事件簿8.お掃除事件〜エピローグ〜
ユウロピーはおじさんと一緒に帰宅すると部屋を見渡して深いため息をついた。散らかされた本、資料、探偵グッズが部屋中に広がっている。
夢中に未解決事件をを追いかける中で大掃除は完全に放置されてしまっていた。
「ほらな、未解決事件がここにあるだろ?」
おじさんは、腕を組んで得意げに言った。
ユウロピーは頭をかきながら、少しバツが悪そうに笑った。
「あー、そうかもしれないけどさ…こういう事件って解決するの、面倒なんだよね。」
おじさんはニヤリとしながら、ソファに腰を下ろし、冷めたコーヒーを一口飲んだ。
「探偵は面倒な事件ほどやりがいがあるんだぞ。」
「それ、本当に探偵っぽいセリフだね。でも、おじさんがやるのは掃除じゃなくて、事件の捜査でしょ?」
「まあ、捜査も掃除も似たようなもんだ」
ユウロピーは苦笑いしつつも、仕方なく床に散らばった書類を一つ一つ拾い始めた。
「わかったよ、やるよ。でも次は、本当に未解決事件を解決したいよ」
おじさんは、ソファに横になりながら答えた。
「次の事件に進む前に、この『大掃除事件』をちゃんと解決することだな。」
「この事件、思ったより手強いかもね…」
そう言いながらも彼女は再び資料を片付け始めた。
どれだけ時間がかかってもユウロピーは名探偵の道を諦めない。そして、いつか本当の大事件を解決する日が来ると信じて。
だが、今は――まずこの部屋を片付けることが最優先だった。