、明るい声で言い放つ。
「健康になったのはいいけど、精神的にはボロボロだな……」
おじさんは苦笑いしながら、またタバコをポケットにしまった。
「ふふ、また一つ事件が解決したんだし、良かったでしょ!」
ユウロピーは元気よく椅子に座り直し、得意げに話す。
「それに私の推理も当たったし!」
「そうだな、確かにお前の推理は見事だったよ」
おじさんは苦笑いしつつも少し嬉しそうに呟いた。
「だけど次からはもう少し手加減してくれよ」
「それじゃ面白くないでしょ!」
ユウロピーは笑顔を浮かべながら、軽くおじさんの肩を叩いた。
「次の事件も楽しみにしててね!」
おじさんはその言葉を聞いて、またもや溜息をつきながら、ユウロピーの無邪気な笑顔を見つめた。こうしていつもの日常が戻ってくる。事件があろうがなかろうが、彼らの生活はいつも同じように巡っていくのだ。
「ま、いいか……」
おじさんは静かに呟き、窓の外を見ながら、次に何が起こるのかをぼんやりと想像した。